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<素人芸人・三中元克のプロレス修行?>笑いがたった2つしかなかった3月7日の「めちゃイケ」

メディアゴン / 2015年3月27日 1時58分

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

* * *

3月7日の「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ)は、5年前に加入した「素人枠」の新メンバー、三中元克を主人公にした感動ドキュメンタリー仕立ての「壮絶ドキュメント!三ちゃんプロレス修行132日の全記録!」であった。

笑いの番組が感動に走るのを筆者はよしとしないが、今回の放送では、特に「笑い」が全体で2つしかないのが気になった。

「めちゃ×2イケてるッ!」は、「全体が笑いを狙ったドキュメンタリーコントなので、中身としてインサートするVTRは、作りがあってもよい」という思想に貫かれている。それは素晴らしいことだ。と、プロの一人として言っておきたい。

ところが、今回はスタジオもなしで、全体がVTRのみの構成であるから、その思想さえもズレている。中身が「作り」であることは番組が自ら言っている。

さて、2つしかない「笑い」の箇所についてである。

岡村隆史が三中に対して、

 「『みちのくプロレス』に入門してプロレスラーになれ」

と、告げるところがある。この時点で三中は、プロレス行きを嫌がっている。嫌がっているところを、

 「芸人なら演る」

という論理でねじ伏せて、本人の希望であるように力技のナレーションで持ってゆく。以下を、本人自身のプロレスラー希望であるとして描くのは「作り」の証拠である。

また、厳しい練習に耐えかねて東京に逃げ帰った三中のアパートを「めちゃ×2イケてるッ!」メンバーで、三中が兄のように慕っているというジャルジャル・福徳秀介が訪ねて、

 「プロレスに戻れ」

と説得するシーンがある。このシーンについてはラストで福徳が、

 「『戻る』と言うまで説得しろと言われた(誰に言われたのかはおそらくわかるだろう)」

と、発言している。これも「作り」である証拠だが、この発言に全員揃っている「めちゃ×2イケてるッ!」のメンバーは、一斉に笑っていた。冒頭に言ったように、ここが2つある笑いのうちのひとつである。

2つ目の「笑い」は、チビタイガーに扮した岡村と三中のビンタの張り合いの場面である。こういう所には、岡村の芸人としての腕が、きちんと光っている。岡村は明らかに三中を優しく殴っている。もちろん画面のこちら側には伝わらないように。

もちろん、テレビの視聴者側の視点は岡村が三中にビンタをハラれて激しくよろける方に行くように計算されている。このように、「めちゃ×2イケてるッ!」は、芸人の腕を見せる番組であって欲しいと思う。

だからこそ、三中の説得理由のひとつとして「芸人なら何でも演るだろう」は間違っている。

 「芸人は何でも演る存在ではない」

なのだから。

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