リスクを抑えて投資を始めるなら?初心者のための「2つのコツ」

MONEYPLUS / 2019年6月5日 18時30分

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リスクを抑えて投資を始めるなら?初心者のための「2つのコツ」

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、投資を始めようか悩んでいる28歳の公務員の女性。投資初心者のため、どの運用手段を選んでいいのかわからないといいます。FPの鈴木さや子氏がお答えします。

昨年秋に車を一括で購入(120万円)し、貯蓄が半減したことを受け、投資をして少しでもお金を増やしたいと考えるようになりました。貯蓄は現在160万円弱(財形貯蓄120万円、普通預金40万円)しかありません。財形貯蓄の利率が1.2%と高いため、素人が投資に手を出すよりも、財形貯蓄で増やした方が安全でしょうか。つみたてNISAやiDeCoなど、さまざまな運用手段があり、どれを活用したらいいのか判断できません。


〈相談者プロフィール〉
・女性、28歳、未婚、一人暮らし
・職業:公務員
・居住形態:賃貸
・毎月の世帯の手取り金額:17万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:80万円
・毎月の世帯の支出目安:17万円


【支出の内訳】
・住居費:3.3万円
・食費:2.8万円
・水道光熱費:1.3万円
・教育費:なし
・保険料:0.6万円
・通信費:0.7万円
・車両費:0.6万円
・お小遣い:0万円
・その他:3.7万円


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:4万円
・現在の貯蓄総額:160万円
・現在の投資総額:なし
・現在の負債総額:なし


鈴木: こんにちは。ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子です。上手にやりくりしてしっかり貯蓄できていますね。自動車を買うときもローンを組まずに一括購入、とても素晴らしいことです。

財形貯蓄を活用されていますが、これからは投資もしてもっとお金を増やしたいと考えているのですね。お金が減るリスクがある投資では、いかにリスクを抑えて運用するかがポイントとなります。初めて投資にチャレンジする方が、リスクを抑えて始められる方法をお伝えします。

資産形成の基本は「貯蓄」

資産形成の主な方法には「貯蓄」と「投資」がありますが、基本は貯蓄が優先です。ご相談者様が今されている財形貯蓄は、金利が1.2%と一般的な定期預金の60倍もあり、続けない手はありません。ぜひこのまま継続してください。

最低限必要な貯蓄ができたら、投資を少しずつスタートして大丈夫です。貯蓄と投資の大きな違いは「流動性」。金額が減ることのない普通預金や財形貯蓄(一般財形と仮定しています)であれば、必要になった時にいつでも引き出すことが可能です。しかし、情勢によって金額が増減する投資は、必要になった時に元本を割っている可能性もあり、いつでも引き出せる、というわけではありません。ですので、まずは下記の金額が普通預金や財形貯蓄で準備できているかをチェックしましょう。

1.必要予備資金

病気や介護など予期できないトラブルによる減収に備えて、手持ち資金として持っておきたいお金です。目安金額は、会社員や公務員の方は生活費3ヵ月~半年分。ご相談者様の場合、半年分以上貯蓄できていますので安心ですね。

2.10年以内に使うことが決まっているお金

家具や家電の購入、旅行、冠婚葬祭、引越し、結婚といった大きなお金がかかるライフイベントがないかをチェック。もしある場合は、どのくらいのお金が必要か計算しましょう。

ご相談者様の場合は、必要予備資金は十分に準備できていますので、2のお金がどのくらいあるか計算し、今後の財形貯蓄はその準備にまわしていくとよいかと思います。もし3年後に30万円かかるイベントがある場合、毎月1万円財形で積み立てていけば大丈夫です。そうすると、今されている毎月の貯蓄のうちの一部を少しずつ投資にまわすことができますね。

投資のリスクを小さくする「2つのコツ」

投資をする場合、やはり心配なのはお金が減ってしまうリスクです。50万円などの大きな金額を投資した直後に半額まで価格が下がることもあり得ると聞くと、始めるのに勇気がいるでしょう。そこで、財形をコツコツ続けてこられているご相談者様には、少額をコツコツ積み立てる方法で始めることをおすすめします。

それでは、まず投資のリスクを小さくする2つのコツをお伝えしましょう。

1.分散投資

1つの金融商品に大きな資産を投じた場合、その商品が値を下げるとその影響をすべて受けることになります。一方、複数の投資先に資金を分ければ、受ける影響は緩和しますね。この方法を「分散投資」と言います。

分散投資には3つの種類があります。1つは「資産の分散」。ちがう値動きをする株式と債券を組み合わせることによって、全体での資産減少リスクを小さくできます。2つ目は「地域の分散」。日本だけでなく、アメリカやヨーロッパなどさまざまな地域に資産を分散することで、その国の通貨や情勢などによる影響をならすことができます。3つ目は「時間の分散」。一度に投資するのではなく、毎月や毎週など時間を分けて投資することで、投資先の価格の増減の影響を和らげることができるのです。

図1

<金融庁ホームページより引用>

2.長期投資

株式や債券などの価格が変動する商品は、短期間で見たときに大きく上がり下がりしていたとしても、長期間で見ると緩やかに上昇または減少するなど、そのブレ幅は小さくなり安定していきます。特に定期的に同じ金額を積み立てて時間分散しながら投資する場合、投資期間が長くなればなるほど元本割れする可能性が低くなる傾向にあります。

次のグラフは、3つの分散投資(資産分散・地域分散・時間分散)をして、5年間積み立てした場合と20年間積み立てした場合の実績です。保有期間5年間では元本割れしているケースが生じている一方、20年間では元本割れのケースがないことがわかります。

図2

<金融庁ホームページより引用>

始めるなら、まずは非課税投資制度から

初めての人でも簡単にできる分散投資があります。それが「投資信託」の積み立てです。銀行や証券会社の一般口座で購入することもできますが、普通に投資信託を始めるのではなく、今なら運用益にかかる税金がゼロになる制度を活用すべき! 投資信託を非課税で始められる2つの制度を紹介します。目的に応じて選ぶ、または組み合わせると良いでしょう。 

1.60歳まで引き出せないけれど節税効果の高い「iDeCo」

働いていて所得税や住民税を払っている人が老後資金を作りたいなら、iDeCoを活用するのがおすすめ。なぜなら毎月の掛金が全額所得控除でき、毎年大きく節税できるからです。60歳まで掛金を拠出でき、その後一時金や年金として受け取ります。70歳までは非課税で運用できます。デメリットは一回始めるとやめられず(掛金をゼロにするのは可能)、毎月手数料がかかること。また掛けた金額は60歳になるまで引き出せません。しかし、言い換えれば、着実に老後資金が作れるとも言え、将来への不安は軽減するでしょう。

iDeCoでは、投資信託だけでなく定期預金でも運用できますが、金利が良い財形貯蓄を活用できるご相談者様の場合は、定期預金で運用する必要はなく、投資信託での積み立てが良いですね。公務員の場合は、月額5000円から1万2000円まで掛けることができますよ。金融機関によって手数料などが異なりますので、できるだけ手数料が低い金融機関を選びましょう。

2.いつでも引き出せる「つみたてNISA」

つみたてNISAも、非課税で積立投資できる国の制度です(所得控除は受けられません)。いつでも引き出せるのが、iDeCoと一番異なるところ。非課税で積み立てできる期間は20年間ですので、ご相談者様の場合は、今始めれば48歳までできますね。“つみたて”という名前の通り、毎月、毎週など定期的に同じ金額で、指定した銘柄を積立購入していきます。運用できる商品は、手数料が低く長期で積み立てしやすいという条件をクリアした投資信託とETFのみですので、初めての人にも優しい制度です。

年額40万円まで非課税投資できるため、月額に直すと約3.3万円。ご相談者様は現在毎月4万円貯蓄されていますので、たとえばそのうち1.8万円を財形貯蓄、1.2万円をiDeCo、1万円をつみたてNISAなど組み合わせるのも良いですね。ちなみに、つみたてNISAは金融機関にもよりますが、毎月100円など少額から始めることも可能です。


貯蓄力のあるご相談者様ですので、これからもしっかり貯めていけそうですね。貯めたお金はどんなことに使おうかな? と将来をイメージしながら続けていくと、よりモチベーションもアップし楽しく積み立てられますよ。まずは少額から積立投資にチャレンジしてみてくださいね!!

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(鈴木さや子)

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