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少年忍者、号泣演技で伝えた“生きる”とは 歌唱・ダンス・殺陣・和装…白虎隊体現で新境地へ【夢見る白虎隊】

モデルプレス / 2024年11月21日 19時30分

身体能力が抜群の安嶋は、昔ながらの武士として生きる一本気質な有賀織之助をまっすぐに演じ、アクロバットも取り入れ、見事な身のこなしを披露。鈴木は、モダンで洒落た服を着て一際異色な雰囲気を放つ間瀬源七郎をユーモアたっぷりに演じ、鈴木の持つ独特な感性と重なり彼にしか出せない味わいで物語を彩る。

豊田演じる石山虎之介は、類まれな記憶力を持つ頭脳派なキャラクターであることから物語の展開や白虎隊をまとめる役割を担っていると感じ、ほかのメンバーが感情的になる場面でも冷静さを保つなどさすがの貫禄。稲葉は白虎隊最年少の津川喜代美を愛嬌たっぷりに熱演。時に少年忍者としてのメンバーの関係性が垣間見えるような瞬間やくすりと笑いがこぼれる瞬間もあり、それぞれの個性が輝き、新境地が見える。

◆幕末を生き抜いた白虎隊を通して少年忍者が伝えたい“今を生きる”こと

物語の終盤、生き残った貞吉が声を上げ大粒の涙を流しながら「みんなの声がもっと聞きたかった。みんなともっと話したいことがいっぱいあった。みんなと一緒に笑い合いたかった」と感情をぶつけながら放った言葉が耳から離れない。1幕での明るく和気あいあいとした場面やステージで繰り広げるダンスや8人で奏でるハーモニーが微笑ましいだけに、2幕で本格的に描かれる戦争のシーンやわずか10代の未来ある青年である白虎隊が悲劇を迎えるシーンは思わず目を反らしたくなる場面が強烈に脳裏に焼き付く。

これまで立ち続けてきたステージとガラリと雰囲気を変え、現代を生きる彼らが激動の時代を生きた白虎隊を演じた本作。何を考え、何を求め、どう生きたのかを、笑いも取り入れ、全身全霊で体現して見せた。今だからこそ伝えたい“生きる”とは―――今日も彼らはステージに立ち、私たち観客へ問いかける。8人の魂の叫び、覚悟を持ち情熱を込めて役を生き抜く勇姿を劇場で見届けてほしい。(modelpress編集部)

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