高校生が本格的な環境で研究に没頭する3日間! 「RIKEN和光サイエンス合宿」開催レポート

進路のミカタ / 2019年8月22日 12時4分

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高校生が最先端の研究や技術を体験する「RIKEN和光サイエンス合宿」。2019年度は7月24日(水)〜26日(金)に理化学研究所 和光地区で行われました。合宿は2泊3日に渡り、最終日には「体験発表会」が行われました。その様子をレポートします。

■実験に没頭する3日間「RIKEN和光サイエンス合宿」とは

2015年から理化学研究所(以下、理研)が主催している「RIKEN和光サイエンス合宿」は、実際の研究施設を使用し、現役の研究者と一緒に高校生が実験や分析、考察を行うもの。2泊3日をかけて最先端の研究に没頭し、食事も研究者と一緒に取ることができる濃い内容が人気で、毎年全国から応募者が殺到します。

今年の内容は、物理分野のAコース「宇宙から降り注ぐ素粒子の正体を見てみよう!」、化学分野のBコース「切っても元通りにくっつく不思議なゴムを作ろう!」、生物分野のCコース「細胞の構造を超解像イメージで見てみよう!」の3コース。Aコース6名・Bコース6名・Cコース4名の高校生たちが実験に明け暮れる3日間を過ごしました。

■世界最先端の実験結果と完全一致!? 涙と汗の研究成果と体験発表会

最終日の午後は、それぞれのコースが研究成果を発表し、質疑応答にも対応します。
具体的にどのような実験を行ったのか見ていきましょう。

Aコース(物理分野)「宇宙から降り注ぐ素粒子の正体を見てみよう!」

宇宙から地球に絶え間なく降り注ぐ「素粒子」。なかでも地上に届く宇宙線・ミューオンという素粒子に注目し、検出器を手作りして寿命を測定するという実験を行いました。検出器は、実際に研究現場でも使用されているいくつかの種類の中から「プラスチックシンチレータ」を選択。測定に誤差が出ないよう、慎重に慎重を重ねてメンバー全員で手作り。できあがったシンチレータを使って、約21時間をかけて測定し、ミューオンの寿命2.25μsという結果を導き出しました。誤差±0.14μsを加味すると、世界最先端の実験結果と完全一致するといううれしい結果に。

Bコース(化学分野)「切っても元通りにくっつく不思議なゴムを作ろう!」

ゴムやナイロンなど、その優れた機能から新材料の開発が世界中で活発に進められている「高分子化合物」。今回の実験では理研の持つ最新の研究設備を使い、自己修復する高分子材料の開発を行いました。課題となったのは、「環境を選ばず、外部エネルギーを必要としない新素材を作ること」。
今回は、スカンジウム触媒の活性化→共重合→分離を経て、できあがったポリマーを分析し、形状回復の実験までを行いました。その結果、スカンジウム触媒を用いた極性オレフィンとエチレンとの新しいポリマーが出来上がりました。これは穴を開けたり破損しても、自然に自分で修復するという高機能な新ポリマーのため、医療機器や地下ケーブル、人工衛星、手袋、おもちゃなど多様な用途に応用できます。そんな未来ある夢の物質を自分たちの手で作ることができました。

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