雨が降り始めた時に嗅いだことがある、あの「雨の匂い」の正体って?

進路のミカタ / 2019年6月4日 12時4分

写真

雨が降り始めた時にふわっと香る雨の匂い、皆さんは好きですか? なんとも言えない独特の匂いですが、雨はただの水なのに、どうしてあんな特有の匂いを発するのでしょうか? 雨の匂いの正体について迫ります!

■雨の匂いにはちゃんと科学的な名前が存在した!

「雨の匂い」には科学的な名前が存在していることをご存知でしょうか?雨が降ってくると地面から立ち上ってくるあの匂いは「ペトリコール」という名前がつけられています。ギリシャ語で「石」を意味する「ペトロ」と「神々の静脈を流れる液体」を意味する「イコール」を組み合わせて作られた言葉だそうです。

名前の由来からも読み取れるように、このペトリコールは雨水から発せられる匂いではなく、岩や泥、植物など地面に存在する物質によってもたらされています。

ペトリコールを生み出す主な成分は、雷が空気を切り裂いた時に発生するオゾンと土壌にいる細菌が放出するゲオスミンという成分、そして石や土壌に堆積した特定の植物が放出するパルミチン酸やステアリン酸などの油の3つとされています。

オゾンは爽やかな芳香、ゲオスミンは土っぽい芳香、そしてパルミチン酸やステアリン酸は草原の爽やかな芳香を持ち合わせており、これが独特な雨の匂いを作り出しているのです。

■ハイスピードカメラの登場で解明した、雨の匂いが空気中に漂うメカニズム

ところで、なぜペトリコールの成分が地面にあるのに、私たちの嗅覚で感じられるほど空気中に漂ってしまうのでしょうか? この謎はハイスピードカメラによって解明することができました。

地面に落下する雨滴をハイスピードカメラで観察したところ、地面に雨が落ちた後に「エアロゾル」と呼ばれる気体中に浮遊する水の微粒子が放出されていることが分かりました。

エアロゾルの例としてわかりやすいのは霧です。霧は大気中に小さな水滴が浮いている状態です。霧のような、空気に浮くほどの小さな水滴が、雨が地面にぶつかった際に発生するのです。

ハイスピードカメラでの観察によると、水滴は地面に着地した瞬間、波紋を広げながら地面に広がります。その後、波紋が消えると同時にエアロゾルを空中に放出しています。その際に土壌中にあるペトリコールの成分を含んで空気中に飛んでいってしまうわけですね。

エアロゾルは風によって広範囲に漂い、やがて私たちがその匂いをキャッチすることで「ああ、雨の匂いがするな」と感じるようになるのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング