株価はこのまま上がるのか、「循環論」から考えてみた

MONEYPLUS / 2019年4月26日 6時0分

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株価はこのまま上がるのか、「循環論」から考えてみた

景気の先行きについては、「減速する経済成長、再加速は不確実」とされたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通し(4月)など、弱気の見方もあります。その半面、足元では中国、米国などの景況感に対する投資家心理は改善しています。

実際のところ、世界経済はどのような局面にあるのか。大型連休に入る前に、現状を整理しておきたいと思います。


今後の投資判断のポイントは?

予想と比較して上振れた経済指標が多いことを反映して、アセットマネジメントOneが算出している経済指標サプライズ指数(グローバル総合、MSEと呼んでいます)も大きく上昇に転じており、変化を重視する投資家の心理は相当改善したと思われます。

MSE

加えて、2019年1月に米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が利上げの継続に対して慎重なスタンスを示したことも、今年に入ってからの米国や日本の株価上昇要因であると思われます。

現在両立していると思われる「改善している景況感」と「政策金利引き上げは少なくとも当面休止という見方」がどのように変化していくかが、今後の投資判断のポイントであると考えられます。

相場にはどのような局面があるのか

概念的な景況感と金融政策、そして株価との関係は、下図のようなイメージ図で説明されることがあります。

循環図

(1)業績相場:景況感が好調なことは通常、企業業績の好調につながるため、株価が上昇。
(2)逆金融相場:景況感の好調が続くと、中央銀行は政策金利の引き上げなど、引き締め的な金融政策を選好。引き締めへの懸念から、株価は下落に転じる。
(3)逆業績相場:引き締め的な金融政策が実行されたことにより景況感が実際に悪化し、株価はさらに下落。
(4)金融相場:中央銀行が緩和的な金融政策を実行することにより、株価が上昇に転じる。

こうした流れを経て、再び業績相場に戻るという循環的な考え方です。これは、景気と金融政策の循環と株価の上昇・下落という視点を組み合わせた古典的な概念ですが、最近の株価変動に当てはめることができるのでしょうか。

イメージ図に当てはめると現状は?

本来はトレンドを伴ったもう少し長い動きに適応すべき概念だと思われますが、米国の2017年初頭からの懸念ベースの動きを含む市場の変動に当てはめてみましょう。

2017年は、好調な景況感と企業業績を背景に、株価が上昇しました。この局面は業績相場に当てはめることができそうです、

次に、2018年4~6月期の米実質成長率が4%(前期比年率)を上回るなど景気が底堅さを保つ中で2018年2~3月に発生した下落は、累積的な政策金利引き上げがいよいよ景気に悪影響を与え始めることへの懸念によるものと私は考えています。したがって、この下落を上図に当てはめれば逆金融相場に分類することができそうです。

そして、2018年12月の下落は、米長短金利の逆転による景気後退懸念がきっかけの1つになりました。したがって、この局面は逆業績相場と理解することもできそうです。

最後に、2019年に入ってからの上昇は、パウエル議長が利上げに対して慎重スタンスを示唆したことがきっかけの1つであるため、まだ利下げは実施されてはいませんが、金融相場と考えることができそうです。

そして、足元の株価上昇が中国や米国の堅調な経済指標をきっかけの1つとするものであれば、再度、業績相場入りしたという見方ができるかもしれません。

今後の留意点はどこか

ただし、どの局面でもこのように簡単な概念図に当てはめることができるほど、実際の経済や市場の動きは単純ではありません。逆回りすることや、そもそもこの概念図で説明できないような動きに見舞われることもあります。

米国では、過去と比較して低い政策金利水準を維持すること自体が緩和的効果を生むという見方もあります。しかし、パウエル議長が率いるFRBが再度政策金利の引き上げに向かうには、堅調な経済指標データの積み上げに加えて、丁寧な説明を要し、一定の時間が必要であると思われます。

このような状況下、大幅に増加した米小売売上高(3月)に代表されるように、仮に景況感が改善する局面が続けば、金融相場と業績相場が相まって、米株式市場は良好な投資環境が続くと判断することができそうです。

なお、中国では景気に過熱感が見られれば、すぐにでも政策が変更される可能性があること、さらには日本の景況感やこれを受けた政治的な動向(消費税率引き上げをめぐる議論を含む)などには、注意が必要と考えます。

<文:チーフ・グローバル・ストラテジスト 柏原延行>

(アセットマネジメントOne Market Plus執筆班)

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