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生成AIで注目、次々と年初来高値を更新する「空調関連株」3社の決算は?

MONEYPLUS / 2024年5月30日 7時30分

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生成AIで注目、次々と年初来高値を更新する「空調関連株」3社の決算は?

チャットGPTの登場で、株式市場の最注目テーマは「生成AI」となりました。世界中の投資家が、生成AI技術を持つ企業や、その技術を活用している企業に注目し、関連銘柄の株価は軒並み上昇傾向にあります。


全投資家が注目のNVIDIAは過去最高値を更新

いうまでもなくその代表株はNVIDIAです。当社は、生成AIのトレーニングに必要な高性能GPUを提供しており、その需要は爆増中。毎度毎度、予想を超える売上利益を達成し、さらに高い見通し予想で投資家を驚愕させています。

ちなみに全投資家が注目したNVIDIAの第1四半期決算は、売上260億ドル(前年比3.6倍)で、売上から原価を引いた粗利益率は78.9%と前四半期の76.7%からさらに高まっています。これは、顧客がNVIDIAの言い値で買ってくれていることを表しており、当社がAI向けのGPUでは引つづき独占的な力を持っていることが分かります。この決算を受けて、株価は1,000ドルを超え、過去最高値を更新しています。

画像:TradingViewより

しかし、この株価上昇をみると、今からNVIDIAの株を買うのは二の足を踏みます。アナリストの予想によれば、当社は2025年、2026年もさらに成長し、見通しから計算される予想PERは30倍程度。けしてバブル的な数字ではありません。とはいえ、今の円安時に買った場合、株価は堅調でも円高に触れたときの下振れが懸念されます。投資家としては、生成AIによる産業革命の波に乗りたいけれど、もっと身近で分かりやすい銘柄はないでしょうか?

NVIDIAを凌ぐ株価上昇劇をみせた「さくらインターネット」

日本の株式市場で生成AIブームのもっとも大きな恩恵を受けそうだと期待されているのは、データセンターを運営するさくらインターネット(3778)です。生成AIの発達によって、大量のデータが発生します。その管理や処理を行うためのデータセンターの重要性はますます大きくなるからです。

2023年、6月に経済産業省が、国内での生成AI開発の基盤づくりを行うため、クラウドを通じて生成AIの開発を手掛けるスタートアップなどに、スパコンの計算能力を安価で提供するのを条件に、さくらインターネットに財政支援を行うと発表しました。そこで当社への投資家からの視聴率は、一気に高まり、当時700円台だった株価は、2024年3月には10,980円というNVIDIAを凌ぐ株価上昇劇を見せました。さすがに過熱感から、現在は5,000円台まで調整していますが、それでもPERは152倍。ここまで期待値だけで株価が上がってくれるのですから、日本の小型株にはやはり投資妙味を感じます。

画像:TradingViewより

データセンターへの視聴率がやや低下してきた今、代わりに視聴率を高めているのが”空調”関連です。大量のデータを処理するには、大量の電力を消費するため、高熱を発します。わたしは、夏場にパソコンを使用していると高熱になるため、小さい扇風機を使用しています。家庭レベルでそうなのですから、データセンターがどれほど熱くなるかは、想像にかたくありません。

じつは今年に入って空調関連銘柄が、次々と年初来高値を更新しています。業績は非常に堅調で、思惑買いというよりは、実績買いと言えそうです。

空調関連企業3社の決算は?

まずは、空調工事最大手の高砂熱学工業(1969)の直近決算を見てみましょう。

画像:高砂熱学工業「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

5月14日に発表された2024年3月期の①売上高は363,366(百万円)、②前年比7.2%、③営業利益24,192(百万円)、④前年比+57.8%と大幅の増益着地です。この期は、2回上方修正していますので、会社からしても想定以上に好調だったことが分かります。

画像:高砂熱学工業「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

今期予想は、①売上高は370,000(百万円)、②前年比1.8%、③営業利益25,700(百万円)、④前年比+6.2%と伸び率は前期に比べると物足りない感じがしますが、期首を控えめに見積もっているとも考えられます。今期は、半導体向けの産業設備が伸びることが想定されていますので、やはり生成AI関連といえるでしょう。

次に空調のほか、電気、水道衛生など設備工事全般を請け負う老舗総合設備会社ダイダン(1980)の決算をチェックします。

画像:ダイダン「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

5月9日に発売された2024年3月期は、①売上高は197,431(百万円)、②前年比6.2%、③営業利益10,877(百万円)、④前年比+29.1%と好調。

画像:ダイダン「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

さらに、新年度である25年3月期は、①売上高は250,000(百万円)、②前年比26.6%、③営業利益15,000(百万円)、④前年比+37.9%と、伸び率でいえば、高砂熱学を大きく上回る予想です。営業利益はなんと31期ぶりの過去最高益更新。会社四季報春号には「超大型半導体案件」を受注したとあります。

最後に三井物産系の空調設備工事を請け負う新日本空調(1952)を確認します。

画像:新日本空調「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

5月10日に発売された2024年3月期は、①売上高は127,978(百万円)、②前年比14.0%、③営業利益9,235(百万円)、④前年比+29.6%と二桁の増収増益。トップラインである売上高の伸びは3社の中で一番です。

画像:新日本空調「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

今期25年3月期は、①売上高は133,000(百万円)、②前年比3.9%、③営業利益9,300(百万円)、④前年比+0.7%と、こちらの伸び率はほか2社に劣っています。ただし、四季報春号には「データセンター向け高発熱サーバールームの排気気流対策製品を開発」とあり、今後の成長ドライバーとなることが期待されます。

画像:TradingViewより

株価チャートを見ると、3社とも2024年に入って上昇の角度を上げています。今期の予想PERは、5月28日時点の株価で、高砂熱学工業は19.6倍、ダイダンは13.3倍、新日本空調は12.7倍と、超加熱というほどではありません。受注状況や、DX化による設備投資の急増などを鑑みると、上方修正の可能性は高く、PERが切り下がることも期待できます。

生成AIブームが、単なるブームではなく今後の社会を大きく変えるとしたら、その影響を受けるセクターの裾野は広く、まだまだ関連銘柄は発掘できそうです。連想ゲームを繰り広げながら、銘柄を物色するのはまさに株式投資の醍醐味です。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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(藤川 里絵)

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