出産後も共働き前提、子ども何人までなら無理なく生活できる?

MONEYPLUS / 2019年8月8日 18時30分

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出産後も共働き前提、子ども何人までなら無理なく生活できる?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、結婚式・新婚旅行などの大型出費が落ち着いた共働きのアラサー夫婦。これからも共働きを続けることを前提に、今後「子ども何人まで」なら無理なく生活できるかを知りたいといいます。FPの氏家祥美氏がお答えします。

夫婦共働きで、お互いに正社員です。結婚式・新婚旅行などの大型出費が落ち着きましたので、今後の人生設計について考えていきたいと思っています。私たちの家計で、今後子どもを授かったとしたら何人までなら無理なく生活できるでしょうか。子どもができても今の職場で働き続けたいと思っています。


貯蓄は大型出費が続いて預貯金が少なくなったので、700万円貯まるまで続ける予定です。その後、結婚前に時々購入していた米国ETFや外貨建てMMFの購入を再開しようと思っています。投資信託は、長期積立投資でアクティブ・インデックスともに行っています。毎月9.2万円積み立てて、ボーナス月は増額し、年間120万円のNISAの枠を満額使用しています。妻のみ、給与天引きで確定拠出年金に月1.5万円拠出しています。


地方なので車が必須の生活です。夫が通勤するのに高速代がかかります。車2台分の任意保険は会社の団体扱いで15%安くなっています。維持費を考え、1台は軽自動車です。生命保険は、扶養となる者が今現在いない、医療保険は今のところ貯蓄で賄うことができると判断したため未加入です。今後扶養する者ができたら加入する予定です。


支出には気を使って生活しているつもりですが、自分たちでは気づきにくいところもあると思います。削減できそうなところなどもアドバイスいただけるとうれしいです。


<相談者プロフィール>
・女性、31歳、既婚(夫:28歳、自動車整備士)、子どもなし
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・毎月の世帯の手取り金額:53万円
(夫:20万円、妻:33万円)
・年間の手取りボーナス額:220万円
(夫:80万円、妻:140万円)
・毎月の世帯の支出目安:33~34万円


【支出の内訳】
・住居費:6.5万円
・食費:4.5万円
・日用品:2万円
・水道光熱費:2.5万円
・教育費:なし
・保険料:1.1万円
・通信費:0.4万円
(スマホ代はそれぞれのお小遣いから)
・車両費:6万円(2台分のガソリン3万円、駐車場0.4万円、高速代2.6万円)
・お小遣い:8万円(夫妻ともに4万円)
・その他:3.1万円


【資産状況】
・毎月の貯蓄額:19.2万円
(貯金10万円、投資信託9.2万円)
・現在の貯蓄総額:530万円
・現在の投資総額:577万円
(株式100万円、投資信託430万円、確定拠出年金47万円)
・現在の負債総額:230万円(夫:第2種奨学金)


氏家: 結婚式が終わったばかりでお金を使ってしまったということですが、30歳前後にしてそれでも1100万円超の金融資産残高をお持ちですよね。すでにしっかりとした貯蓄習慣ができているからでしょう。

ご相談者さんは、貯蓄と投資信託を合わせて毎月19.2万円を積立に回しています。これは、手取り月収の36%にあたり、これだけでも年間230万円が貯められます。さらに妻は給与天引きで確定拠出年金をしていますし、ボーナス時にも増額をしていますから、年間の貯蓄額は実はさらに上回ります。

理想の教育コースによって教育費に大差あり

今回のご相談の中心は、無理なく育てられる子どもの人数でしたね。日本では、子育てのなかで一番費用がかかるのが教育費ですが、小中学校は義務教育ですし、公立高校は国により授業料が無償化、私立高校も自治体によって授業料助成制度などがあるので、世帯年収がいくらだから子どもは何人までしか持てない、ということはありません。

とはいえ、ご相談者さんには理想とする教育のイメージがあると思います。大学には行かせたい、中学校から私立も考えている、理系に進んでほしい、本人が留学したいと言ったらかなえてあげたいといった、より具体的なイメージですね。

ここからは、教育費データを一緒に見ながら、教育費について考えていきましょう。

図1

私立にいつから通わせるかで大きく変わる教育費

文部科学省「子どもの学習費調査 平成28年度」より、1年あたりの教育費を見ていきましょう。この調査は、公立と私立それぞれに進学した場合の全国平均の1年当たりの教育費がわかります。

公立に進学した場合には、小学校から高校まで年間32万円~48万円ですので、月平均だと2.7万円~4万円程度になりますね。このなかには、学校の授業料や教材費、給食代などのほか、塾代や習い事代なども含まれています。

一方、私立に進学すると、1年当たりの教育費負担はずいぶんと大きくなります。かかる費用は小学校が一番高く150万円を超えて、ひと月あたり12.7万円、公立小学校の4.7倍にもなります。私立の場合は、中学、高校と子どもが大きくなるほど負担が軽くなり、高校では公立との差が2.3倍まで縮まります。

これまでたくさんの家計を見てきましたが、高校卒業までは、そのときどきの収入から目先の教育費をねん出している家庭がほとんどで、あらかじめ専用の貯蓄をしているのは大学や専門学校などにかかる教育費に限られます。

これは、私立に進学する場合も同様です。私立の場合、小中高でも相当な教育費がかかりますが、小学校から私立の場合はそこから大学を卒業するまでの16年間、中学校から私立の場合は10年間、高校から私立の場合は7年間、ずっと私立に通うと思われるため、その時々で家計から捻出できる金額でないと間に合わないからです。もちろん、大学だけ国公立ということもあり得ますが、マネープラン上は私立大学を想定しておいた方が安心です。

なお、小学校や私立中学の受験にあたっては、専門の受験塾へ通うのが一般的です。中学受験塾の場合、4~6年生の3年間で200万~250万円程度余計にかかりますので、合わせて想定しておきましょう。

文系の1.5倍~2倍かかる「理系の学費」

お子さんの大学進学資金は、お子さんが生まれたときから準備をはじめていきましょう。私立大学の入学金+4年間の学費の合計は、全国平均で約550万円。入学時に300万円の用意ができていれば、高校のときのように毎年63万円ずつ家計から捻出できれば、なんとか4年間の学費を用意してあげられる計算になります。

ただし、平均はあくまでも平均にすぎません。国立大学の場合、理系でも文系でも授業料はほぼ同じですが、私立大学の場合、1年間の授業料は、理系の場合、文系の約1.5倍かかります。さらに、理系の子は文系の子よりもより高い確率で大学院まで進学します。ですから、子どもが理系に進学する可能性が高い場合は、文系の子の1.5倍から2倍の学費を想定しておく必要があります。

一方で、文系の場合、近頃流行りのグローバル系の学部では、海外留学が卒業要件に入っていることがあります。「国際的な子どもに育てたい」という想いが強い家庭では、留学費用も想定しておいた方がいいでしょう。

妊娠前に医療保険への加入を

ここまで、理想とする教育によって教育費が大きく異なることをお話ししてきました。どんな子育てをしたいか、ご夫婦で話しあってくださいね。ただし、同じ親から生まれて同じ環境で育てても、子どもの興味や性格は一人ひとり異なります。ですから、子どもが親の理想通りに育つとは限りません。想像通りにはいかないから、子育ては面白いのですけれどね。

また、たとえ一人当たりにかけられるお金が少なくても、兄弟姉妹がいるから学べること、分かち合えることもあります。また、同じ収入があり、子どもの人数が同じでも、住まい選びや車の有無、レジャー費のかけ方によっても教育にあてられる費用は異なります。

第一子を授かったのち、そのあたりを総合的に考えながら、お子さんの人数を決めていけばいいのではないでしょうか。

なお、現在、医療保険に未加入ですが、将来的に妊娠出産を希望しているのであれば、早めの加入をお勧めします。妊娠中はリスクが高まるため、保険加入を断られることが多く、加入できる保険でも、その妊娠に関する治療や入院が保障の対象外となることもあるためです。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

(氏家祥美)

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