<ライバルなき時代の真剣勝負>NHK紅白歌合戦「聖子VS明菜」はなぜ注目されるのか?
メディアゴン / 2014年12月20日 3時33分
岩崎未都里[ブロガー]
* * *
「中森明菜、NHK紅白歌合戦から出演オファー」のニュースを聞いたとき、筆者は生まれて初めて「最初から最後まで紅白を生放送でシッカリみたい」と心底思いました。
幼少期から我が家の過ごす年末は、父にNHK紅白歌合戦にチャンネルを合わせられ、ジャニーズに始まり都はるみさん、石川小百合さん、最後は北島三郎さんで締め。そのあと「ゆくとしくるとし」の善光寺で除夜の鐘を聞く。それが定番でした。
テレビから流れる紅白歌合戦の楽曲は最早BGMと化して、年越し蕎麦をメインに元旦おせちの補充用の品々をつまみ食いしながら、好きなアイドルが歌うときだけテレビ画面を観る、といった一般的な日本の家庭でした。
しかし、今年の「松田聖子、紅白の大トリに!」というニュース。紅白をBGM化している多くの人たちも、これには俄然、興味をもったのではないでしょうか。松田聖子さんは名実共に大御所ですから、今年の反響次第では、これからの「紅白大トリ」を長く続けてゆくことになるかもしれません。メディアゴンの水留氏記事(<トップアイドル時代を知る人物が予想してみた>NHK紅白歌合戦の大トリで松田聖子は何を歌うのか?)にもあるように、「赤いスイートピー」「瑠璃色の地球」などのヒット曲もさることながら、大穴として、娘・神田沙也加さんとの「アナ雪」も、松田聖子さんならあり得るなと、思ってしまいます。
そして、そんな中に更に飛び込んできたのが、「明菜出演か?!」のニュースです。
筆者はその途端、どうしても、今年の紅白歌合戦をBGMではなく、生放送でしっかりと観たくなってしまいました。「聖子が今年の紅白大トリ!」だけでそこまで関心はわかなかったでしょうし、「明菜、4年ぶり紅白で復帰!」だけでも、紅白BGM化は避けられなかったと思います。しかし、「あのライバル二人」となると、話は違います。
むしろ、紅白が終了し、0時を過ぎたら、「聖子と明菜の軌跡」などの特番を組んで放送すれば、紅白後もチャンネルを変えないのに、と勝手な想像までしてしまいます。
これは、筆者だけが反応してるのか? と思い周囲に聞いてみましたが、若い女性のほぼ100%が「紅白の聖子と明菜を観たい!」という反応。驚いたことに、10代の中・高校生までもが「観たい」と言うのです。昭和のアイドルバトルを現役中・高校生までもが観たいとは、一体なぜなのでしょうか?
筆者は次のように推察しています。
現役中・高校生は「なんでも平等」が方針の世代です、運動会では競争せずに手をつないで、一斉にゴール・・・なんていう冗談のような話も一時期話題になりました。テスト結果を点数順に廊下に張り付けることなどあり得ない。自然と周りを蹴落としてでも勝ち抜く競争という文化はなくなってゆき、競争や勝負などと接しない日々が常識となってしまっています。
もちろん、アイドルの在り方も変わりました。AKBなど総勢48名が仲良く頑張り、ファン達は彼女達全員を応援します。全員応援しながら、その大勢の女の子の中から自分の好きなアイドルを選択するわけです。ここに80年代アイドルのような「ライバル」なるものはありません。言い方を変えれば「皆が優しいライバル」でしょうか。今は「ライバル」という言葉を聞くことも少なくなり、ましてや1対1のガチの真剣勝負などは皆無です。
そんな中、聖子と明菜という「ライバルが戦う真剣勝負の姿」。今の中・高校生にとっては、これまで自分たちが知っているアイドル像にはない「新鮮さ」かもしれません。
「松田聖子VS中森明菜」の闘いは誰が仕掛けたわけでなもく、自然と生まれた「ライバル」関係です。聖子さんが陽なら明菜さんは陰。見事に鮮明なコントラストのある歌手人生を送る二人。
松田聖子さんは優等生のイメージが強く、完璧な「松田聖子」像を崩さない。結婚もして娘の神田沙也加さんもいます。30年に渡り「完璧な松田聖子」のスタンスを崩さずにきました。それに対して中森明菜さんは所謂「不良」のイメージ。曲調も聖子さんの個性の真反対をいきます。実生活では、結婚もせず、最近は体調を崩し暫く休業していました。
こんなドラマチックなライバル関係を見せつけられれば、当時を知らない今の中高生だって、関心を持ってしまいますよね。
今、筆者は会う人会う人に「聖子と明菜どっち派?」と聞きながら、紅白が始まるのを今か今かと待っています。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
『紅白』出場の鍵は「香取慎吾とのコラボ」中森明菜、NHKの“匂わせ”に特別枠発表を待望する声
週刊女性PRIME / 2024年11月27日 17時0分
-
“自分”を追求した中森明菜と“みんなの理想”を作り上げた松田聖子…振付師が明かす≪ふたりの違い≫とは?
集英社オンライン / 2024年11月27日 10時30分
-
〈香取慎吾とTATTOOでコラボ〉芸能界で「姫」と呼ばれた中森明菜が唯一無二である理由
集英社オンライン / 2024年11月19日 18時2分
-
35歳で神田正輝と離婚…あの頃とっとと結婚出産離婚した松田聖子にとって、年齢は時代との「合言葉」なのである
集英社オンライン / 2024年11月16日 19時0分
-
「85年組アイドル」が紅白歌合戦に大集結? 中山美穂、浅香唯、南野陽子らがデビュー40年
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月7日 9時26分
ランキング
-
1「松本人志の復帰」熱望する芸人たちの“気持ち悪さ”。娘をもつ父親、『虎に翼』主演女優の兄までなぜ
女子SPA! / 2024年11月27日 15時46分
-
2【独自入手】「非情すぎる」藤原紀香、篠田麻里子が所属の大手芸能プロが破産!タレントに届いた“絶縁状”
週刊女性PRIME / 2024年11月27日 18時5分
-
3「歴史から抹消するのね」NHKが紅白特番からSMAP排除、「忖度するな」ジャニファンから批判殺到
週刊女性PRIME / 2024年11月27日 18時0分
-
4《マンションの一室に消えて…》俳優・岸部一徳(77) 妻ではないショートカット女性と“腕組みワインデート”年下妻とは「10年以上の別居生活」
NEWSポストセブン / 2024年11月27日 11時13分
-
5美しき古装姿でブレイクしたシュー・カイが現代ドラマでも放つ魅力(※ネタバレあり)
Rエンタメディア / 2024年11月27日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください