「テレ東っぽい企画ない?」が合言葉! 放送作家が語るテレビ業界の企画事情

メンズサイゾー / 2014年8月18日 10時0分

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 次々と生まれては消えていくテレビ番組。その中には終了が惜しまれるものもあれば、人々の記憶にほとんど残らないものもある。そんな中、業界内で企画作りのお手本になっているテレビ局がテレビ東京だ。

「ご存知かも知れませんが、テレ東は在京のテレビ局の中では万年5位の視聴率で『テレビ番外地』と呼ばれています。ですが、制作会社などで開かれる企画会議では『テレ東っぽい企画考えて』というように指示されることが多くなってきました。これは、今までは考えられなかったことです」(バラエティ放送作家)

 確かに、最近のテレ東は他局の番組に飽きた視聴者にとって、その間隙を突くような良質な番組を作っている。蛭子能収と太川陽介による『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』はもちろんだが、他にも、羽田など日本の空港に降り立った外国人に来日の目的を聞き、さらには同行する『Youは何しに日本へ?』も好評だ。同番組は、水曜の深夜でレギュラー化された後、月曜のゴールデンタイムに昇格。今では19時台という激戦区で、視聴率は11%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)以上を獲得することもある人気番組に成長した。

 他にも、グラビアアイドルの吉木りさが数分間、画面に向かって罵倒するだけという8月限定放送の『吉木りさに怒られたい』。実際、本当に罵声を浴びせられるだけなので視聴者の中には『思っていたのと違う』という声もあるが、テレ東しかできない振り切った企画といえる。

 さらには、終電を逃した人にタクシー代を出す代わりに家についていく『家、ついて行ってイイですか?』もある。同番組は深夜に4回放送された後、15日にはゴールデンタイムで2時間スペシャルとして放送された。他にも、出川哲朗が行く先々で電動スクーターの電気を市井の人々にもらって走り続ける『"充電させてもらえませんか?"~ちょいと電動スクーターでガチ40キロ刻み旅』や、通勤列車を待つ会社員に「今日1日休みを取り、好きなところへ出かけてみませんか?」と誘い、その行程をレポートする『逆向き列車』など、マニア心をくすぐる番組が続々と作られている。

「以前には『テレ東は放送作家のオアシス』というニュースもありましたが、それはディレクターにとっても同じ。フジテレビなどのように、芸能プロダクションとの結びつきも強くありませんし、『ゴールデンを見据えた企画を』と求められることもない。テレビマンには『業界に入ったらこれを作ってみたい』といったような、常に心の中に留めている夢の番組というのがあります。その窓口が現在のテレビ東京なのです」(制作ディレクター)

 それが受け入れられているということは、視聴者も、そういったしがらみがない純粋な企画を欲しているということでもあるだろう。もちろん、テレビ東京は台所事情もあり、とにかく「低予算」が至上課題となっているが、だからこそ知恵も生まれるのかもしれない。

 先に挙げた番組は深夜に放送されていたものが多い。1990年代、フジテレビが『カノッサの屈辱』『TVブックメーカー』『文學ト云フ事』『たほいや』『地理B』といった深夜番組の盛り上がりで若者の支持を集め、全盛のきっかけを作ったように、テレビ東京がこれらの番組を足掛かりに、「民放の雄」になる日を楽しみに待ちたい。
(文=今井良介)

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