子供を授かったら10年は専業主婦、今すべきお金の準備は?

MONEYPLUS / 2019年6月16日 18時30分

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子供を授かったら10年は専業主婦、今すべきお金の準備は?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、30代の共働き夫婦。この先、子供を授かったら、妻は10年間専業主婦になる予定です。それを前提とした場合、将来を考えたときにいくら貯金があれば安心できるのでしょうか。FPの飯田道子氏がお答えします。

現在は自分の収入から月6万円、妻の収入から月12万円ほど貯金しています。しかし、今後子供を授かった場合、妻は10年間ほど仕事をしない予定です。そうなると、月々の支出はどれくらいが適切なのか、また今後の教育費や老後に向けてどれくらいお金を貯めていけばいいのかわからず不安です。アドバイスよろしくお願いいたします。


〈相談者プロフィール〉
・男性、32歳、既婚(妻:30歳、派遣社員)、子供なし
・職業:会社員
・居住形態:持ち家(戸建て)
・毎月の世帯の手取り金額:53万円
(夫:37万円、妻:16万円)
・年間の世帯の手取りボーナス額:なし
・毎月の世帯の支出目安:35万円


【支出の内訳】
・住居費:9万円
・食費:5万円
・水道光熱費:2.5万円
・教育費:なし
・保険料:2万円
・通信費:2万円
・車両費:1.5万円
・お小遣い:6万円
・その他:7万円


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:18万円
・現在の貯蓄総額:700万円
・現在の投資総額:なし
・現在の負債総額:3250万円(住宅ローン)


飯田: お子様を授かったのを機に、奥様は仕事を離れることを計画されている相談者様。子育てが落ち着いた10年後に奥様は復帰を予定しているものの、お子様の教育費や将来に備えてどれくらい貯めていくべきか、不安を抱えているようです。

このような悩みは相談者様に限らず、多くの人たちが抱えている悩みのひとつ。いったいどのように準備していくべきなのでしょうか。

子供にかかるお金を知る

まず大切なことは、子育てにはどれくらいのお金が必要になるのか、ということです。

生命保険文化センターによると、公立の幼稚園では年間約23万円、3年間で69万円。私立の幼稚園の場合には年間約48万円、3年間で144万円かかるとされています。

文部科学省が調査した「子供の学習費調査」では、公立の小学校に通う小学生1人あたりにかかる教育費は年間で約32万円、6年間で192万円。公立の中学校に通う中学生1人あたりにかかる教育費は年間約48万円、3年間で144万円。公立の高校に通う高校生1人あたりにかかる教育費は年間約45万円、3年間で135万円。国立大学に通う大学生1人あたりにかかる教育費は、自宅から4年間通学した場合には524万円かかるとされています。

図1

幼稚園から大学まで、すべて国公立に通った場合には1人あたり約1064万円必要になる計算です。

とはいえ、この金額はあくまでも平均値に過ぎません。お稽古事の種類や部活動、進学する学部や学科によっては、受験準備にも高額な費用を要することがあります。子供が2人以上であれば、人数分の教育費が必要になります。あらかじめ教育費を予算立てしておくことは必須と言えるでしょう。

どのような教育を受けさせたいのかをイメージする

進学先によって、子供にかかる費用は変わってきます。だからこそ、できるだけ早く、どのような教育を受けさせたいのかをイメージして、いくらかかるのかを明確に捉えておくことが大切です。

子供が小さいうちは親の意見で進んでいくと思いますが、子供が小学校高学年くらいになると、自分の進路について目標が生じてきます。ある程度の年齢になったら、どのような進学先を望んでいるのか? どのような勉強をしていきたいのか? 親子で話し合っていくことが大切です。

出産後を想定し、夫の収入だけで生活をしてみる

支出の割合を見ていくと収入の約22%を貯蓄に回せていますので、これは立派です。お小遣いは6万円。夫婦2人分ですので納得はいくのですが、若干多めですね。まずはお小遣い額を夫婦で1万円減らし、貯蓄にまわすようにしましょう。

現在は夫婦2人の生活ですが、今から子供が誕生したことを想定し、夫の収入だけで生活をしてみてください。あらかじめ体験していくことで、何が無駄なのか、何が節約できるのかが自ずと明らかになっていきますよ。

子供は2人目以降にこそ手厚い保障を

また、お子さんを授かったタイミングで、ぜひ行っていただきたいのが保険の見直しです。夫婦それぞれの保障に過不足はないのかを見極め、新たに学資保険の加入を検討することをおすすめします。

貯蓄があれば保険は要らないという人もいますが、学資保険の返戻率は、預貯金に比べて現在もなお高い利回りを維持しています。他の貯蓄と別建てで管理できるので学費を確保しやすくなりますし、うっかり使ってしまったということも防げます。

一般的に子供が2人以上いる場合、第一子に比べて第二子以降の学資保険金額が低くなる傾向にあります。第一子の教育費の不足分は貯蓄でカバーすることができますが、第二子以降は貯蓄が底をついてしまう可能性も否定できません。学資保険に加入する場合には、後から生まれた子にこそ手厚い保障をつけておくと、万一のときにも慌てずにすみます。

教育費がかからないうちが“貯めどき”

現在の貯蓄額は700万円ですので、子供の教育費だけを考えると、国公立に進学する場合には300万円強を貯めれば良い計算です。

とはいえ、実生活はそんなに簡単ではありません。

子供が小さいときこそ“貯めどき”と言われています。教育費がかからないうちに、できるだけ多くのお金を貯める必要があります。可能であれば700万円、もしくは500万円程度は将来に備えて切り崩さずに維持できるよう、生活そのものを見直すことも必要です。

子供にかかるお金は年々上昇傾向にあります。奥様は10年後に復帰を想定とのことですが、働き方にもよるものの10年のブランクは、スムーズな復帰を妨げることも考えられます。年々上昇する教育費に備えるためにも、ある程度子育てが落ち着いたタイミングで、本格復帰の前に週末だけでもアルバイト等で働いて、収入を得ながら社会生活に慣れていくことをおすすめします。

働き方に合わせて、マネープランも定期的に見直しを

金融商品は数多くありますが、教育費が必要になるタイミングは決まっています。元本保証もしくは元本保証に近い金融商品をメインにして運用。奥様が本格復帰するまでは、子供の教育費を集中的に貯蓄し、本格復帰した後には教育費とともに将来に備えての貯蓄をスタートする必要があります。余裕があれば適宜住宅ローンの繰り上げ返済をし、返済総額を減らす工夫も行うとさらに良いですね。

社会保障制度や各人の働き方等も日々変化しています。定期的にライフプランの見直しをし、その時々にあった貯蓄方法、運用方法を見極めていくことが大切です。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(飯田道子)

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