【シゴトを知ろう】学芸員 編

進路のミカタ / 2020年3月24日 12時11分

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博物館などで、資料の収集や保管・展示などを行う学芸員。美術館や動物園など、活躍のフィールドはさまざまです。今回は、山梨県・富士河口湖町教育委員会で文化財担当として勤務している学芸員・杉本悠樹さんにお話を伺いました。

■もの言わぬ文化財の価値を伝える仕事

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

私は、町の教育委員会で文化財担当の学芸員として勤務しています。文化財の保存や管理・活用が主な業務です。

建物や彫刻などの有形文化財をはじめ、森林や洞窟などの天然記念物、史跡・名勝など、文化財の種類はさまざま。それらを守り、生かし、伝えていくことが私たちの仕事です。発掘などの調査や、町民向けの講演をする機会もあります。

この富士河口湖町は、世界文化遺産の富士山を抱えています。近隣の市町村と連携して構成資産の調査・研究を行い、その価値を伝えることも役割の一つです。

<一日のスケジュール>
8:30 出勤 ミーティング
    文化財に関する届け出の審査 講演向けの資料づくり
12:00 昼休み
13:00 外出 世界文化遺産・富士山の巡礼路を現地で調査
17:15 退勤

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
「ものを言わない」文化財ですが、それぞれの持っている意味や大切さを代弁するのが学芸員。文化財と人の間に立って、その良さや大切さを伝えられることがやりがいです。

文化財の価値を伝えるために開く講演や講座を通して、いろいろな人たちと交流し、つながりができることも楽しいです。町のケーブルテレビで番組を持っているので、ときどき視聴者の方に声をかけられることもあります(笑)。
 

Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

文化財を守るために、文化財保護法をはじめ、さまざまな法律・規制が設けられています。土地を開発する場合、許可や届出が必要になったり、建物の高さが制限されたりすることが少なくありません。開発を行う方々にそれを説明し、納得してもらうことは大変ですね。しかし、景観などの文化財を守るためには欠かせない仕事です。

■「遺跡の発掘がしたい!」高校生の時の夢を実現

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
 
小学校の社会科見学で考古博物館に行ったとき、土器や黒曜石の石器を見て興味を持ったのがきっかけです。中学でも社会科、とくに歴史が好きで、やがて遺跡の発掘をやってみたいと思うようになりました。

大学では学芸員の資格課程を受講し、考古博物館などでのアルバイトも経験。卒業後は県内の別の市で嘱託職員となり、発掘調査や展示の企画に携わりました。その後、富士河口湖町教育委員会に文化財担当として採用され、現在に至ります。


Q5. 大学では何を学びましたか?

大学は、史学科の考古学専攻に進みました。はじめは、遺物の形態や技法などから年代・地域を割り出す「型式学的研究法」をはじめ、考古学の基礎を学習。また、測量や発掘の技術を身につける実習があり、遺跡の発掘調査も体験しました。土器の作図といった、研究のための技術も学ぶことができました。

学芸員の資格課程では、巻物の広げ方など文化財の扱い方をはじめ、保存・展示のための知識を身につけました。規定の単位を修得し、卒業と同時に学芸員の資格を得ました。卒業後に一から取得するには、通信教育の受講や国家試験の受験などが必要になるので、学芸員を目指すなら大学の資格課程を修めることをおすすめします。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校生のとき、遺跡の発掘をしたいと考えていました。社会科の先生が以前埋蔵文化財センターへの出向経験があった方だったので、考古学の履修と学芸員の資格が必要なことを教わり、相談しながら大学・学科を選びました。おかげで、その選択が現在の仕事に直接つながりました。

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