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<何のための選挙?>争点なき選挙は盛り上がらない。盛り上がらない選挙は「民意」を反映しない。

メディアゴン / 2014年11月18日 1時26分

保科省吾[コラムニスト]

* * *

内閣府が11月17日発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算でマイナス1.6%。2期連続のマイナス成長になった。

つまり、消費税を10%にアップするのは性急であるという結論は、ほぼでたことになる。それにもかかわらず、安倍政権は「国民に信を問う」として衆院を解散し選挙に突入する。一体、何の信を問うために解散するのか? はっきりさせるために、バカバカしいが書いておく。

 「消費税の再増税は延期したほうがいいか、どうか」

である。

安倍政権は「民間予測ではプラス」のGDPが、「内閣府発表ではマイナス」であることを既に知っていたとさえ思われる。それ故の選挙なのである。将来に選挙をやるより今やったほうが負けが少ないと考えているはずだ。

「アベノミクスの3本の矢」などと表現するのは、まどろっこしいのでこれも具体的に書いておく。

1. 2%のインフレ目標 円高の是正 無制限の量的緩和
2. 国土強靱化と名づけた大規模な公共投資
3. 健康長寿社会から創造される成長産業 世界に勝てる若者 女性が輝く日本

おわかりの通り、安倍政権は、これを達成することが出来なかった。それ故のマイナス成長なのである。

野党はこの失政を攻め立てることで選挙を戦おうとしているが、それでは国民には何のことかわからない。国民にちっとも訴えることはできまい。「経済格差の是正」という責め方もあるが、これとて「アベノミクスによって日本を支える経済的な中間層が薄くなった」などでは生ぬるいこと限りない。

「消費税再増税」に関しては、与野党どちらもやらないのだから、これは争点にならない。「税金を上げる」という政策では「選挙で負ける国だ」ということは、どちらもわかっているからである。これだけの借金を抱えて置きながら、消費税を上げないでどう国を支えられるというのか? 三党合意はどこへ行ったのか?「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法」はどうなったのか。

争点のはっきりしない選挙ほど、盛り上がらないものはない。盛り上がらないということは「民意」を反映しない。「選挙に行く人だけの意思」で勝ち負けが決まる。

ここはひとつ、野党は明確な争点をひとつに絞って「シングル・イシュー・ポリティクス(単一争点政策)」で、戦うべきではないか。シングル・イシュー・ポリティクスは、小泉郵政選挙という悪例が過去にあるが、この際そんなことはおいておこう。

さて、筆者が提案するのは、郵政民営化よりはずっと国民の支持を得やすい争点である。その争点とは、

  『議員定数削減の実施』

である。

しかしながら、お断りしておくが、筆者はどちらにしろ単に権力を疑う者ではあるのだが。

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