地方に住む男性が「メンタルヘルスの治療を拒否する」理由

Menjoy / 2012年2月27日 20時0分

メンタルの問題を抱えている男性にカウンセリングの受診を提案するときは、ちょっと注意が必要です。特に地方に住んでいる女性は、都会に住んでいる女性よりも慎重になった方がいいかもしれません。

そもそも男性はメンタルの問題について、女性よりも専門家の助けを借りようとしない傾向がありますよね。

今回はさらに悩ましいことに、アイオワ大学心理学部のジョセフ・ハンマーとデビッド・ヴォーゲルの研究によって、この傾向は“都市に住む男性よりも地方に住む男性のほうが強くなる”ことがわかったのです。

メンタルヘルス専門家の協会『GoodTherapy.org』サイトから、地方の男性がカウンセリングを嫌がる理由についてお伝えします。

 

以前から、この傾向については専門家の間では言われていたそうです。しかし今回は、問題を解決すべく、“いったい何が治療に行くのを妨げるのか”を調査しました。

そして、地方の男性がクリニックに行かないのは、「それが汚点になる」と考えていることなどが原因だとわかりました。

まず、成功や力、感情のコントロール、独立独行の精神など、“男性らしい規範”が西洋文化に広く見られるとのこと。アメリカの男性は、早いうちからこれらの規範について教えられるのだとか。

なので、助けをもとめたり、精神的な弱点を見せてしまうことは弱さの表れであり、少年にとってはしばしば家族や親類のからかいの対象となってしまうため、カウンセリングを「汚点になる」と考えてしまうそうです。

この価値観、都会に住む男性とどれぐらい違うと思いますか? 今回、都会・地方の男性合わせて4,748人に対してインタビューを行った結果、都会の男性と比べて地方の男性は、なんと2倍も伝統的な価値観に従う傾向があることが判明しました。

原因は、こういった価値観だけではありませんでした。地方は専門医が少ないので、「秘密が守られるかどうかの心配をしなければいけないので行かない」という理由もあったのです。

また、特定の病気は転地療養が必要になる場合もあり、そうなると家族や仕事から離れてしまい、「役割を果たせなくなって、自分に対する自信を喪失してしまう」とも考えているとのこと。

ちなみに、収入の多い少ないは病院へ行く動機に影響していなかったのですが、受けてきた教育の多い少ないは影響していました。

調査したすべてのコミュニティにおいて、教育を十分に受けていない男性は、内面的汚点を理由として治療を拒否する傾向が最も強く表れたのです。

研究者たちは、「アドベンチャー療法やインターネット療法などの非伝統的な治療法が、地方に住む男性的な規範を守る人にとって有力な選択肢となるのではないか」と考えています。

このアドベンチャー療法とはキャンプやロッククライミングなど冒険に基づいた治療で、インターネット療法とはそのまんまインターネットをベースとした治療法です。

他には、治療の不名誉さを打ち消すようなエピソードを広めることも、こうした抵抗をなくすのに効果があるとのこと。

最後に研究者は、「治療に関する信頼を高めるようにすることで、患者の自信やプライドに対する潜在的な危険を避けることもできるようになります」と述べています。

 

いかがでしたか?

これはアメリカの研究ですが、日本でも近いことが言えるのではないでしょうか。相手の価値観を尊重して、“秘密が守られる”と安心させる必要があります。

とは言え、なかなか難しいことなので、「うつ病の夫が病院へ行きたがらない時に妻がやるべきこと」でご紹介した、身体的な症状のついでに促す、一緒に行ってあげる、相手の判断能力を信頼する言葉をかけて自発的な行動を促す、などを試してみてくださいね。

 

【精神科医が教えるシリーズ】

うつ病の夫が病院へ行きたがらない時に妻がやるべきこと【前編】

うつ病の夫が病院へ行きたがらない時に妻がやるべきこと【後編】

精神科医が教える「後悔しない」うつ病治療の病院選び【前編】

精神科医が教える「後悔しない」うつ病治療の病院選び【後編】

 

【参考】

Why Men From Rural Communities Avoid Seeking Mental Health Counseling – GoodTherapy.org

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