47歳でセミリタイア、フリーランスで働いてわかった「東京の恩恵」

MONEYPLUS / 2020年10月30日 18時40分

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47歳でセミリタイア、フリーランスで働いてわかった「東京の恩恵」

働き始めてから23年7ヶ月過ごした東京を11月1日に離れ、佐賀県唐津市に引っ越します。いわば「セミリタイア」という状態ですが、47歳でこの状況になれた唯一無二の理由は「東京に住んでいた」からでしょう。東京を離れる前、最後の原稿になる今回は、東京の魅力について説明したいと思います。


都道府県による年収の差

2019年に厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」をもとに「年収ガイド」作成した都道府県の年収ランキングは以下の通りです。

1位:東京都 620万3700円
2位:神奈川県 560万2200円
3位:愛知県 544万8000円
4位:大阪府 541万4400円
5位:滋賀県 504万500円
6位:兵庫県 501万800円
7位:三重県 498万1200円
8位:茨城県 494万2100円
9位:京都府 489万6900円
10位:広島県 486万9200円

43位:鳥取県 387万7000円
44位:秋田県 379万4800円
45位:宮崎県 379万1300円
46位:沖縄県 377万3800円
47位:青森県 371万700円

フリーランスの場合は

東京だけ図抜けていますが、私のようなフリーランスの場合だと1位と2位はもっと差がつくのではないでしょうか。それで、ランキングについてはこうなると思います。

1位:東京都
2位:神奈川県
3位:埼玉県
4位:千葉県
5位:大阪府

東京とその近隣県の年収が高く、大阪がそこに続くのでは。今回はフリーランスが実感する「東京に住むことの恩恵」について述べますが、会社員にとっても同じようなことは言えるでしょう。私が取引をしている会社はすべて、本社が東京の会社です。出版社やIT企業が多いので当然そうなるわけですが、何しろ仕事がうなるほど存在します。会社に入ってからの4年間は常に残業していましたし、フリーになってからの19年間も最初の数ヶ月を除き、仕事が途切れたことがない。いや、殺到したといっても過言ではありません。

私の周囲のフリーランスも概ねこんな感じです。誰もが「なんでこんなに仕事があるんだよ……」とぼやくばかりです。最初はありがたいと思っていた仕事が途中から条件を提示し、断ったりする人も多いです。彼らに言わせれば「取捨選択しなくちゃ回し切れない」そうです。私は貧乏性のため一切断らなかったらそこそこお金をもらえるようになり、47歳で一旦区切りをつけることができました。

あと、東京って野心をもって全国から人々がやってくるから、しゃべっていても、仕事を一緒にしても刺激を受けることが多い。フリーランスでも「○○さんが最近ブイブイいわせているらしい」といった情報がいちいち入ってくるため「よーし、オレも負けてられねぇぞ!」と発奮できます。

関西と東京の違い

この1年間、博報堂の業務委託で仕事をしていましたが、関西支社の経験者からは「東京の企画は動かす額が違う」と聞きました。当然そうなれば、商流の下流にいる私のような者でもそこそこの金額をもらうことができます。こうしたことの積み重ねが上記のランキングの結果に反映されるのでしょう。もしかしたら決して東京の人は優秀ではないのかもしれない。しかし東京では動くカネが多いから必然的にそうなってしまうのです。

そういう意味では「地の利」ってものは明らかにあるな、と感じることしきりです。私は特にキラリと光る才能があるわけではありません。あくまでも持っているのは「振られたら返せる」という根性のみです。そんな人間であっても仕事が途切れなかったのはそれだけ仕事が多いということです。

あと、東京の良いところって、一駅違うだけで別の観光地になることです。「地球の歩き方」を見ると、メインとなる首都に多くのページが使われ、おまけのように小さな街も数ページ紹介されていますよね。その小さな街と個々の駅が匹敵する観光地だと思います。JR中央線の場合、立派な観光地として成り立つのは高尾、八王子、立川、国立、国分寺、三鷹、吉祥寺、西荻窪、荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺、中野、新宿、四ツ谷、御茶ノ水、神田、東京となります。これらの駅単体で「HANAKO」などの特集が作れそうです。

というわけで、今、コロナで東京を脱出する人も増えるのでは? といった予測も出ていますが、とはいってもこれから最低10年ほどは日本屈指の「稼げる街」でい続けると思います。人生の数年間、東京で過ごし、そこで得たツテをもって故郷に戻る、という生き方もアリだと思います。

(中川淳一郎)

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