気になる老後資産、“現金神話”頼りで本当に大丈夫?

MONEYPLUS / 2017年11月24日 18時0分

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気になる老後資産、“現金神話”頼りで本当に大丈夫?

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。

現在59歳ですが、65歳からの年金額では充分ではないため、65歳以降に支給される安定的な収入源を、いまから準備しておきたいと思っています。現在、株式と投資信託を少し持っていますが、これらをいくつか売却し、老後準備を進めるためには、どのような投資や運用法がよいのかをご教示ください。株や投資信託で失敗した経験もあり、65歳以降のことを考えると「現金が安全かな」とも考えています。
(50代後半 男性)

内藤:ご質問ありがとうございます。

シニアの資産運用は、30代40代の資産形成期とは異なります。そのポイントは2つ。

1つはリスクを取り過ぎないこと。そしてもう1つは、値上がり益よりも金利や家賃収入のようなインカム収入に軸足を移していくことです。

リスクコントロールの観点からは、株式や株式を組み入れた投資信託の比率を落とし、債券や債券ファンドなどの比率を高めるようにします。これによって株価の変動による資産の浮き沈みを抑えることができます。

変動リスクを抑えた投資へ

株式や株式を組み入れた投資信託は主にキャピタルゲイン(値上がり益)を目指す投資です。資産形成期であればキャピタルゲインを狙う投資を中心にすべきですが、シニアになればインカムゲインにシフトさせていくべきです。

また、外貨資産の組み入れ比率も20~30%程度に抑え、為替変動による差損リスクを抑えるようにします。

株式型資産と外貨資産の比率を下げた結果、円の債券型資産の比率が高くなります。

個人向け国債の10年・変動金利型のような金利変動によって価格が変化しない信用度の高い債券を組み入れ、守りの運用をしていくようにしましょう。

日本に限らず先進国の債券金利は金融緩和によって低下しており、金利から得られるインカムゲインは減少しています。

また、今後金利が上昇することになれば、長期債を保有している投資家は価格下落リスクにさらされることになります。

海外不動産投資の注意点

債券の金利低下による魅力減少を補う投資対象として私が注目しているのが、不動産投資です。

加えて、人口減少によって賃貸需要の減少が予想される日本国内ではなく、対象は人口が引き続き上昇を続け旺盛な賃貸需要が続くアメリカやアジアの新興国です。

私自身、国内不動産は保有していませんが、アメリカ、マレーシア、カンボジアなどへのコンドミニアム投資を行っています。

ただし、海外不動産投資は誰でも簡単にできるものではなく、丹念な分析が必要な投資になりますので、それぞれの投資国について詳しい知識と専門的なノウハウを持つ専門家に相談した上で、充分に準備をして始めてください。

シニアの資産運用ではリスクコントロールが重要ですが、まったくリスクを取らなければリターンも限られたものになります。

円の現金や定期預金に資産を集中させ過ぎることによって、“リスクを取らないリスク”には陥らないように注意しましょう。

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