大量の謎と伏線を散りばめた大人ドラマのはじまり/『カルテット』第一話レビュー

messy / 2017年1月20日 0時0分

 そんな真紀の夫は、1年前失踪しました。「夫婦って別れられる家族」「人生には3つ坂があるんですって。上り坂。下り坂。まさか」「人生ってまさかなことが起きるし起きたことはもう元には戻らないんです。レモンをかけちゃった唐揚げみたいに」と、名言を吐きまくる真紀は、もう帰るところがないしここ(別荘)でみんなと音楽と暮らしたいと宣言しました。

 ほかの3人はというと、すずめはもうすっかり別荘に居着いている様子です。ドラマ冒頭、東京の路上で演奏していたすずめですが、詳しい過去は不明です。前から軽井沢付近に住んでいるはずの愉高も「一緒にいればカルテットの結束も固まる。僕はずっと暮らす」と週末以外も別荘で生活することにしたようです。すずめも愉高も、今まで住んでいた家は引き払ったのかそのままにしてあるのか、よくわかりません。2人ともお金に余裕はなさそうです。ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラといった弦楽器は、裕福な家庭の人間がたしなむ音楽のイメージがありますが……。別荘は司の祖父所有ですが、司はいつから別荘で暮らしているのか、カルテットを組む前のことはやはり不明です。ほかの3人も帰るところがないのでしょうか。

 “ベンジャミンの嘘告発”と“真紀の夫さん”を巡って繰り広げられた4人のぶつかり合い。ですが、感情をぶつけ合っているように見えて、4人ともまだ本性を見せるには至っていないというか、どこか上っ面感があります。知り合ってカルテットを組んで間もないのだから当然かもしれませんが、デリケートで際どい話をしているにもかかわらず、みんな仮面をつけている感じで、視聴者側は4人それぞれの真意を捉えかねます。不気味だな~、こいつら一体何を考えているんだ? という感じ。真紀にしても、ベンジャミンや夫のことでかなり饒舌になっていましたが、べらべら繰り出す言葉たちが彼女の本心そのものというわけではなさそうです。



 さて、口論しつつも練習を重ね、「ノクターン」での演奏本番を迎えた4人。4人のグループ名(?)は当初、「Quartet Doughnut(カルテットドーナツ)」でしたが、元地下アイドルで炎上経験豊富・笑顔だけど目は笑っていないアルバイト店員・来杉有朱(吉岡里帆)が“ベンジャミンから聞いた話”として「音楽っていうのはドーナツの穴(hole)のようなものだ。何かが欠けている奴が奏でるから音楽になるんだよねって。全然意味わかんなかったですけど。フフフフフゥ~(嫌な笑い方)」と彼らに告げたことから、「カルテット・ドーナツホール」に変更になりました。ドーナツの食べられる部分じゃなくて、穴のほう。何もないほう。

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