相続した親の遺産、できるだけ低リスクで安定運用するには

MONEYPLUS / 2018年2月14日 20時0分

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相続した親の遺産、できるだけ低リスクで安定運用するには

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は伊藤英佑氏がお答えします。

親が亡くなって、遺産を相続しました。どのような投資が望ましいかアドバイスを頂ければ幸いです。
相続は普通預金3000万円、海外投信2500万円ほどです。海外投信がアメリカのリートで、今年に入ってから下がってきました。もう一つはアジアオセアニア地域の国外投信でいずれも基準価額が高配当のため購入時より下がっています。こちらを売るタイミングを見て、よりリスクの少ない安定したものに変えたいと考えています。
あまり投資の知識がないので、アドバイスよろしくお願いいたします。
(51歳 未婚 女性/自営業 一人暮らし )

伊藤:ご質問ありがとうございます。

より幅広い分散投資でリスク軽減を

相続でまとまった資金を手にされて、相続財産の運用について考えておられるようですね。国外投信2500万円ほどの米国REITとアジアオセアニア株式投信について、売るタイミングをみて、よりリスクの少ない安定したものに変えたいとのこと。

現在よりもリスクを少なく安定したものにされたいようであれば、投資商品・投資先の地域をより幅広く分散されることを考えてみてはいかがでしょうか。

ポートフォリオの価格変動リスクを減らすには投資先の分散が基本になります。米国REITとアジアオセアニア株式投信に資金を集中されているのは、どのような投資目的や投資成果の想定を持たれているのかが分かりかねますが、資産配分に偏りがあるように見えます。

ご相談者は投資に不慣れでリスクの少ない安定したものをご希望ですから、個別株等への投資よりは投資信託などを考えればよいかと思いますが、投資信託等の金融商品への投資では、一般的には、リスク・リターンが高い順に株式>不動産(REIT)>債券になります。リスク・リターンの高低の他に、株式・不動産(REIT)・債券ではリスクの内容が異なりますし、投資目的が値上がりのキャピタルゲイン狙いか、利息や配当を狙うインカムゲイン狙いかなどでも判断は変わります。

投資先地域では、先進国よりも新興国の方がリスクは大きくなります。運用先の対象地域が日本か海外かで為替リスクの有無が異なります。

「リスクの少ない安定したもの」というだけでは、具体的なリスクの度合いや長期目線でのライフスタイルプランなど、ご希望に沿った本当のニーズが十分には分かりませんので一概には言えませんが、比較的リスクの低い投資商品を簡単におさらいしておきましょう。

円建てで元本保証の投資商品は個人向け国債しかありませんが、金利は0.05%になります。通常の債券は金利の上昇下落により債券価格が上下しますが、個人向け国債は価格変動リスクがない特別な商品設計がされています。

円建ての国内債券は利回りが非常に低く、マイナス金利政策下の現状では、国内債券投信は現在の環境下ではあまりリターンが望めるとは思えないです。

世界的に低金利の現在は安定して利息の利回りを確保するのが難しい時期ですが、次が、外国債券・為替ヘッジ付がリスクが抑えられた投資先といえるでしょう。世界的にも利回りが低いため、運用コスト(信託報酬)は負担が大きくなってしまいなるべく下げた方が有利ですから、インデックス運用型の投資信託等がいいでしょう。

投資先の価値が向上していく限り、短期での価格変動はありますが、長期で投資を続けていくほど投資はリターンが期待できます。

10年・20年という長期運用可能でしたら、国内外の株式を含めて投資先を決める方が、長期的にはよりよいリターンが望めるかもしれません。不動産(REIT)も継続的な賃料収入が裏付けにありますから、長い間持っていれば、多少REIT価格の値下がりがあったとしても、トータルでのリターンはプラスになる可能性は高いでしょう。

資産運用のための準備や心構え

資産運用を行う際には、どういった投資対象がより儲かりそうなのか、ということに関心がいきがちだと思います。

どのような時間軸で、どれくらいのリターンを目標に、どういうリスクを取っていきたいのか(どういうリスクをご自分は取れるか)、という点を考えてみることをおすすめします。

将来の生活スタイルや希望と合わせ、どれくらいお金があるといいか、一度、長い目でシミュレーションしてみたり考えたりするとよいと思います。

今まで資産運用の経験がある方と比べると、相続や退職金で手にしたことがないようなお金を一度に手にして、一気に大きな金額をリスク性資産に投じてしまうことがあります。

運が悪いと、その直後にマーケットが急落して混乱したり、塩漬けになったり、損失を被ったりしてしまうことがあります。資産運用は適切に行えば長い目では期待値が1を超え、リターンが得られる可能性が高いものですが、金融市場でいつ何が起こるかを想定することは非常に困難で「よいタイミング」というのはなかなか分かりませんから、投資先の組替も、一度にすべてを動かすのではなく、投資時期を分けて徐々にお金を動かしていくことがよいでしょう。

投資に慣れてくれば、マーケットの下げを待ったり、相場の低迷期に投資資金を投じることが長期的には利益を生みやすいですが、知識と経験がないとなかなか難しいかもしれません。

資産運用を自分で行うのが難しいと思ったら、プロに頼るといいでしょう。自分で勉強して自身で行うにしても誰かプロに頼るとしても、投資には必ずリスクが伴い、結果論を含めて自己責任になりますので、投資判断の良し悪しを判断するための最低限の知識は身に付けておく方が望ましいと思います。

損失の繰越控除を忘れずに

購入時より基準価格が下がった投資信託を売却し、売却損が出た場合、3年間の損失の繰越控除ができます。

売却損を出した年から向こう3年間に株式や投資信託で売却益があった場合に、繰越控除の売却損を売却益から差し引きすることができますから、将来の売却益に掛かる税金を減らせる可能性があります。

損失の繰越控除を行うためには売却益がなくても確定申告をしておく必要がありますから、売却した翌年の3月15日に確定申告を忘れずにしておきましょう。

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