1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

日経平均 史上初の4万2000円台も、2024年最大の下落幅を記録…激動の7月を振り返る

MONEYPLUS / 2024年8月2日 7時30分

日経平均 史上初の4万2000円台も、2024年最大の下落幅を記録…激動の7月を振り返る

日経平均 史上初の4万2000円台も、2024年最大の下落幅を記録…激動の7月を振り返る

7月の株式市場はまさに激動の1ヶ月でした。6月下旬から上昇基調が鮮明になった日本株相場は7月に入るとその勢いが加速し、一気に高値まで駆け上がりました。日経平均株価は7月11日に4万2224円と史上最高値をつけ、同じタイミングで東証株価指数(TOPIX)も1989年以来34年ぶりに史上最高値を更新しました。


大きな下落に見えるが、錯覚か

市場が高揚感に沸いたのもつかの間、最高値をつけた翌日から急落が始まりました。7月26日にようやく底が入りましたが、7月11日につけた高値から7月26日の安値まで4500円超も値下がりしました。その間には8日連続安を記録したり、日経平均の1日の値下がり幅が1000円を超える日が2日もあったりと、非常に激しい値下がりを演じました。

7月25日の急落では日経平均は前日比1285円安と2024年最大の下落幅を記録しました。また、それに先立つ7月12日にも1033円安を記録しています。2000年以降で日経平均の下落幅が1000円を超えたのは13回ありますが、7月25日の下げはそのうちワースト3位、12日の下げはワースト10位と、わずか1ヶ月のうちに歴代10位に入る下げ幅を2回も記録したことになります。

これだけ大きな下落を目の当たりにすると、新NISAのスタートを契機に投資を始めたような経験の浅い人は「相場は怖い」と思ってしまうかもしれません。しかし、そこには錯覚があります。確かに下落「幅」は大きいですが下落「率」ではそれほどでもありません。7月25日の日経平均1285円安は下落幅ではワースト3位ですが、下落率は3%程度で2000年以降のワースト100位です。

日経平均が4万円だとすると、1000円の値幅は2.5%に当たります。2000年以降で一日の値幅が2.5%超動いた日は792日あり、それは全体の13%に相当します。この確率を当てはめれば、月に2.6回は2.5%超の値動きがあることになります。

実際に、今週のはじめ、日経平均は大幅に反発しましたが、上げ幅は一時、前日比で1000円を超える場面がありました。1000円を超える下落もあれば、1000円を超える上昇もあります。日経平均4万円時代を迎えた今は、月に2,3回、1000円の値幅で株価が動くことは、珍しいことではないのです。株価の絶対水準が高くなったのだから、値幅が大きく出るのは当たり前のことなのです。経験の浅い人に向けたアドバイスとしては、見た目の振れ幅の大きさに惑わされずに、ぜひ「率」で相場変動を捉えるようにしてほしいと思います。

7月29日の大幅反発は、売られ過ぎが要因?

もうひとつアドバイスがあります。この7月相場をぜひ記憶にとどめておいてほしいのです。なぜなら相場の教科書のような値動きが多く見られた展開だったからです。例えば、日経平均が7月11日に史上初の4万2000円台をつけた時のチャートの形を見てください。大きく上放れて「窓」を空けました。

「窓」とは、相場の急な上げ、または下げにより、前日終値と翌日始値が重ならないでできた空間のことです。翌7月12日には急反落となりましたが、今度は逆に下放れてやはり「窓」を形成しました。7月11日の高値が2つの「窓」空けで取り残された「離れ小島」のようになりました。これは「アイランド・リバーサル」と呼ばれる形で、典型的なピークアウトのシグナルです。

【図1 アイランド・リバーサルが発生した日足チャート拡大図(2024年7月11日前後)】

出所:マネックス証券ウェブサイトより

はたして株式相場はそこから一気に大幅調整を強いられたのはすでに述べた通りです。この「離れ小島」、英語で「アイランド・リバーサル」の意味は、見た目の通り、行き過ぎです。勢いが余って飛び出してしまい、それまでの相場の流れとの連続性が断たれています。言わば、ある種の「幻の値」です。相場でその価格がついたのは事実ですが、実態としては「なかったものとする」というのが「離れ小島」の意味なのです。

さて、その「窓」ですが下落局面でも3つの「窓」が示現しています。

【図2 三空が発生した日足チャート拡大図(2024年7月11日前後)】

出所:マネックス証券ウェブサイトより

「窓」は別名「空」とも言います。酒田五法では、「三空に買いなし、売りなし」と言います。3つも窓が空けば、やはりそれは行き過ぎという意味です。下落局面で示現した3つの窓、すなわち三空は「三空叩き込みに買い向かえ」と言われ、底入れのシグナルです。果たして株式相場は今週の月曜日7月29日に大幅反発しましたが、その背景には三空が示していたように売られ過ぎで自律反発の素地が整っていたということがあったのです。

相場が力強く上昇すれば強気になるのは無理もありません。反対に暴落すると怖くなって弱気になってしまいます。しかし、そんな時こそ反対の心構えを持つようにしたいものです。つまり、大きく上昇した時こそ反落を警戒し、暴落が続いている中でも反騰のチャンスをうかがうのです。急騰・急落というのは相場の行き過ぎを伴っている場合が多く、だからこそトレンドが転換しやすい局面だということもできます。

2024年の7月相場は史上最高値更新からの記録的な急落で、上述のポイントを2つも実体験できたと思います。ぜひこの経験を記憶にとどめ、これからの長いマーケットとの付き合いのなかで有効に活用してほしいと願います。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]

(広木 隆)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください