<映画にある2つの選択肢>ドラマの監督は一人だが、ドキュメンタリーならみんなが監督
メディアゴン / 2015年1月5日 2時15分
原一男[ドキュメンタリー映画監督]
* * *
友達の友達はまた友達…というような縁で2008年から3年間かけて、滋賀県近江八幡市で、いわゆる“地域活性化”、つまり“町おこし”の一環としての映画作りに関わった。
いや、単にお手伝いをしました、なんていうレベルではなく、もっと深い関わりだ。完成版には私の肩書きに「企画・監修」とクレジットされているところから分かるように、このプロジェクトを引っ張ったのは私なのである。いえ、別に自慢したいわけではない。このプロジェクトで私が追究したかったことを話したいのである。
このプロジェクトの受け皿は、「*YUI-GON**プロジェクト」を名乗っているが地元・近江八幡を愛する青年たち(というより「おじさん」だが)が主体のボランティアの人たちだ。
彼等から相談を受けた私は、
「選択肢は二つあるんだが」
と彼等に説明した。ドラマを作るか? ドキュメンタリーを作るか? である。
もし、ドラマを選択したら? シナリオは市民に募集という形をとればいい。が、スタッフを組んだ時に監督は一人なので、どうしてもピラミッド構造になってしまう。
ドキュメンタリーを選択した場合は? 監督は必ずしも一人でなくてもいい、つまり、被写体の対象を一人に絞らずに複数という考え方をしたときに、スタッフも複数のグループを作ることができる。
市民に映画作りを呼びかけるという前提なので、監督を中心に一つのピラミッド型のスタッフを作るよりは、小さな人数でも多くのチームを組み、参加した市民たちが対象と関わることから始めて、どう撮るかのプランを練って、それからカメラを回す、という映画作りの全体を知ることが彼等にとってもオモシロイはずだと考えたのだ。
「カメラの後ろ側でも映画作りを体験できます」というウリだった。私のアドヴァイスを受け入れて、ドキュメンタリーをやろうという基本的な方針は決まった。
さて、題材をどうするか? である。
私は「遺言」を撮ろうよ、と提案した。遺言といっても死後の財産分けとかいうことではない。土地の年寄りたちは、残りの人生の時間は少ないわけで、その残された時間の中で何かしたいことはないか? これまでの人生の中でし残したことはないか? と聞き出して、それをやってもらおうよ、と。
そのやりたいことを具体的にアクションする過程を撮ることが、その人の人生のこれまでの歩みを検証することである。アクション自体が、その人のホントの意味での遺言になり得るはず、というのが私の考えだった。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
土に還る素材ピエクレックスを使用したTシャツをたねやグループが自社農園ユニフォームに採用
PR TIMES / 2024年9月20日 16時40分
-
八幡堀まつり2024
PR TIMES / 2024年9月17日 18時45分
-
秋の海ごみゼロウィークで更に広がる清掃活動の輪!「野洲のおっさん拾い箱」今年は東近江市へ寄贈
PR TIMES / 2024年9月12日 11時45分
-
長澤まさみが共感したある人物の言葉「人生においても同じことが言える」そこから導き出した壁の乗り越え方【「スオミの話をしよう」インタビュー】
モデルプレス / 2024年9月11日 17時0分
-
桃果、映画『マンガ家、堀マモル』出演「何度も観て欲しい作品」 主演・山下幸輝の印象も語る
ORICON NEWS / 2024年9月1日 10時0分
ランキング
-
1「高くても低くてもダメ」血糖値の正しい整え方 人格破綻まで招きかねない「低血糖」の恐怖
東洋経済オンライン / 2024年9月23日 17時0分
-
2どんな時にスマホを買い替える? 3位スペック不足を感じた時、2位故障した時…1位は?
まいどなニュース / 2024年9月23日 16時0分
-
3健康診断の数値が改善する7つの習慣とは…いわき市で糖尿病の専門医師が解説・福島県
福島中央テレビニュース / 2024年9月23日 14時31分
-
4痛くて腕が上がらない…【医師監修】五十肩という思い込みには要注意!痛みの原因と病状セルフチェック
ハルメク365 / 2024年9月23日 11時50分
-
5コーヒーよりもはるかに効果的…88歳医師が「長生きしたいならこれを飲むべき」と強く勧める"飲み物"
プレジデントオンライン / 2024年9月23日 15時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください