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なぜ6月26日に株価が上昇した? 急騰の要因と日経平均4万円超えにはなりにくいと考える理由

MONEYPLUS / 2024年6月27日 17時0分

なぜ6月26日に株価が上昇した? 急騰の要因と日経平均4万円超えにはなりにくいと考える理由

なぜ6月26日に株価が上昇した? 急騰の要因と日経平均4万円超えにはなりにくいと考える理由

今日は6月27日、受け渡しベースではすでに7月相場入りです。早いもので2024年の上半期も終了です。2024年前半の日本株相場を簡単に振り返ると、年明けから上昇基調が強まり、2月22日、日経平均株価は1989年の大納会でつけた史上最高値の3万8915円を更新しました。 3月4日には4万円台に乗せました。史上最高値更新の1ヶ月後、3月22日に4万888円まで上昇し、目下のピークをつけました。


3月のピーク以降はボックス相場が続く

そこまでは絶好調だったのですが、今年度に入ったとたんに、株価は勢いを失いました。4月下旬には中東情勢の緊迫化もあり、一時3万7000円台を割り込む場面もありました。しかし、4月末には3万8000円台を回復、そこからの2ヶ月間はずっと3万8000円~3万9000円強のレンジでのボックス相場が続いてきました。

ボックス相場の特徴でもありますが、下値は堅い一方、上値の重さも目立ちました。3万9000円を上回ると売りがかさんで再び3万8000円台に押し戻される展開が続いてきました。

ところが6月月末にかけて騰勢が強くなりました。受け渡しベースで月内最終日となった6月26日にかけて日経平均は3日続伸。特に26日は急伸し、一時600円以上、値上がりして4万円の大台に迫る場面もありました。これで約2ヶ月に及んだボックスを上放れました。TOPIXは3月22日以来、約3ヶ月ぶりに終値で2800ポイントを上回りました。TOPIXで見れば、年初からの高値圏にほぼ戻ったと言えるでしょう。

日経平均を押し上げたのは半導体関連銘柄

この急騰の直接の要因はエヌビディア(NVDA)の上昇でした。6月25日にエヌビディアが7%高と4営業日ぶりに反発したことを受け、東京市場で半導体関連銘柄が買われました。また、このタイミングでアドバンテスト(6857)が25日に3カ年の新中期経営計画を発表しており、それが好感され、同社の株価は一時8%高まで急騰。半導体株の代表である東京エレクトロン(8035)にも買いが波及し、この2銘柄で日経平均を200円以上押し上げた格好です。

グラフ1は今年度に入って以降のエヌビディアと日経平均の変動率の推移を示したものです。

【グラフ1】エヌビディアと日経平均の変動率の推移(赤:日経平均、青NVDA)

出所:マネックス証券ウェブサイト

日経平均がボックス圏での動きに終始している間、エヌビディアは一本調子に上がり続けました。エヌビディア株は先週18日に最高値を更新したあと、3日間で10%を越える大幅安となりました。日本株の底入れ~上放れの兆しが出たのは、むしろそのタイミングです。こう考えるとエヌビディアが反発し、日本の半導体株が買われたというのは、26日だけに限った話であったと言えるでしょう。

株価急騰は「6月末」だから?

そもそものファンダメンタルズを点検しましょう。グラフ2は年初からの日経平均とその予想EPS(1株当たり純利益)の推移を示したものです。そしてグラフ3は予想PER(株価収益率)の推移です。

【グラフ2】2024年年初からの日経平均とその予想EPSの推移

出所:QUICKデータより筆者作成

【グラフ3】予想PERの推移

出所:QUICKデータより筆者作成

これら2つのグラフからは、年初から3月下旬への株価の上昇はEPSの上昇に沿ったものだったことに加えて、バリュエーションの拡大=PERの継続的な上昇があったことがわかります。グラフ2を見ると現在の日経平均の予想EPSは、一度落ち込んだあと、高値をつけた3月と同水準まで戻ってきてはいます。

しかし、PERは17倍台でピークアウトしたあと、拡大する兆しもきっかけも見えません。そもそもバリュエーションが高まるには日本企業の成長期待が高まることなどが必要ですが、それにつながる新たな動きはありません。配当や自社株買いは過去最高水準まで高まっていますが、それら株主還元は成長期待とは正反対の動きです。

そう考えると、この株価の上放れが継続し、日経平均で4万円を超え、再び最高値を目指していくような展開にはなりにくいのではと思います。

この急騰劇は期末の需給に絡む要因が背景ではなかったかと思います。実は日経平均は2023年も、6月末の受け渡し最終日には655円高と急伸しています。2022年は6月受け渡し最終日を含むラスト3営業で880円ほどあげています。

6月末はただの月末ではなく四半期末、上半期末ですので、機関投資家のポジション調整で買い圧力が強まる要因が出やすいのかもしれません。また、さきほど配当や自社株買いが過去最高と述べましたが、これらに絡む要因もあります。

自社株買いには、四半期末の最終5営業日の買い付けを自粛する“ブラックアウト期間”が設けられています。ですから6月最終週(24~28日)は自社株買いが入らず、これまで相場を支えてきた事業法人の売買動向は売りに転じる可能性が警戒されていました。しかし、それは織り込み済みであったのでしょう。

配当のほうは素直に買い材料になります。3月期決算企業から推計で約5兆6700億円規模の期末配当が支払われる見込みです。この一部が再投資に回るだけで、日経平均を持ち合いから上放れさせることは可能でしょう。

しかし、これもこの時期の一時的需給要因だとすれば持続性はありません。やはり7月下旬から始まる3月決算企業の第一四半期決算発表で業績の堅調さを確認することが本格上昇に転じる必要条件と思われます。

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(広木 隆)

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