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【新NISA】まとまったお金は一括で投資しても良い? する前に考えるべき3つのポイント

MONEYPLUS / 2024年7月16日 11時30分

【新NISA】まとまったお金は一括で投資しても良い? する前に考えるべき3つのポイント

【新NISA】まとまったお金は一括で投資しても良い? する前に考えるべき3つのポイント

「長期・積立・分散投資」は投資初心者がまずは身につけたい失敗しない投資のための大原則ですが、まとまった資金がある場合は一括投資も検討したいという方も少なくありません。今回は一括投資の可否を判断するプロセスを考えてみたいと思います。


年代別の積立額の平均

iDeCoやNISAの普及と相まって、毎月数万円で投資信託を積立購入する方が増えてきました。株式会社400Fが運営するオカネコの調査では、2024年4月現在新NISAを利用している人の平均積立額は58,628円だそうです。

それだけの金額を毎月積立てていくと、年間で約70万円、30年継続すれば2100万円以上の資金を投資に回すことになります。仮に5%で運用ができれば4800万円ものお金を手に入れることも可能な金額です。

積立額は年代によってバラツキがあります。18~29歳までの平均は42,000円、30歳から39歳までの平均は56,102円、40~49歳までの平均は61,606円、50歳から59歳の平均は59,069円、60歳から69歳までの平均は64,430円、70歳以上でも53,182円の積立をしているということです。

とはいえ、いつまでも積立が継続できるという訳ではなく、多くの場合、就労収入が途絶えると積立を終了し取り崩しの時期に入るのが一般的ではないでしょうか? 先ほどの例でいけば、年間70万円の積立を30年実行するとかなりの金額を作ることが可能ですが、積立投資をスタートした年齢が遅くなればなるほど、積立可能期間が短くなり、その分大きな資金を作ることは難しくなります。

すると、税制優遇の仕組みを最大限利用したい、できるだけ多くの金額を将来の取り崩し原資としたいと、積立ではなくまとまった金額を投資に回したいと思う時もあるでしょう。

実際、しばらく使う予定のない定期預金がある、相続で多額の資金を受け取った、退職金が入ったなど、まとまった資金の運用を検討される方も少なくありません。ご自身なりの投資スタイルがある方であれば一括投資であっても、自己責任の範疇で決断できるのでしょうけれど、もし投資経験が少ない方であれば一括投資をする前に以下の3つのポイントを考える必要があるのではないかと考えます。

1.マーケットは上がり続けるか

筆者はお客様から一括投資のご相談を受けるとき、まず「今後マーケットが上がり続けると予想されているか?」と伺うことにしています。投資信託に限らず、投資で利益を上げるためには、安く買って高く売る必要があります。つまり、今後もマーケットが上がり続けるのであれば、少しでも割安なうちに一括投資を行うのは意味のあることでしょう。

この質問に対し、「マーケットって上がったら下がる、下がったら上がるということを繰り返すって言いますよね。そうであれば、上がり続けるのは考えにくいですよね。」とおっしゃる方が大半です。

筆者も右肩上がりで永遠に市場が成長することが分っていれば、なにも積立ではなく一括もオススメできると思うのですが、残念ながらそんな予測をする方は恐らくだれもいないでしょう。もちろん、市場が上がり基調の時に一気に投資を行い、下がる兆しが見えた瞬間に売却できれば良いのですが、そういうことをできる方も恐らくだれもいないでしょう。

一括投資をすると、その時の買った値段が鮮明に記憶に残り、その後の値段の変動がとても気になるものです。その点、積立の場合は、良くも悪くも購入単価が平準化されるため、市場の動きに対して心の平静が保ち易くなるという特徴があります。

2.投資する金額は資産の何%か

二つ目は、一括投資にあてようと思っている金額が、ご自身の資金全体の何%に当たるのかという質問です。

仮に、一括投資に充てようと思う金額が1000万円でその他のご資金も潤沢にあるのであれば、その後値段が下がってもまた上がるまでの時間を許容できるかも知れません。しかし、その1000万円を使う目的が間近にあり、それが目減りしてしまったら人生設計が狂ってしまう方では、市場のリスクへの許容度がまったく異なります。

もちろん前者であっても、投資の値段の上がり下がりが精神上大きな苦痛を伴う場合はやはり一括投資はしない方が良いと考えますし、後者は間違いなく一括投資を行ってはいけない方となるでしょう。

例えばリーマンショックの際はどこのマーケットも大きく値下がりしました。米国株式は半年間で50%程度値下がりしたと言われています。思い切って一括投資した1000万円がいきなり半分くらいに目減りしたら、生きた心地もしない方が大半ではないでしょうか? その後値を戻すまでにかかった時間が5年くらいと言われています。そんな長い期間含み損を抱え続けなければならないのですから、途中で投資を投げ出してしまった方がいても不思議ではありません。

一方、値段が半分になっても積立を継続していた方は5年も待たずに元の値段に戻りさらに継続することで大きな利益を得た方が大半でした。筆者も当時は積立を継続していましたが、すべての投資信託が同じようなペースで戻ったわけではありませんでしたが、それでも2年程度のスパンでは大きなマイナスが解消されたことを覚えています。

つまり、値が下がった時こそ、さらに追加投資をするのだという強い意志が持てる方以外は、やはり1000万円という大きな原資があったとしても投資時期は分散し、下がっても自動的に買い付けができる仕組みに身を置いた方が精神的にも良いのではないかと考えます。

3.後悔しない投資か

三つ目は、家族との関係性です。お金はやはり使ってこそ価値があります。使う目的の多くが家族のためであるという方が多いことを考えると、やはり家族が幸せになるために「使える状態」を目指して投資をした方が良いだろうと思います。

例えば、慣れない投資で思い切って大きなお金を一括で投じ、その後値が下がって大きな損失を被ってしまったとしましょう。すると、その経験が忘れられず、その後の家族の大切なイベントがある度に「あのとき投資をしていなかったら、もっとお金があったのに」と後悔し続けるのではないでしょうか?

投資においてもっとも怖いもの

精神論的なお話に終始してしまったかも知れませんが、筆者は投資を行ううえで、市場の変動は恐れるに値しないと感じています。これまでも様々な経済ショックを乗り越えながら世界の経済は歩みを止める事無く成長し続けているからです。

一方投資においてもっとも怖いのが人の心だと感じています。頭では分っていたけれど、実際に市場が落ち込みだすと怖くなって投資を辞める、投資商品を投げ売りするといったことがこれまで何度も繰り返され、せっかく資産を成長させるチャンスをみすみす逃してしまった方がどれほどいらっしゃるか。

そう思うと、投資をなるべく早くから始めていただく、そして長く継続していたくためには、それ相当に心を平常に保つための仕組みが必要なのです。すると、行くつくところは「長期・積立・分散投資」であり、分散とは投資先の分散であり、投資タイミングの分散すなわち一括投資ではなく積立投資となるのです。

では、1000万円なら何回に分けて積立てるのが適正なのでしょうか? これについては、これからのお金の用途を考えつつ数年かけて分散することを一般論として、あとは個別に相談しながら進めるという流れになります。少し手間がかかりますが、ぜひ心の平静を保ちつつ、家族が笑顔になる投資を実施していただくと良いのではと考えます。

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(山中 伸枝)

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