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<キワモノではない?SMアイドルに注目>「変態アイドル」を名乗るフェッティーズは「変態ではない」

メディアゴン / 2015年3月17日 2時17分

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フェッティーズ[SMアイドル]

* * *

先日、福井市議会において、ある市議が、競輪事業振興のために市が新年度開催する女子競輪「ガールズケイリン」について、その集客力に疑問を呈し「裸で走りゃ別」などとセクハラとも取れる発言をしたことがニュースを騒がせた。

市議は、すぐに「口がすべった」と謝罪し、発言を取り消した。しかし、これは「裸で走れ」に限った話ではない。性に関するステレオタイプなイメージによって、不快感と違和感を味わっている多くの存在に気づいていない政治家は多い。

昨年10月、現役大臣が政治資金の交際費として「SMバー」へ支出してことについて、民主党・菊田真紀子衆議員が「口にするのも汚らわしいところ」と表現して批判して問題になったことは記憶に新しい。私的な遊興費の支出に政治資金を利用することへの批判のために、なぜ「SMバーは汚らわしい」と言う必要があったのか。

私たちは、現在「フェッティーズ」という名前で活動している4人組の女性アイドルグループである。他のアイドルとの最大の違いは、「変態アイドル」「SMアイドル」など、「変態」や「SM」という言葉をキャッチコピーとして用いている点だ。

このような「変態」という自虐とも取れる表現を利用する背景には、エンタテインメントとして、対外的なインパクト狙いという面もあるが、それ以上に、私たちのような嗜好性をもっている層からの「問題提起」になると考えているからである。

実際、自ら名乗っておきながら、私たちに「変態(=普通と違う/異常・病的な状態)」という自覚はない。自分たちはSMを愛好したり、追求したりしているだけであって、「変態」であるとは思っていない。

もちろん、違法なこともしないし、他人に迷惑をかけることなどもない。それどころか、もはや一般用語にさえなっている「Sか、Mか」といった性癖の区分に対してさえ違和感を覚えている。例えば、

 「あなたはSなのですか? Mなのですか?」

というありきたり(?)な質問に対しては、私たちは顔を濁し、口を揃えてこう応える。

 「相手によります。」

この回答こそが、私たちSM愛好者の本心であろう。

 「人間の性癖は誰しもSかMかに分けられる」

というようなステレオタイプな感覚さえも、私たちにとって常に違和感であり続けている。(もちろん、私たちのようなエンタテインメントの世界では、自虐的にネガティブな言葉である「変態」「SM」を意識的に利用することで、それを営業用の武器として用いる事もあるわけだが)

フェッティーズ然り、女性のSM愛好者の多くは、好きなファッションやカルチャーを突き詰めた結果、現在のポジションやライフスタイルにたどり着いたという人がほとんどだ。

ファッションの延長線上に、ボンテージ、タトゥー、ピアスがあり、谷崎潤一郎、三島由紀夫、江戸川乱歩などの文学作品を愛した故の好奇心から、アンダーグラウンドな嗜好性やSM的なシチュエーションに関心をもってきたのである。

よって、SM愛好者の多くが自身の趣味嗜好に誇りを持っている。こだわり抜いた先にこそ、そういった嗜好があるからだ。

しかし、そういったSM愛好者たちのポリシーとは裏腹に、特に女性の場合は、それを見る男性たちからは安直に「セックス」と結びつけられる事が非常に多い。SMを安易に性サービスのアイテムとして組み込んでしまうアダルトビデオや風俗店の影響も大きいだろう。

福井市議の「裸で走れば」というセクハラ発言問題や民主党議員の「SMバーは汚らわしい」発言問題の本質は、そういったステレオタイプな性のあり方のイメージや先入観にある。いずれも、そういった延長線上にある言動なのだ。

例えば、私たちのようなSMを愛好する女性が考える「かっこいい」を実践した結果として、男性の性的な想像力を刺激していることがある。しかし、それはあくまでも結果であって、男性から「安易なセックスの対象」とみられたいからではない。

同じように、競輪選手は男性から性的な対象として注目を集めたいから競輪選手をしているわけではないだろう。

今回のような「問題発言」の問題を偏見・蔑視・差別で片付けることは簡単だが、冷静に考えれば、「裸で走れ」市議は「女性が大好きでいつも性的な対象で見ているだけ」ということを公表しているにすぎない。「SM汚らわしい」発言の民主党議員は、SMを単なるセックスアイテムとだけ思っているのだろう。なんと汚らわしいことか。

こういった問題の解決には、SMを含めた様々な嗜好性を理解し合う努力が必要だ。特に、政治家や公的な立場にある人、対外的に影響力を持っている人たちはそれを理解して、言動のひとつひとつに気を配る事こそが重要ではないだろうか。

(文責:フェッティーズ・プロデユーサー neko)

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