もう腐らせない!プロが教える梅雨時作り置きの秘訣

MONEYPLUS / 2019年6月22日 11時30分

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もう腐らせない!プロが教える梅雨時作り置きの秘訣

多くの地域が梅雨入りし、しばらくはジメジメとした鬱陶しい天気が続きそうです。この時期は、作り置きの料理を腐らしてしまったり、食中毒を発生させてしまったりすることが多い季節です。

東京栄養食糧専門学校講師で出張料理家でもある沢辺利男さんに、作り置きのコツを聞きました。


作り置き料理の3原則

暑い夏は誰でも食中毒に気をつけます。冬場は室温が低いために、料理はなかなか腐りません。一番危険なのが、気温と湿気が上がり、菌が繁殖しやすくなる梅雨時期です。

暑い季節の感覚を忘れ、「これくらい平気」という気の緩みが食中毒を起こしやすくする、と沢辺さん。一般家庭を訪れ、作り置き料理を作る出張調理でもある沢辺さんは、「家庭でも、つけない、増やさない、殺す、という3つの対策を徹底してください」と話します。


出張作り置きサービス「シェアダイン」の料理人も務める沢辺さん

「つけない」とは、食品に有害物質をつけないこと。肉や魚をスーパーで買ったパックのまま数日間保存すると、赤いドリップが溜まります。これが食品を腐らせる原因になります。

沢辺さんは「パックから出してキッチンペーパーで拭いて、保存してください。塩をすると、なお良い。味付けにもなるし、防腐効果があります」と話します。

魚で注意したいヒスタミン中毒

「増やさない」は、菌を増やさないこと。まずは、気温の高い日はあちこち寄らず、買い物をしたら早めに帰宅すること。さらに、食材は台所に放置せず、すぐに冷蔵庫に入れることが大切です。

沢辺さんによると、食品の適切な保存期間は、肉で約2日間、魚は翌日まで。肉は塊肉のほうが腐りにくく、ひき肉やスライス肉は器具や空気に接触する面積が多いために汚染されやすく、できれば1日で食べてもらいたいと言います。

魚の場合、内蔵が入っていると傷みが早まるので、注意が必要です。プロの料理人は魚を保存する時に、内蔵とエラを取って頭は落とさないそう。

魚で特に注意したいのが、ヒスタミン中毒。ヒスタミンはサバやカジキなど魚の内蔵やエラに入っており、温かいところに置いておくことで繁殖します。一度繁殖すると、熱を加えても死なず、激しい吐き気や下痢を起こします。

また、作り置き料理を冷蔵庫入れて食卓に出すということを繰り返すのも、良くありません。1回の時間は短くとも、菌の繁殖が積み重なることで、食中毒のリスクは高まるからです。料理は食べる分だけを皿に出し、食べきることが大切だそうです。

食品用のアルコール消毒はmust

「殺す」はアルコール消毒です。プロの料理人はよく使いますが、家庭ではあまり浸透していないように感じます。

沢辺さんは、台所にはキッチン用アルコールを常備し、手を洗った後は必ず消毒すべきと言います。アルコールは揮発性なので、そのまま食品に触っても問題ありません。

また、保存容器やスポンジ、洗剤入れなどもアルコール消毒し、道具も清潔に保つことが重要です。特に、タッパーのフタの溝や容器の傷などに汚れが溜まりやすいので、溝まできれいに洗い、消毒をしましょう。もちろん、シンクや三角コーナーを清潔に保つことも大切です。

保存容器はタッパー、ガラス、ホーローとさまざまありますが、沢辺さんは「ガラスやホーローは傷がつきにくいですが重いし、高価。安価なタッパーでも、傷が増えたら取り換えれば問題ありません」といいます。


保存容器はタッパーで十分という

お弁当の傷みが心配ならば、除菌シートを使いましょう。お弁当の上に乗せるだけで、菌の繁殖を抑えてくれます。100均ショップでも売っています。

料理の時の注意点は?

菌の種類によりますが、40~50度の温度帯で菌は繁殖しやすいとされます。料理が完成した後、この温度帯をなるべく早く通過させ、20度くらいで冷蔵庫に入れることが大切です。

20度は手で容器を触り、「しっかり熱が取れた」と感じる程度の温度。カレーやシチューなど、粘りがあって冷めにくいものは、鍋ごと水に漬けるなど、ひと手間かけましょう。「温かいまま冷蔵庫に入れるのは絶対にダメ。周りを温めて、庫内温度を上げ、他の食材もダメにしてしまいます」(沢辺さん)。


一般向けに開かれた作り置き料理のための教室「ミールプレップ・エキスパート養成講座」(https://sharedine.me/shokuiku-media/mealprep-expert/)

味付けは濃いめにするのが良いのかと思いきや、普段と一緒で良いそうです。「食中毒を考えれば濃いめが良いが、あとで味を足せるように薄味にすることが作り置きの基本です」。また、水分をしっかり飛ばすことも重要で、煮物、煮汁は少なめの仕上げるほうがいいそう。唐辛子など防腐効果があるものを入れるのも有効です。

注意深く作っても、梅雨時期の作り置きは3~4日が限界。日曜に作ったおかずは、遅くとも木曜までに食べ切りましょう。カレーなどの温め直しをする場合は、レンジではなく、鍋でしっかり中心まで温めるほうが安全です。

沢辺さんは「一言で言うなら、油断するなということです。家庭での食中毒は届け出義務がないので表に出ませんが、たくさん起きています。家族に安全なものを食べさせるためにも、この時期は特に注意深くなりましょう」と警鐘を鳴らします。

(澤本梓)

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