アラフィフ夫婦の悩み、"賃貸"と"購入"どっちがいいの?

MONEYPLUS / 2019年5月3日 18時0分

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アラフィフ夫婦の悩み、"賃貸"と"購入"どっちがいいの?

50代になれば老後の暮らしをどうするか?夫婦で考える機会も増えてくることでしょう。

"賃貸"か"持ち家"かは損得だけで決められるものではありません。ライフスタイルや価値観まで含めると正解は人それぞれでしょう。

人生100年時代と言われる昨今。収入が下がった60代以降の生活をどうするのか、住居費も含めた家計収支について真剣に考えていかなくてはなりません。

今回は、50代から考えたい住居費についてお話しします。


転勤が多く賃貸住まい、老後が不安…

筆者はファイナンシャルプランナーとして主にアラフィフ会社員世帯からお金の不安や悩みについてご相談をいただいております。そんな中で50代になりマイホームを購入した方がいいのか?お悩みの方は一定数いらっしゃると感じております。

一例ですが、50代ご相談者様のケースを見てみましょう。マイホームを購入しようと思っている時に転勤、その後も転々として現在に至るまで賃貸住まいをされています。60歳以降は収入も下がるため、このままずっと家賃を払い続けることができるのか不安な思いが強くなってきたとのことです。

いっぽうで、親の家を相続で受け継ぐ可能性もあります。だとしたら、このまま賃貸でも大丈夫かもしれない、と思う気持ちもありどうすればいいのかとご相談に来られたのです。

老後の賃貸住まいの費用<30年で総額3,600万円>

60歳以降賃貸に住み続ける場合、トータルで住居費はどのくらいかかるのでしょうか?

たとえば筆者の暮らす千葉県市川市では、UR賃貸物件が62㎡で約10万円前後の家賃です。子供は独立予定とすると、夫婦2人には十分な広さでしょう。仮に60歳から90歳までの30年間を暮らした場合、総額3,600万円になります。

60歳以降は収入が減少し、65歳以降は公的年金が主な収入源となる中、毎月10万円の支出が続くのは不安に思う人もいることでしょう。

老後の住居費の平均<30年で総額約492万円>

では、老後の住居費の平均はどのくらいなのでしょうか?総務省の2017年家計調査報告「家計収支編」によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の住居費は1ヶ月当たり1万3,656円です。30年間では491万6,160円になります。この金額からイメージできるのは住宅ローンの返済がない持ち家の方達です。

その他、家計調査報告で注目したいのは、毎月の家計収支が5万4,519円の赤字というところです。住居費が1万3,656円でも家計全体で5万4,519円の赤字なのが年金暮らしの実状と言えます。

あくまでも、これは統計上の数字ではありますが、賃貸暮らしの場合、住居費の備えをしておく必要があります。一生涯収入が入り続けるのでなければ、貯蓄を崩していくことになります。

購入も一つの選択 押さえておきたい2つのポイント

購入についても積極的に検討しておきたいところです。購入する際のポイントをあげてみました。

1.資産になる物件を選択
2.住宅ローンを利用する

「資産になる」とは、後々に賃貸や売却がしやすい価値があるという意味です。マイホームを購入する場合、主導権は自分にあります。戸建・マンションなど自由に決められますよね。

多少駅から遠くても戸建がいい、マンションなら間取りにこだわりたい、ゲストルームがあるマンションがいい、などと夢が広がるものです。しかし自分たちの嗜好と、万が一売却する場合の資産価値のバランスを考えて決めることは重要なポイントです。

たとえば、将来介護施設に入居することになった時に売却して現金化できるかなどをイメージするとわかりやすいでしょう。空き家問題がメディアでも取り上げられていますが、2033年頃には3軒に1軒が空き家になると言われています。

つまり住宅は供給過多となるのです。売却そのものや大幅に値下げしないと売却できない可能性も出てくるため、資産価値が下がりにくい物件選びをすることは重要です。

また、貯蓄が十分にある場合でも、現在は金利も低いので、住宅ローンの利用を検討したいところです。50代で住宅ローンを利用する場合の注意は主に2つあります。

1つ目は団信と言われる住宅ローン専用の生命保険に加入できるかです。健康状態によっては加入できないこともあるため、重要なポイントです。2つ目は、完済時の年齢を75~80歳までとする金融機関が多いため返済期間と毎月の返済額で返済可能なのかも重要です。

住宅ローンを利用する理由は、生命保険がついているので万が一死亡した時に残債がなくなること、手元に現金を温存しておくことの安心感、物件によっては住宅ローン減税など税制優遇があることなどが挙げられます。借金は悪、のイメージがありますが、借金をすることで家計のキャッシュフローにとってはいいケースもあります。特に老後の収入が見込めない家計であれば、どうすれば家計が長持ちするのかを考えることは最優先事項です。

相続をアテにしない方がいい理由

親の家があるからこのまま賃貸で大丈夫と考えているとしたら、個々の事情によるものの主導権は自分にはないことを自覚する必要があります。つまり、いつまで家賃を払い続けるのか?は親の寿命次第とも言えます。

ご存じの通り、平均寿命は伸びています。75歳男性では平均余命が12.18年、75歳女性では15.79年あるのです 。親からの相続財産に不動産を取得するときに気をつけたいのは兄弟間で揉めることです。争続に至り遺恨を残すのはお互いに避けたいものです。親からの相続をあてにするのはオススメできません。

いっぽうで、親の介護も考えて2世帯住居にリフォームして暮らすなど家族みんなが納得する場合には選択肢のひとつになるでしょう。

賃貸か持ち家か、どちらがいいのかに正解はありませんが、夫婦でよく話し合って決めることが失敗しないセカンドライフの肝ではないでしょうか。

(三原由紀)

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