50代女性「このまま賃貸か、それともマンション購入か?」

MONEYPLUS / 2019年3月28日 18時30分

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50代女性「このまま賃貸か、それともマンション購入か?」

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、9年後に定年を控え、このまま賃貸に住み続けるか、住宅を購入するかについて迷っている51歳の女性。購入するなら住宅ローンを組むことになりますが、退職金は支給されないといいます。FPのたけやきみこ氏がお答えします。

現在、賃貸住まいで、実家は両親ともおりません。住宅を購入するか、このまま賃貸でいくか迷っています。定年は60歳です。その後もなんらかの形で働いていく予定ですが、勤務先は未定の状態です。退職金はありません。自分自身の年金は65歳から年100万円程度の予定です。65歳までは年間100万円程の遺族年金が支給(上記手取り金額に合算)されるので、パート程度の働きで大丈夫でしょうか。また、現在の賃貸マンションの家賃は8万円。今後、3000万円ほどのマンションに頭金1000万円ほど入れて購入しようかと考えていますが、問題ないでしょうか。もしくは、定年後に1人で住む小さなマンションを購入した方がいいのでしょうか。子供はあと1年で大学を卒業し、就職する予定です。


〈相談者プロフィール〉
・女性、51歳、夫と死別、子供1人(大学4年生)
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・手取りの世帯月収:28万円
・毎月の支出目安:24万円
・貯金:1200万円
・投資:800万円
・居住地:東京都


たけや: お子様の独り立ちまであともう少しです。大学の学費や生活費の工面はまもなくなくなります。これからは、ご自身のことをちゃんと考えることができる時期です。

生きていくうえで住まいは不可欠ですし、かかるコストも結構大きいものです。一生賃貸で暮らすのか、持ち家を所有して家賃への不安を取り除くのか、よく考えて決めてください。まずは、ご相談の内容に沿って回答をさせていただきます。

現金収入が得られるうちは働く

60歳定年後は、再雇用か、新しい就職先を探して、ご自身の老齢年金の受給が始まるまでは、働き方を緩めずに就労されることをおすすめします。現在は手取りベースで年間336万円の収入がございます。このほか、遺族年金を100万円受け取っていらっしゃるという認識でおります。

支出は給与収入の範囲で収まっています。お子様の教育費用を遺族年金から工面されている可能性もあるかと察しました。そうであっても、お子様の教育費用はあと1年です。それ以降(定年まで)は、遺族年金の年間100万円が丸々残ります。

65歳まで就労するにしても、定年後の収入は定年前よりもかなりダウンすることが予想されます。現在の年間手取り額336万円から約半分程度の170万~200万円に収入が落ちると仮定して、住宅ローンの検討をしてみてはいかがでしょうか。

ご相談者様の考えていらっしゃるパート程度の働きで得られる収入はいくらなのか、具体的な提示はございませんでしたが、「定年後はいくら収入があれば安心か」は、この後に記述しております住宅ローンに関する内容を参考にしていただいて判断いただければ幸いです。

住宅ローンを組むなら「65歳まで」に完済させる

ご希望の物件価格は3000万円とありますので、都内では中古物件になるでしょうか。また、1000万円を頭金として、ご提示の内容で進めてみましょう。不動産購入時の仲介手数料やローン申込みにかかる費用は考慮しないで、1000万円を差し引いた2000万円を借り入れる試算をしてみました。

また、いただいた情報では、65歳から受給できる公的年金額は200万円。毎月生活に充てられるお金は約16万円になりますので、ここからローン返済をねん出するのは厳しいです。

65歳以降も何らかの仕事を続けるというお考えがあれば、ぜひそうしてください。毎月5万円でも10万円でも収入があれば、キャッシュフローは良くなります。ただし、健康であればの話しですので、そのリスクを考慮すると、今回はローンを65歳完済のシミュレーションにしました。返済期間中の就業不能のリスクは保険で備えると安心です。

現在51歳とのことで、65歳完済を目指すローンを組んでみますと、次のようになります。

借入額: 2000万円
返済方法: 元利均等返済方式
ローン返済期間: 14年
金利: 1.220% (2019年3月のフラット20を参考)
毎月返済額:約13万円
※筆者が独自に試算

ローン返済が始まると、生活費などに回せるお金は15万円になります。マンションでは、管理費・修繕積立金のほか、固定資産税も毎年支払う必要がありますので忘れないようにしてください。

ここで、赤字が発生して不足分を遺族年金から補てんしようとすると、まとまった貯蓄ができなくなるので、毎月の収支は黒字になるようにして、遺族年金を貯蓄にまわすように心掛けましょう。というのも、退職金がないため、定年までにしっかり貯めてほしいのです。iDeCoなど私的年金をつくる制度も上手に利用しながら自身の退職金をつくるラストスパートという気持ちを持ってください。

定年後は給与収入が減り、年間手取り額200万円とすると、ローン返済後の毎月の生活費はわずか3万円しかありません。そうなると遺族年金も生活費としてあてにせざるを得ません。かなりカツカツになる可能性がありますので、定年前までに貯めておいた退職金代わりの資金があれば安心感が違ってくると思われます。

ローンを組んで住宅購入したり、リフォームした場合には「住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)」「すまい給付金」「リフォーム減税」などの税制優遇が受けられます。期限や要件がありますので最新の情報を調べてください。

資産を活用しながら、老後の備えを

住宅を購入される前提のお話になりますが、ご相談者様にとってローンを組むのはタイミングとして「最後のチャンス」と考えられます。当面はお子様と同居することも想定した物件選びになるのかもしれませんが、ご自身が高齢になった時に自宅を売却すれば、余生を送るための資金にすることもできます。また、コンパクトマンションやサービス付き高齢者向け住宅など、その時のご相談者様の状況や希望に合わせた住まいに変えることもできます。そのためにも、購入される物件は、この先売り手が付きやすい物件かを見極めて購入しましょう。

私もご相談者様と歳が変わらない世代なので、友人との会話で「老後の住まいはどうする?」なんて話をしたりします。現在の会社員という立場はローンを組むことができますし、老齢年金の受給前に完済することができれば、慎ましい暮らしにはなりますが年金生活も夢ではありません。

逆に、今回の試算を検討してみて、マンションを購入しない結論もアリだと思います。手元の現金は使わずに老人ホーム等への入居資金に利用してもいいでしょう。また、東京都ならシニア単身者として都営住宅への入居も検討できます。

まだまだ、一家の大黒柱として、母としての役割も大変だと思いますが、お子様の独り立ちを見送ったらご自身の老後生活について、色々なライフプランが描けるといいですね。

(たけやきみこ)

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