実際のコスパは?「料理作り置きサービス」のおトク度を検証

MONEYPLUS / 2019年8月25日 7時30分

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実際のコスパは?「料理作り置きサービス」のおトク度を検証

「時短料理」が浸透し、スーパーの総菜やミールキットの利用は広がりをみせています。これらに続き、働くママから注目を集めるのが、料理作り置きサービス。「CaSy」「タスカジ」など、さまざまなサービスが展開されています。

単に自宅で料理をしてくれるだけでなく、ダイエットや妊活など悩みに応じたメニューを提案してくれるものも出てきています。


約200人のシェフから選択可能

「自分でダイエット食作りに挑戦したこともありますが、鶏のササミばかりですぐに飽きました。食事からおいしくダイエットしたくて……」。東京都港区に住む自営業の40歳の男性は数ヵ月前から月1、2回、出張料理サービス「シェアダイン」の作り置きを利用しています。

自営業という職業柄、以前は毎日のように会食が続き、体重は4~5キログラム増加。お腹も目立つようになり、ジム通いと食事制限を始めましたが、長くは続かなかったそうです。

夫婦2人暮らしで、自分たちで作る料理は野菜炒めやサラダなど簡単なものばかり。自分では作れない料理を食べてみたいと、友人に聞いた作り置きサービスを試してみたそうです。

同社のサービスは、調理師や管理栄養士など、約200人のシェフから依頼したい人やメニューを選べます。今回は、管理栄養士の資格を持つシェフ「およねさん」に依頼。炭水化物抜きで、夕食用に1食当たり700~800キロカロリーを抑えた作り置き料理を希望しました。

実際に頼んでみると…

サービスは基本3時間。食材は自分で用意するか、時間内でシェフに買い物をお願いします。この日は買い物も依頼し、午後7時半ごろにシェフが自宅に到着。帽子にエプロン、マスクという姿で調理を開始しました。

シェフが提案したメニューは、「牛肉とインゲンのトマト煮」「鮭の南蛮漬け」「キノコと切り昆布の煮物」「パプリカのマリネ」など、主菜4品、副菜4品の計8品。自宅にある調理器具や調味料を使い、手早く料理を作っていきます。

「昆布の煮物に水煮のツナを入れたり、五目豆にミンチを入れたりと、ダイエット食なのでたんぱく質を多くとれるメニューにしました。野菜も、アスパラやブロッコリー、インゲンなど糖質の少ないものを中心にしています」とおよねさん。

以前はIT企業で社員の栄養指導などを行っていたそうですが、仕事が忙しく、食事に気を配る余裕がない人が多いことが心配でした。「管理栄養士ですが、調理をすることが大好きなので、シェフに登録しました。おいしかったという声をダイレクトにいただけるのが、やりがいです」と話します。

料理はタッパーに詰めて完成。シェフはキッチンを掃除した後、「キノコは腸環境を良くします」「加熱したトマトはオリーブオイルと合わせると、リコピンの吸収が良くなりますよ」などと、この日の食材や栄養素、保存方法について説明しました。

男性は「この鶏むね肉とズッキーニの梅味噌和えがすごくいい味付け。自分では作れない、使わない食材の料理ばかりで、飽きずに食べられそう」と、早速味見をしていました。

広がる作り置きのレパートリー

経済産業省が2018年に発表した家事支援サービスについての調査によると、2017年時点での市場規模は推計で約698億円。今後、高齢化や共働き世帯の増加により、2025年時点で市場規模は少なくとも2,000億円程度、最大で8,000億円程度にまで拡大する可能性があるとしています。このように市場全体が拡大する中で、各社は独自色の打ち出しを強めています。

シェアダインでは、妊娠しやすい体を作るとされる栄養素を盛り込んだ“妊活食”も人気だそうです。たとえば、身体を温めるとされる食材や、妊娠前後で摂取が推奨される葉酸などビタミンB群が含まれるメニューを提案したりします。

男性には、老化を防ぐとされるかぼちゃ、アーモンド、アボカド、うなぎなどを使ったメニューや、男性ホルモンの生成に必要な牡蠣、シジミ、レバー、卵黄など亜鉛を含むメニューを提案するそうです。


この日シェフが作った8品。タッパーは自宅にあるものを使う

また、生活習慣病に対応した料理もニーズがあります。たとえば、高血圧の人がいる家庭では、ダシを効かせたり、スパイスを活用したりすることで、塩分が少なくてもおいしく食べられるメニューが喜ばれるそうです。

ほかに、作るのに時間がかかる離乳食や、好き嫌いの多い幼児でも食べられるよう工夫した“食育食”などを得意とするシェフにも依頼が多いそうです。

コスパはどうか

この日のサービス料は、交通費込みで9,800円。食材は近くの高級スーパーでそろえたために4,000~5,000円かかりました。約1万4,000円で夫婦2人の1週間分の料理ができた計算で、1食当たりのコスパは約1,000円でした。

同社によると、シェフのサービス料は3時間7,000円から。約3,000円の食材で4人家族の4日分の食事を作ることが基本で、1食あたり650円程度と市販のお弁当やミールキットと変わらない価格になるそうです。

これまでは共働きの子育て世帯がユーザーの中心でしたが、新たにサブスクリプション(月額制)のサービスを始めたところ、シングル男性などの利用も増え、ユーザーは前月比50%増を続けています。来年以降、関西や中部の都市圏にもサービス拡大を検討するそうです。

同社のスタッフは「単なる料理代行ではなくて、個別の家庭のニーズやお悩みに応じてメニューの提案・調理を行うのが当社の特徴。気に入った料理のレシピを後日チャットでシェフに聞くことができたり、知らない料理や食材に出合えたりすることも魅力なのでは」と話します。

日々の仕事が忙しいと、夕食の献立を考えたり、料理をしたりすることが大きなストレスになるもの。とはいえ、外食やインスタント食品が続くと、家計や健康に良くありません。たまには思い切って外注し、ゆっくりとした夕食の時間を過ごしつつ、自分の料理レパートリーを増やすのもアリかもしれません。

(澤本梓)

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