ついに脳科学で「なぜ男は女を愛せないのか」が解明される

Menjoy / 2012年3月28日 22時0分

ここ数年、脳科学者といえば茂木健一郎ですね。個性的な髪型と言動で抜群の知名度を誇る茂木氏ですが、脳についての研究をわかりやすく説明する科学者は、なにも彼がはじめてというわけではありません。

例えば、杉靖三郎という科学者がいます。杉氏はかつて『女性に贈る私の生理学』なる著書を出版していますが、これはなんと1960年のことでした。

タイトルひとつとっても現代で通用する驚きのセンスです。そんな杉氏は約40年ほど前、著書『英才教育―間違いだらけの教育―』のなかで、

「他人を“愛する”ことは女性特有のものであり、男性は本来持ち得ない」

としました。

医師でもあった杉氏は、当時盛んだったホルモンの研究からこのような結論に至ったようです。脳や心については現代でも未解明の部分が多いくらいなので、これはあくまで仮説にすぎませんでした。

しかし、この仮説が実は、最近の研究で証明されつつあるのです。

 

■女性が人を“愛する”のは本能

2004年、ロンドン大学(当時)のアンドレアス・バーテルズ教授が発表した研究結果によれば、恋愛中の女性の脳では、母性愛を実感するときと同じ回路が活性化されていました。

また、恋愛中と育児中では、関係するホルモンの結合部位も共有されていることがわかっています。女性は、本能的に自分の子どもを愛するように、男性のことを愛すると考えてよいでしょう。

一方で、男性が育児をしても、この回路は活性化されませんでした。また、残念なことに、男性が女性に感じるのは愛ではなく、性欲であるとする研究結果があります。

エール大学出身の女性医師ローアン・ブリゼンディーン氏は、思春期の男子には急激な男性ホルモンの増加が起こり、それが脳の性的発火中枢を刺激するとしています。

このとき分泌されるドーパミンによって、男性は愛を実感するのではなく、むしろ攻撃的になると考えられます。そもそも、性的発火中枢そのものが、男性では女性より2.5倍大きいのです。

つまり、男性の本能は、愛ではなく性欲によって女性を求めていることになります。

 

■男性が人を“愛する”メカニズム

では、これまで見聞きしていたような男性の“愛”とは、幻想だったのでしょうか。

ここで、別の研究結果を紹介しましょう。ニュートンプレスの『最新の脳科学 脳の仕組み』では、男性の“愛”は本能ではなく、記憶であるとされています。

どういうことかというと、まず主に母親によって、乳児期の男性に“愛”が注がれます。すると、その記憶は短期記憶として、男性の旧皮質の一部(海馬)に記憶されます。

旧皮質は大脳の中で、記憶・感情・情動の役割を担当しています。一方、理性・精神・創造の司令塔である大脳の新皮質は、およそ4歳くらいから発達するとされています。

その新皮質の発達とともに、母親由来の“愛”の記憶は、海馬から新皮質に移行します。そして、これが長期記憶となって、男性に“愛”として認識されると考えられるのです。

人間は他の動物と比べて、新皮質が特に発達しています。つまり、人間だけが他の動物の雄と違い、本能の支配に打ち勝ち、“愛”を知ることができるのです。

 

いかがでしたか?  確かに男性は、本能的に人を愛することができません。しかし、記憶によって愛を知り、与えることができるのです。

ちなみに、人間の新皮質が完成されるのは20代中盤とか。お相手にはそのくらいの年齢をチョイスすると、お互いに愛し合う落ち着いた恋愛ができるかも知れませんよ。

 

【脳科学シリーズ】

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脳科学的に有効な「失恋の痛手から立ち直る」究極テク

 

【参考】

※ 山内修(2012)『わが国の離婚・中絶率と結婚・出産至適年齢について』 母性衛生第52巻4号

※ 杉靖三郎(1967)『英才教育―間違いだらけの教育―』 潮文社

※ 水谷仁 編(2008)『最新の脳科学 脳の仕組み』 ニュートンプレス

※ Louann Brizendine(2010)『The Male Brain』 Broadway Books

※ 田中富久子『脳と心 思春期以後の性差は性ステロイドホルモンの作用による』 ニュートンプレス

※ Andreas Bartels and Semir Zeki(2004)『The neural correlates of maternal and romantic love』 Neuroimage

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