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<明石家さんまは「動物ドキュメンタリー」の鬼である>「巨大イカ」は明石家さんまの鑑賞に堪え得るコンテンツか?(その②)

メディアゴン / 2015年1月11日 0時59分

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー]

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先日、明石家さんまさんと話していたら携帯をいじりながら、突然こんな事を言った。

 「もうしばらくしたら、動物・生物も撮り尽くしてしまうんやろなあ?」

つまり、さんまさんは動物ドキュメンタリーが将来絶滅すると予言したのだ。筆者は、さんまさんが「野生動物映像マニア」だからこそ言える、正に本質を突いた一言だと思った。

年々、驚くべき動物を描いた作品が年々減っているのは確かだ。撮影機材や方向はより進歩しているのだが。映画劇場での上映にも耐えられる作品も増えた。ただ、時代を画する様な作品は減っている。

おそらくBBCの動物自然部門も大所帯なので困ってるのは間違いない。人間は一度目にしたものは、滅多にもう一度見ようとしないからだ。かつて彼らは山のような名シーンを撮ってきた。

熊が川のぼりする鮭に手づかみで食らうシーン。川を渡ろうとする巨大な群れの水牛群が獰猛なワニに襲われるシーン。アッテンボロー卿が軽量飛行機で撮影に成功した空中移動撮影の渡り鳥の一群。アフリカの巨大蟻塚の内部の驚くべき構造。南アフリカの空中を飛ぶ巨大鮫。深海生物の信じられない姿の数々・・・撮影に膨大な努力と知恵と年月と予算がかかっても、人間はどんどん映像を消費する。

やがて近い将来、野生動物を撮り尽くしてしまうだろう・・・。さんまさんはこう予言している。予測できる近未来の様子だが、野生動物の撮影に命をかけて来た人達には大問題だ。

同じことは「秘境・異国ドキュメンタリー」についても言える。異国情緒(エキゾチズム)は映画・テレビに取って最高の武器だった。NHKの「シルクロード(1980〜1984)」に衝撃を覚えてから、日本中のテレビマン達は「秘境・異国」を先を争う様に撮り続けた。バラエティ番組でもやりにやった。やがて地球は掘りつくした金鉱の様になり、「秘境・異国映像」は滅多に見られなくなった。あるいは現地に住む日本人を捜しに行くとか長期滞在するとか言う「企画性」を持たせなければならなくなった。まあそれも時代の流れだろう。

「ネタ切れ」。これはメディアが持っている宿命だ。それをただ嘆いても仕様がない。「見たことないもの」を人間は見たがるからだ。映画創世記。フランスでは工場の出口から仕事の終わった人がたくさん出てくるシーンが驚くほどの観客を集めた。ほとんどの人はその光景を見たことがなかったからである。

そして現代。YouTubeは10万回再生された素人からの投稿映像に100万円を賞金として与えていたことがあった。スノボーで信じられな曲技を見せる素人。家庭内で起こる巧妙なドッキリ。これも観たことがないものを見せるためである。いまはこの懸賞制度はやめているみたいだが、これも映像がパターン化することによる新鮮さの喪失を避けられなかったのだ。

しかし、地球上では、今も「脳」を駆使して人間たちが様々な活動をしている。良いことも悪いことも。優秀なディレクターや出演者がその技を駆使したり、最新テクノロジーを駆使すれば、まだまだ「見たことがない」映像が生まれてくるのだろう。

1212年に書かれたと言われる「方丈記」は、

 「ゆく河の流れは絶えずしてしかも元の水に非ず。よどみに浮かぶうたかたはかつ消え、かつ結びて久しくとどまりたるためしなし」

と書いているが、どんな最強のコンテンツもやがては消滅する運命にある。また全く予期しないところから強力なコンテンツが生まれてくる。これはすでに800年前に鴨長明が予言していたのかもしれない。

ただ野性や自然映像が苦しくなりつつある今、私の予言だとスポーツと世界で通用するドラマが今後隆盛して来ると思われるのだが。明石屋さんまさんはこの状況をかなり残念がると思うのだが。

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