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個別相談やセミナーも無料、官民一体でお金の学びを提供する「J-FLEC」とは?

MONEYPLUS / 2024年6月18日 13時0分

個別相談やセミナーも無料、官民一体でお金の学びを提供する「J-FLEC」とは?

個別相談やセミナーも無料、官民一体でお金の学びを提供する「J-FLEC」とは?

資産所得倍増プランを掲げる政府は、国民の金融経済教育を推進しようと2024年4月に「金融経済教育推進機構」を設立しました。8月から本格稼働ということですので、今回は国が提供しようとする中立公正なサービスとはなにかを見ていきたいと思います。


J-FLECとは?

金融庁のホームページを見ると、令和6年2月に「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第95条第1項」に基づき、金融経済教育推進機構の設立が許可されたとあります。

英語表記はJapan Financial Literacy and Education Corporation、略称はJ-FLECです。

設立の目的は、「適切な金融サービスの利用等に資する金融又は経済に関する知識を習得し、これを活用する能力の育成を図るための教授及び指導(金融経済教育)を推進すること」とあり、その教育推進の対象は子どもから大人までまさに国民すべての金融リテラシーの向上を目指しています。

資本金はなんと10億5,729万6千円です。そのほとんどが政府からの資金ですが、他にも日本銀行が2,500万円、全国銀行協会が1,250万円、日本証券業協会が1,250万円の出資をしたと発表されています。

これだけ大きな資金を投入し設立されたJ-FLEC、具体的にどのような事業が展開されるのでしょうか? 金融経済教育推進機構のホームページは5つの事業が掲載されています。

①講師派遣事業:全国の企業や学校に、無料で出張授業を展開
②イベント・セミナー事業:全国各地でお金の無料イベントやセミナーを開催
③対面またはオンラインでの個別相談事業:無料体験を実施
④個別相談割引クーポン配布事業:相談料が割引になるクーポンの発行
⑤学校などへの支援事業:金融経済教育に関する研究活動などに取り組む学校を指定し、教育研究費の助成やアドバイス提供を実施

さすがに国が設立した機構であるだけに、無料で全国どこでも行きますというフレーズが目につきます。ほとんどの事業が2024年8月から受付開始となっていますので、関心がある方はぜひスケジュールを確認してみると良いのではないでしょうか?

J-FLEC認定アドバイザーとは?

事業概要を詳しく見ると、何度も「J-FLEC認定アドバイザー」という言葉が並びます。全国に派遣される講師も、個別相談の担当者も、割引クーポンが発行される対象者もすべて、J-FLEC認定アドバイザーです。

この認定アドバイザーについては、「J-FLECが定める認定要件に合致し所定の審査を通過した個人を、一定の中立性を有する顧客の立場に立ったアドバイザーとして認定する」としています。

認定アドバイザーは氏名の他、保有資格や経歴、報酬の目安などを公表すると共に、実際にアドバイスを受けた個人からの評価等も公表するそうです。家計管理、生活設計、NISA・iDeCo等の資産形成支援制度、金融商品・サービス、消費生活相談等についてアドバイスを行うとしていますので、一般の方からするとお金に関するアドバイザーを見つけるプラットフォームとしても活用できそうです。

J-FLEC認定アドバイザーになるための資格として、金融商品の販売などを行う金融機関等に所属していないことが挙げられているのは特筆すべき点だと思います。金融経済に関する知識・情報が少ない方が、金融商品の販売を行うことをゴールとする人からアドバイスを受けることは、望ましくないという強い国の意思を感じることができます。

筆者も金融商品の販売を行わないファイナンシャルプランナーとして長年仕事をして来ましたが、実際相談にお越しになったお客様から、「NISAの無料相談会」に申し込んだら、NISAはリスクがあるけれど、保険なら安心だからと、外貨建て保険や変額保険を強く勧められて閉口したという訴えを聞くことが少なくありません。

あるいは、「今注目の産業」とか「これから期待される国」といったセールストークで、テーマ型でかつコストの高いアクティブファンドだけを勧められ、低コストインデックスファンドは紹介さえもしてくれなかったという方もいらっしゃいました。こうした声は金融庁にも届いていたのでしょう。

もちろん金融機関は金融商品を販売することがビジネスですから、それが営業だといえばそれまでですが、国としては金融機関に出向く前にまずはJ-FLECで金融経済教育を受けてからという発信をしていくのだと推察されます。

J-FLECではどのようなことができる?

実際、J-FLECが提供する情報には、金融だけにとどまらず、お小遣いの使い方、金融トラブルの防止、社会保険や相続などと非常に幅広いテーマが並んでいます。ここからも、今回設立された金融経済教育推進機構が、単なる「金融商品」の説明をするだけではなく、「人生とお金」といった視点で、広く金融経済について教育を提供しようとしていることが伺えます。

はじめてのマネープランと称し、オンラインあるいは対面での個別相談を展開するのも画期的です。あくまでも無料のおためし体験といったところなのでしょうけれど、個別相談がどのように有益なのかを知っていただくきっかけにはなるでしょう。

今回のJ-FLECの「はじめてのマネープラン」は対面あるいはオンラインで最大1時間無料の相談です。他にも最大30分の電話無料相談も設置されます。認定アドバイザーによる有料相談も割引クーポンを利用して使えるとなっていますので、今後ますます金融商品を販売しない「中立公正」なアドバイスへの期待は高まるのではないかと考えます。

お金は人生と切っても切れない関係にあります。もちろんお金はないよりあった方が良いですが、金額の大小で幸せを測ることはできません。そう考えると、国が提供する無料のセミナー、無料の個別相談体験も受けてみる価値は非常に高いと思います。その上でアドバイザーと価値感が合うのか、人生における目標や生き方など共感ができるかなどはぜひチェックポイントとして覚えておいていただきたいところです。

例えば筆者へのご相談者であれば、コラムを読みましたとか〇〇でのセミナーに参加しました、という方が訪ねてこられることが多いです。様々な接点の中で、選んでいただき今があります。

投資はとても奥深いものだと筆者は感じています。投資とは、より良い明日、より良い社会を作っていくための投票制度なのではないかと思うからです。投資家は、投資を通じて様々な企業の行動を評価し選別し、優れた企業を支援しています。そう考えると、明日の世界を作る大きな責任を投資家は担っているともいえるのではないでしょうか?

そう考えると、今回のJ-FLECが提供する金融経済教育は、自分の人生を豊かにするための基礎知識を得る場所と考えそこからさらに、学びを深めていくことがこれからの私たちには必要だと考えます。

8月からはJ-FLECの情報を目にすることも多くなるかも知れません。今後注目していきましょう。

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(山中 伸枝)

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