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親子留学を考えている30代ファミリー「留学に行く5年後までにできる資産運用はある?」

MONEYPLUS / 2024年8月3日 18時0分

親子留学を考えている30代ファミリー「留学に行く5年後までにできる資産運用はある?」

親子留学を考えている30代ファミリー「留学に行く5年後までにできる資産運用はある?」

ファイナンシャルプランナーである筆者の元に、5年後から海外留学をしたいと考えているご家族より、資金計画についての相談がありました。海外留学をするにあたり、留学までにできる資産運用はないのか、また留学までにしておくべき金融機関の手続きの流れについて知りたいとのことでした。本記事では海外留学前に押さえておきたい資産運用のポイントや金融機関での手続きについて解説します。


そもそも「5年」という期間をどう考えるか

投資の三原則に「長期・分散・積立」とあるように、資産運用をする上では、運用先だけではなく運用期間も重要になってきます。長期運用に明確な基準はありませんが、少なくとも10年、理想は15年以上だと筆者は考えています。今回の事例の「5年」は資産運用としては決して長期とは言えません。そのため、価格変動が大きいものではなく、比較的安定的な運用が適しているでしょう。一方で、今回の特徴である海外留学ならではの資産運用方法で、留学後の学費や生活費に備えていくことも可能です。これらを踏まえて具体的な資産運用方法をみていきましょう。

留学先の外貨を積み立てる「外貨預金」

留学後には現地の通貨で生活していくケースが大半だと思います。事前に留学先の外貨を積み立てることも選択肢の一つに入れておきましょう。日本円を現地の通貨に変える場合、通貨同士の交換比率=為替レートの影響を受けます。

例えば、日本円の価値が高い時を円高と言います。留学先の通貨に対して支払う日本円が少ないほど円の価値が高いということになります。学校へ支払う費用を例にお伝えすると、円高の場合、留学費用が100万円で済んでいたものが、円の価値が下がる円安の状態になると200万円支払わなればならないという事が起きます。

円の価値はずっと同じではなく1分1秒ごとに変わってしまうので、一定額を毎月コツコツ積み立てることで、価格が高いときは購入数量を少なく、価格が低いときは購入数量を多くするなどの工夫が必要です。毎月一定額を積み立てる方法をドルコスト平均法と言いますが、平均購入単価を抑える効果が期待できます。留学時の為替に一喜一憂しないためにも、留学先の通貨を事前に積み立てるなどの準備はしっかりしておきたいですね。

さらに外貨預金は、金利面でもお得になる可能性があります。多くの場合、日本円よりも外貨預金の金利のほうが高いため、外貨を積み立てることで、数年かけて金利でも資産を増やしていくことができます。外貨預金を積み立てるにあたっては、現地でも出し入れができる日本の銀行口座を開設することをおすすめします。

日本だけで生活していると為替を意識することは少ないですが、海外留学前にはしっかり意識しておきたいポイントです。

短期での運用は為替リスクを取らない国内債券も選択肢に

数年間の運用であれば、満期が短い債券が選択肢として挙げられます。債券は満期まで持っていれば元本が返ってくるので、予め投資期間が決まっている点でも海外移住前の運用先に適しているでしょう。

ただし、債券の中でも外貨建債券(いわゆる外債)については注意が必要です。運用資金が円ではなくドルやユーロなどの外国の通貨になるので、金利がよくても満期時の為替が予想しにくいからです。為替が円安になると、場合によっては損失が出てしまう可能性もあります。債券で運用する場合、短期資金はできるだけ為替リスクを取らない、日本円での投資が安心です。

移住先の通貨で運用すれば為替リスクを抑えられるように思われるかもしれませんが、日本の証券口座で運用していた債券は、ほとんどの場合、一度日本円に戻す必要性があります。手続きの煩雑さを考え、移住先の通貨を増やすことが目的であれば、前述した外貨預金で増やすことを検討しましょう。

満期が決まっていて債券よりも金利の良い貸付型クラファンもおすすめ

貸付型クラファンは、クラファン業者を通じて投資家が直接企業に融資ができる仕組みのことを指します。満期までもっていれば元本が返ってくるなどの仕組みは債券と似ていますが、厳密には細かい仕組みやリスク、税制などが異なります。貸付型クラファンは比較的短期のものが多く、半年から3年満期で、債券よりも比較的良い金利のものがあります。

貸付型クラファンについての記事を参考に、留学前の資産運用の候補に入れてみてはいかがでしょうか。
(参考:新しい投資のカタチ【貸付型クラファン】3つのメリット・デメリット

NISAでの運用には注意が必要

NISAでは投資信託および株式での運用ができますが、運用期間が今回のご相談者様のように短い場合には注意が必要です。値動きがある商品でも投資の三原則「長期・分散・積立」を守ることで、価格変動リスクを減らして運用することができます。しかし今回のご相談者様のように、5年程で売却をする前提であれば、投資期間を十分にとることができず、その分価格変動のリスクを抑えることが難しくなってしまう可能性があるからです。

留学には、向こうでの学費だけではなく渡航費や生活費、ビザ申請料、留学保険など様々な支出が控えています。大切な資金をなるべく減らさないように、期間が決まっておらず、値動きが激しい商品での運用は避けたほうが無難でしょう。

また、すでにNISAで運用をしている方も相場によって大きく値段が変わる場合があります。直前に慌てて売却をすることがないように、余裕を持った売却スケジュールをたてましょう。

売却や手続きには余裕を持って

国税庁では1年以上日本に居住しない者を「非居住者」と定義づけており、今後1年以上の海外留学等で「非居住者」に該当する場合、原則として出国後、日本の証券会社での新たなお取引はできなくなります。

なぜなら、日本の証券会社は基本的に国外での金融商品取引業務を行う資格を持っていないため、海外から取引をすると出国先の法令に抵触する可能性があるからです。中には証券口座自体を解約しなければならないケースもありますが、一部の証券会社では一般口座にて保有と売却のみできるケースもあります。

その場合も、NISA口座、ジュニアNISA口座、特定口座は廃止しなくてはなりません。一方で、辞令による転勤など、一部のやむを得ない事情の場合、5年以内であればNISA口座を継続することができる証券会社もあります。

今回のご相談者様のように海外留学をするのであれば、NISA口座、ジュニアNISA口座、特定口座がある場合は留学に行くまでに廃止しなければなりません。売却手続き及び口座の廃止手続きには時間を要するため、できれば出国の半年前には手続きを始めていきたいところです。金融機関によって「非居住者」に対する対応が異なる上に、解約や移住に関しての手続きが必要になるケースがほとんどです。

口座の解約が必要な場合は、移住前に保有商品を売却後、口座閉鎖の手続きをする必要があります。口座を継続する場合も、出国前に書類の提出や取引代理人の選任など所定の手続きが必要となってきます。

海外移住までの時間も無駄にしない

海外移住までに数年ある場合、その期間だからこそできる資産形成にも目を向けてみましょう。

今回の記事では親子留学の資産運用に絞ってお伝えしましたが、実際留学に行くとなると現地の情報収集やビザの取得など事前に考えておくべきことはお金以外にも多岐に渡ります。円安が進む今、親子留学を夢で終わらせないためにも資金面や生活面など様々な視点から、着実に準備を進めていきたいですね。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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(内田優帆)

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