ジェネリック家電の次に来る、次世代ベンチャー家電とは

MONEYPLUS / 2017年9月14日 8時30分

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ジェネリック家電の次に来る、次世代ベンチャー家電とは

ドン・キホーテや量販店で販売されている「聞いたこともないメーカー」のトースターや電子レンジ、冷蔵庫などを見たことはありませんか? このような家電は「ジェネリック家電」と呼ばれています。

このジェネリック家電、意外と品質が良くて価格が安いため、大手メーカーの家電製品を抑えどんどん市場に増加し始めています。さらに、ジェネリック家電の先を行く、新しい動きが始まっているようなのですが……。その動きとは一体何なのか? 解説してみましょう。

ジェネリック家電が登場した背景

昭和の時代には無名メーカーが販売する価格の安い家電は文字通り「安かろう悪かろう」で、すぐに壊れたり、冷蔵庫だったらいまひとつ冷えなかったりと、安い家電は不人気でした。

ところが、最近のベンチャー家電メーカーの商品は、低価格にもかかわらず大手メーカーと同等の性能を備えているものが多いです。医薬品の世界では「ジェネリック薬品」と呼ばれる商品がありますが、それと似ているということから、このような家電は「ジェネリック家電」と呼ばれるようになりました。

なぜ、ジェネリック家電は安くて性能がいいのでしょうか? 理由は3つあります。

1つ目は、冷蔵庫や電子レンジなどの定番商品は、大手メーカーが先に開発した技術や部品が存在しており、それらを、特許を侵害しない形で利用して製造できること。

2つ目は、ベンチャーでも設計だけできれば、あとは生産を委託できるEMSを利用できるようになったこと。EMSとは、台湾や中国に多い、製品の生産だけに特化した受託製造の会社のことです。

そして3つ目は、大手メーカーの価格が、間接コストの上乗せによってそもそも高いこと。つまり、ジェネリック家電は相対的に「安く見える」ということです。

その結果、大手メーカーの家電よりもジェネリック家電の方が「お得だ!」という状況が起きているわけです。

注目される斬新なベンチャー家電

さて、この状況で終わらないところが昨今の家電市場の面白いところです。

高年齢の従業員を抱えた工場や本社を維持しなければならない大手メーカーより、ベンチャーの家電メーカーはコスト的に優位であるといえます。

だとすれば、大手メーカーで家電ビジネスを理解したビジネスパーソンが集まって新会社を作れば、大手とは違ったルールで家電市場を戦うことができるはずです。大手より高付加価値の製品でも、消費者に支持される価格帯で商品を発売することができるのです。

この発想で、近年ジェネリック家電業界から抜け出す形で新しい展開を見せている家電ベンチャーにバルミューダがあります。

私が最初にバルミューダの製品に気づいたのは今から一年ほど前。ビックカメラで新しいトースターを購入しようとしていたときのことでした。トースターはジェネリックで十分だと思い最初は安い商品を探していたのですが、ちょっと気になる製品が目につきました。

バルミューダのトースターはどこが違う?

ちょっと気になる製品、それがバルミューダの「ザ・トースター」という製品でした。他と違う圧倒的におしゃれなデザインですが、価格は約25,000円とトースターにしてはやや割高。その理由を店員さんによくよく聞いてみると、実はただのトースターではなく高付加価値のトースターだったのです。

ザ・トースターの上部には小さなくぼみがあり、温める前に水を注ぎます。すると、そこから蒸気が発生し、温める食品をより一層おいしく仕上げるという仕組みになっています。

普通のトースターでクロワッサンなどを上手に温めることは難しいですが、このトースターなら、クロワッサンやバゲットを蒸気によって焦がさず中までアツアツに温めることができます。肝心の食パンも、中はしっとり、表面はカリカリに香ばしく焼くことができ、“最高のトースト”を味わうことができるのです。

つまりこの製品は、デザインがおしゃれなだけではなく、パンに特化して特別な調理ができる高付加価値製品といえます。

バルミューダの戦略は、デザインを追及しインテリアのような製品を提供すること、そして、基本機能は絞る一方で圧倒的な付加価値を加えること、なのではないでしょうか。

大手メーカーを超えた製品が続々登場

新しいベンチャー家電メーカーの有利なところは、このようにデザインや設計で強みを発揮しつつ、低コストでEMSに製造を委託できることです。

これはiPhoneやダイソンが取っているのと同じ戦略で、過剰な生産拠点を抱えた日本の伝統的な家電メーカーにはマネのできない攻め方です。

ベンチャー家電メーカーが提供している、自動点灯のLED電球をご存知でしょうか? 私も自宅の玄関用に使っていますが、帰宅してドアを開けるとパッと電気がつく便利なものです。

以前でしたら、大手メーカーに依頼し、数万円かけてスイッチの部分を自動点灯専用のものに取り替えてもらわなければなりませんでした。今ではそのLED電球を利用すれば2,000円で玄関が自動点灯になります。

それ以外にも、さらなる高付加価値のベンチャー家電が近年多く発表されています。このような動きをみると、どうやら日本の大手家電メーカーは世界のトレンドからは大きく遅れてしまった様子です。

構造的にコスト高な従業員を抱えていては、新しい家電は作れない。そして、新しい家電は、むしろベンチャー家電メーカーから生まれてくる。そんなトレンドがジェネリック家電ブームを越えて始まっているのです。

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