過去最高値のTOPIXに影響!長期保有で高リターンを狙う“バリュー株”投資って?
MONEYPLUS / 2024年7月6日 7時30分
過去最高値のTOPIXに影響!長期保有で高リターンを狙う“バリュー株”投資って?
今週、2024年7月4日は歴史的な日となりました。TOPIXが34年半ぶりに過去最高値を更新したのです。日経平均も終値ベースの過去最高値を上回りました。この背景には、日本経済の回復や企業の業績改善、グローバル経済の安定などが影響しています。
今回は、TOPIXへの投資のメリットと、TOPIXに大きな影響を与える“バリュー株”の投資戦略を紹介します。
そもそもTOPIXって?
TOPIX(Tokyo Stock Price Index、東証株価指数)は、東京証券取引所(東証)に上場している全ての普通株式を対象とした時価総額加重平均型の株価指数です。1968年7月1日を基準日とし、その日の時価総額を100として算出されています。TOPIXは日本の株式市場全体の動向を反映する重要な指標であり、幅広い投資家に利用されています。
時価総額加重平均型で企業の時価総額に基づいて計算されるため、大企業の影響が大きくなります。また、東証一部に上場する全ての普通株式が対象となっているため幅広い範囲をカバーしている指数といえます。
このことから、TOPIXに投資をすることは日本の多くの大型株に投資することとなり、リスクを分散できると考えられます。特定のセクターや企業に依存せず、市場全体の動向を投資パフォーマンスに反映することができるでしょう。
TOPIXの寄与度トップはトヨタ自動車です。ほかに、三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンクや商社株などの寄与度が高くなっています。
TOPIXとバリュー株投資
TOPIXは、「バリュー株(割安株)」に影響を受けやすい指数であると言われています。そんな中、昨年度に引き続き2024年度も投資家は「バリュー株」や大型株を選好する傾向が続いています。とくに大型のバリュー株に対する海外投資家の関心が高いようです。
TOPIXのなかでも「バリュー株」と言われるものは、企業の本質的価値(ファンダメンタルズ)に対して割安であると評価される株式を指します。つまり、市場で取引されている価格が、その企業の本来の価値(実際の価値)よりも低いと判断される株式です。簡単に言うと「割安な株」のことです。割安かを判断するには、以下の指標が基準になります。
◆PER(株価収益率: 低いほど割安と評価される)
◆PBR(株価純資産倍率 : 低いほど割安と評価される)
◆ROE(自己資本利益率: 高いほど効率的なビジネスができていると言え、収益性が高い)
バリュー株投資は、割安な株式を探し出して購入し、その価値が市場に認識されるまで保有することでリターンを狙う投資手法です。
バリュー株が注目される理由は、市場が一時的に過小評価している企業の株式を購入することで、高いリターンを期待できること、景気動向に業績が左右されにくい(ディフェンシブな)銘柄が多いこと、高配当の傾向があり、安定したインカムゲインを享受できる可能性があることなどがあげられます。
バリュー株投資の戦略
戦略としてはまず企業のファンダメンタルズ(財務状況、収益性、成長性など)を徹底的に分析することが重要です。上記の、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)も併せてチェックします。
加えて特定のセクターや企業に依存しないように、複数のバリュー株に分散投資を行うと良いでしょう。バリュー株は短期的には市場の過小評価を受けやすいため、長期的な視点で保有することが重要です。企業の本質的価値が市場に認識されるまで待つことで、高いリターンを狙います。そして高配当のバリュー株は、配当を再投資することで複利効果を期待できます。これにより、長期的な資産形成を加速させることができます。
投資後も企業の業績や市場の変動を継続的にモニタリングすることが重要です。業績が悪化したり、市場環境が変わった場合には、適切なタイミングで売却することを検討しましょう。
国内バリュー株に投資できる投資信託
私が国内バリュー株の投資信託で注目しているのは、大和住銀DC国内株式ファンドです。
年金日本株式マザーファンドへの投資を通じて、日本の株式を主要投資対象としており、割安性(バリュー)を重視して収益性・成長性を勘案したアクティブ運用により、信託財産の長期的な成長を目指すファンドです。新NISAのつみたて投資枠で買えることがポイントが高いと思います。
中長期的にTOPIXを上回る投資成果を目指しており、2006年10月から18年近い運用実績がありますが、安定感があり下落にも強く、これまでのパフォーマンスではしっかりそれを実現しています。同ファンドの組み入れ銘柄は投資信託説明書などを見ると、上位10銘柄などチェックすることができますので、そちらを参考にバリュー株を選んでみるのもありだと思います。
2024年2月16日時点での上位組み入れ10銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ、トヨタ自動車、日本電信電話、TDK、豊田自動織機、スズキ、富士電機、BIPROGY、JFEホールディングス、ソニーグループとなっています。
今、日本株へ投資するメリット
最後に、TOPIX、日経平均が共に過去最高を記録した中、今、日本株へ投資するメリットを見てみましょう。
日本経済は、緩やかながらも安定した成長を続けており、多くの企業が業績を改善しています。特に、輸出産業や製造業はグローバル需要の増加により好調です。また日本株は、他の市場に比べて高配当の銘柄が多い傾向があります。これは、安定したインカムゲインを狙う投資家にとって魅力的です。税金面でも、日本株で売買益や配当益を得る場合は、基本的におよそ2割の納税となっており、海外株より税制面で有利だといえます。新NISAの成長投資枠で投資をすると非課税のメリットの恩恵も受けられるでしょう。
また何か株価に影響する事態があったときに日本時間で売買が可能であることや、ニュースや決算説明、資料を日本語で読むことができるので情報を得やすいこともプラスです。加えて、店舗に足を運んだりサービスを実際に使ったりなど、体験した感覚をたよりに投資できるということも、国内投資家が日本株に投資するメリットでしょう。
忘れてはならないデメリット
一方、デメリットも忘れてはいけません。日本は少子高齢化が進んでおり、長期的には労働力の減少や社会保障費の増加が経済成長の足かせとなる可能性があります。これにより、企業の成長余地が制約されることがあります。日本市場は成熟しており、成長余地が限られているセクターも存在します。そのため、新興市場と比較して高い成長が期待しにくい場合があります。また地政学的リスクが経済に影響を与える可能性があります。特に、近隣諸国との関係が不安定になると、投資環境に影響が出ることがあります。
いかがでしたでしょうか。これらの知識を活用し、自分に適した投資戦略を見つけることが、成功する投資の鍵となります。継続的に学び、市場の動向を注視しながら、着実に資産形成を進めていきましょう。この記事が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward] ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
(三井 智映子)
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