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株式投資で最もやってはいけないことの1つとは?

MONEYPLUS / 2024年7月3日 7時30分

株式投資で最もやってはいけないことの1つとは?

株式投資で最もやってはいけないことの1つとは?

年初から猛烈な勢いで上昇を続けていた日経平均株価。しかし、3月の下旬頃から下落基調に転じ、執筆時点では3万8000円前後でもみ合う展開になっています。2024年は1月から新NISA(少額投資非課税制度)がスタートし、株式投資を始める人が一気に増えました。年初から株を始め、3月半ばまでの相場急上昇の恩恵を受けた人は少なくないでしょう。

しかし、4月頃から株式投資を始めた場合、株式相場の急落によって損失を抱え、株式市場からの退場を考える人が出ている模様。今回は、そんな方々に、積立投資にしろ、目先の利益を追う短期・中期投資にしろ、株式投資で最もやってはいけないことの1つをご案内しましょう。


積立投資では目先の相場下落を気にする必要なし

新NISAの制度がスタートしてから、半年が経過しようとしています。この間、日経平均株価は年初から3月までに20%超の上昇となりました。しかし、その後は下落に転換。株式投資の用語でいう「調整局面」です。日経平均株価は3月22日の高値4万1087円から、約1カ月後の4月19日には一時3万6733円まで10.6%の下落となりました。

株式相場の歴史を振り返ると、平均株価が10%程度下落することは、常に起こり得る事象です。ただ、メディアが「日経平均がバブル時につけた最高値を更新するなど絶好調」「株をやる人が増えている」などと取り上げているのを見て、「そんなに株がいいなら、自分もやってみようじゃないか」などと考え、株式投資をスタートした人は、現状をどう感じているでしょうか。もしかしたら、「話が違う」と憤っている人もいるかもしれません。実際、SNSを覗くと、「株がすごい良いって聞いて新NISAを初めてみたけど、〇〇円くらい損してる。もう止めようかな」などといったつぶやきが散見されました。

株を初めたばかりの人にとっては、年始からの日経平均の急上昇が、半導体関連株を中心とした一部の値がさ株(株価が高い銘柄)の急騰を主因としていたことなど知る由もありません。ただ、新NISAを始めるにあたり、大人気の「世界の株式に投資するタイプの投資信託=オールカントリー(オルカン)」や、米国の株価指数S&P500種指数に投資するタイプの投資信託を「つみたてNISA」で買ったのであれば、何も問題はありません。

“オルカン”タイプの投信はオールカントリーと謳いつつ、中身は米国株が中心。資産の半分以上を米国株に投資しています。それは、世界の株式の時価総額ベースで、米国株が上位を占めていることに関係しています。日経平均と同様、S&P500も4月に入って一時下落したものの、その後は反転して再び史上最高値を更新しています。これらを投資先として選択した人は、始めたタイミングが悪くても、現状はマイナスになってはいないはずです。

そもそも「つみたてNISA」などの積立投資は、10年、20年といった「超長期」に渡って積み立てを続けることで、「実際に積み立てた金額よりも多くの資産を築き上げること」が、本来の目的です。過去を振り返ると、株式相場には5年、10年スパンでショック安が到来していますが、そのような下落局面でも積み立てを継続することで、最大限に効果を得られる手法なのです。

そのため、始めたばかりの数か月で多少の損失が発生したからといって、大騒ぎする必要はありません。目先の株価の上下を気にすることなく、長期で資産を形成できることが積立投資の最大のメリットであり、魅力でもあるからです。これから先、株式相場がどのような調整局面を迎えたとしても、「積立投資派」は粛々と積み立てを続けることが必要です。

一番やってはいけないのは、「損をしたから投資をストップする」こと。その時点で止めてしまうと、積立投資の効果を得られないだけではなく、損をしたまま、将来手に入れられる利益の芽さえ摘んでしまうことにほかなりません。

億トレは、失敗を積み重ねて自分流の投資手法を身に着ける


最近になって株式投資を始めた人の中には、積立投資ではなく、NISAの「成長投資枠」を活用して、個別銘柄の売買を始めたケースもあるでしょう。1日から数日などのデイ・トレード、あるいは1週間、数週間といったスウィングトレード、それ以上の中期の間に、「安く買って高く売る」、つまり株価の上下動を利用して収益を得る、いわゆる「トレーディング」をしているケースです。

NISAを活用すると利益にかかる税金が免除されるわけですが、このトレーディングでは、同期間の積立投資より大きな利益を得られる可能性があります。大きく儲けたとしても、NISAの成長投資枠では課税が免除されるため、トレーディングでNISA枠を活用するのも十分アリでしょう(「NISAは長期投資と短期投資のどちらで活用すきか」について長期投資論を語る専門家が少なくありませんが、個人的には、より大きい利益が非課税になる短期投資での活用も魅力的と考えます)。

株式投資では、期待リターンと損をするリスクは表裏一体です。つまり、リターンを得られる可能性があるなら、同じように損をする可能性もあるということ。前述のように、積立投資では「途中で積み立てを止めてしまう」行為をNGと書きましたが、こうしたトレーディングでも「損をしたから株式投資を止める」のは「株式投資でやってはいけないこと」の1つです。

筆者はこれまで、数十人にのぼる億トレーダーの人たちに取材をしてきました。投資手法は十人十色、千差万別。どんなトレードの達人でも全勝はできず、負ける時は負けます。ただ、億以上の資産を積み上げてきたトレーダーの人たちは、失敗した時に「なぜ負けたのか」、その理由を考え、分析します。そして、それを次のトレードに活かすことを繰り返し、自分流のトレード方法を身に着けるのです。億トレーダーの人たちは、大負けを含めた幾多の投資経験を経て、独自の勝ち方を確立してきた方々ばかりでした。

1、2度の損失で「株式投資自体を止めてしまう」のはNG

実は、トレーディングの世界でもやってはいけないことがあります。それは、「損をしてガックリときてしまい、株式投資を止める」ことです。トレードの損失によって株式投資を止めてしまうことを、投資の世界では「株式市場から退場(撤退)する」などと表現します。退場してしまうと、将来得られるかもしれない利益を、自ら放棄してしまうことにほかなりません。

目の前の損失に耐えられない場合、お勧めしたいのが投資金額の引き下げ。100万円を投資して1割の損失を被ると、当然、損失額は10万円です。10万円の損による精神的な負担が大きく、株式投資を止めたいという気持ちに傾いてしまう人は、投資金額を50万円に下げてみてはいかがでしょうか。そうすれば、1割の損失額も5万円に下がります。

それでもやはり精神的に厳しいと感じる場合は、投資金額を30万円、もしくは20万円などと減額し、「投資金額に対して1割、2割程度の損をしても耐えられる」水準を見つけましょう。そうすれば、損をした場合の精神的な負担を減らすことができます。トレードの経験を積み、自分の投資の腕を磨いた後、経済的かつ精神的な余裕が出てきたら、投資金額を増やせばOKです。

ただし、「損切りをするな」と言っているわけではありません。損失を確定する「損切り」は、損切りで得た金額を次のトレードに回すための行為であり、リスク管理を行ううえで重要な投資行動です。筆者が話を聞いた億トレの面々も、大きな失敗と言える損切りのトレードを多かれ少なかれ経験した方ばかりでした。

億トレの人たちが、その後、億を超える資産を築き上げることに成功できたのは、その失敗した時点で退場せず、株式投資を続けてきたからこそ。せっかく、将来に大きな利益を得られる可能性がある株式投資を始めたのですから、1、2度の損失で株式市場から退場だけはしないように意識すべきでしょう。投資金額を減らし、相場の動きをウォッチし続ければ、「どういう時に、どういう銘柄で勝負すれば勝ちやすい」かが見えてくるかもしれません。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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(新井奈央)

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