日本企業の決算発表を踏まえ、今後取るべき投資戦略は?

MONEYPLUS / 2019年8月29日 6時0分

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日本企業の決算発表を踏まえ、今後取るべき投資戦略は?

3月決算の上場企業の第1四半期の決算発表が出揃いました。米中貿易戦争による両国経済や世界経済の失速、また円高進行などから厳しい内容になると見込まれていましたが、やはり苦しい決算となりました。

今回は第1四半期の決算発表の概要をお伝えするとともに、そこから見えてくる今後の投資戦略のヒントを探りたいと思います。


米中貿易摩擦の影響を受けた業種は

まずは第1四半期の決算の全体感からお伝えしましょう。3月決算を採用し、第1四半期の決算発表を既に行った企業のうち、前年同期と比較可能な2,363社について業種別に集計を行いました。全体では1.1%の増収、4.5%の経常減益となりました。


上場企業の第1四半期決算集計

業種別に業績をチェックすると、米中貿易戦争による世界的な景気低迷の影響が大きく影響していることがわかります。大幅な減益になっている業種を見ると「石油・石炭製品」「鉄鋼」「非鉄金属」「電気機器」「ゴム製品」「機械」など、景気の影響を受けやすい景気敏感業種が並んでいます。

一方で「電気・ガス業」「情報・通信業」の2業種は増収増益を達成しています。両業種とも内需関連の代表的なディフェンシブセクターとして知られています。その他にも「建設業」や「陸運業」といった内需業種も増収増益となっており、「小売業」や「食料品」はわずかに減益となってしまったものの、増収を確保しています。

押し目買いのチャンス?

このように第1四半期の上場企業の決算は、概していうと景気の影響を受けやすい外需業種の決算は低調、景気の影響を受けにくい内需業種の決算は堅調と、言わば「外低内高」でした。こうした状況を踏まえてどのようなスタンスで日本株投資に望むべきなのでしょうか?

今後景気回復が想定できる状況にあるならば、決算が冴えずに株価が下げている銘柄の反発を狙う戦略も当然選択肢の1つとなります。ですが、足元の状況を踏まえると楽観的な想定をすることはかなりリスクが高いように筆者には思えます。

ドナルド・トランプ米大統領は8月1日、中国からの輸入品に対して9月から10%の追加関税をかけることを発表しました。中国は猛反発し、750億ドル相当の米国からの輸入品に対し同じく9月から最大10%の追加関税を課すと発表しました。中国の報復措置を受けトランプ大統領は同日に追加関税率のさらなる引き上げを発表しました。

このように、米中貿易戦争は全く決着の見通しが立っていません。そもそも筆者は両国の対立は「貿易戦争」の形をとってはいますが、貿易分野にとどまるものではなく、今後の世界の経済的・軍事的な覇権を争う深刻な対立であると考えています。

今後取るべき投資戦略は

そこにトランプ大統領の次期大統領選をにらんだ支持率上昇への思惑も絡み、事態は複雑さを増しています。さらに日本は10月に消費税増税を控えています。一段の景気悪化にも備えておくべき局面だと考えておいた方が良さそうです。

こうした状況下では、ディフェンシブなポートフォリオを形成するのが望ましいのではないでしょうか。ディフェンシブなポートフォリオとは

1、現金比率を高める
2、業績の安定度が高い内需銘柄のウェイトを高める
3、配当利回りが高く配当の支払い余力も高い銘柄を保有する

といったことが考えられます。

今は「資産を増やす」よりも「減らさない」ことを主眼に、資産形成に向き合うことを意識しておくのが望ましいと考えています。

<文:マーケット・アナリスト 益嶋裕>

(マネックス証券 執筆班)

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