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斎藤工発案・移動映画館「cinema bird」文化庁⻑官表彰受賞 初開催から10年「⻑く続けていきたい」

モデルプレス / 2024年12月17日 20時18分

斎藤工(提供写真)

【モデルプレス=2024/12/17】劇場体験を届ける移動映画「cinema bird(シネマバード)」が、文化活動で優れた功績を上げた人や団体に贈られる「令和6年度文化庁⻑官表彰」を受賞。12月17日に京都ブライトンホテルにて実施された表彰式に、発案者である俳優・映画監督の斎藤工が登壇した。

◆斎藤工、受賞への想い語る

2014年に東日本大震災の被災地である宮城県石巻市にて初開催した「cinema bird」。この開催を皮切りに福島や熊本、北海道、石川、愛媛などの被災地や映画館がない地域を中心に、お寺や体育館といった様々な場所を1日だけ映画館にし、体験型のエンターテインメントを届けてきた。

この度、文化活動に優れた成果を示し、我が国の文化の振興に貢献された人や団体へ、その功績をたたえるために贈られる「令和6年度文化庁⻑官表彰」を、「⻑年にわたり、被災地や映画館のない地域に同じ空間で感動を共有する大切さを伝えるために、人と人が繋がる“劇場体験『映画×ライブ』”を通じて文化芸術活動のイノベーションを図り、劇場体験×地域を通してSDGs実現と地域に根ざした持続可能な取り組みのモデルケースを実現している』と評価され、「cinema bird」実行委員会が受賞した。

表彰式に出席した発案者である斎藤は、ブラックスーツに身を包み、少し緊張した面持ちで登壇。関係者に深く一礼したのち、文化庁都倉俊一⻑官から表彰状を受け取ると顔に喜びの色が浮かんだ。まず、今回の受賞について斎藤は「このたび大変栄誉ある賞をいただき、光栄に存じます。私個人としては、こんな荘厳な場所に立つことはできなかったと思っています。私だけではなく、実行委員のスタッフ、自治体の皆様や、関係者の皆様の協力があり、ここに立つことができました」と、謝意を伝えた。

そして、「プロジェクトの起源は東日本大震災でした。俳優の私に何ができるのかと、とても⻭がゆく苦しい思いをしていて。ですが、被災地の方々に耳を澄ませてみると、必要な物資はある、でも、娯楽というものに、その瞬間だけでも心を委ねたいーーそうした言葉が聞こえてきました。その言葉を受け、小さな規模から始めて、今年で10年経ちます。このプロジェクトは、私自身が皆さんに心を満たして欲しいというもので、いわば私にとってのライフワーク。このような厳かな場所に呼ばれていいのかと思いましたが、ここにいる素晴らしい先輩方が、人生を賭けて打ち込まれてきた文化・芸術を継承してくださったおかげなので、私も胸を張って列席させていただきたいと思いました。『cinema bird』は鳥のように自由に、軽快さ、そして柔軟さというものを常に持って開催しています。地元の皆さんにも、このようなプロセスでできるんだ、ということを伝えることができれば、そして、エンターテインメントという“ハブ”が全国、特に被災地に広がればと心から願っています。好奇心とたくさんの感動を覚える空間が『cinema bird』の醍醐味。本日のこの受賞を励みに、この活動を⻑く続けていきたいと強く決意しました。本当にありがとうございました」と今までの活動を振り返るとともに、喜びを語った。

「cinema bird」は、この栄誉にふさわしい活動を目指して、精神的にも肉体的にも感じられる一生忘れられないひと時を持続的に実施するべく、これからも日本全国に“劇場体験”を届けるという。(modelpress編集部)

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