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ミスドを運営する「ダスキン」は冴えない決算、それでも株価が上昇トレンドを描いている要因とは?

MONEYPLUS / 2024年8月8日 7時30分

ミスドを運営する「ダスキン」は冴えない決算、それでも株価が上昇トレンドを描いている要因とは?

ミスドを運営する「ダスキン」は冴えない決算、それでも株価が上昇トレンドを描いている要因とは?

最近、ドーナツ屋さんで行列ができているのをしばしば見かけます。今さら?と思いますが、SNSなどの影響で、映えるドーナツが人気のようです。

日本のドーナツといえば、だれもがミスタードーナツを思い浮かべるのではないでしょうか? ドーナツ市場でおおむね50%以上のシェアを占めており、2024年3月末時点では、1,017店舗あります。じつは、ミスドの店舗数は、2013年3月期の1,377店舗をピークに、21年3月期には961店舗と、3割以上減少していました。その後、コロナの巣篭もり需要で見直され、22年3月以降は3年連続で増加しています。さらに25年3月期は40店と野心的な出店計画を立てています。


キッチンレス店舗が出店数を伸ばす一因に?

店舗数の増加に寄与しているのは、店舗に厨房をもたない「キッチンレス店舗」の登場です。もともとミスタードーナツは、店舗で揚げたてのドーナツを提供するのが”売り”でしたが、それゆえに店舗展開がむずかしいといった問題がありました。そこで、近隣の大型店舗で調理したドーナツを、温度や湿度を徹底的に管理し、揚げたてと遜色ない味で配送する技術を取得したことで、キッチンレス店舗の運営が可能になりました。

キッチンレス店舗は、調理場が不要なため、出店面積が2割ほど抑えられます。そのため、店舗面積が小さい駅ナカにも出店しやすいというメリットがあります。今までわざわざ店舗に立ち寄ったことがなかったという人も、最寄駅にミスドがあれば、ふらりと寄ってしまいそうです。わたしの家の最寄駅にはありませんが、娘がよく遊びにいく友人宅の最寄駅にはミスドがあり、かならず帰りに買ってきます。あの甘い誘惑には、なかなか逆らえないですね。

余談ですが、情報メディア「SHUFUFU」が発表した2024年上半期「ミスドで好きなドーナツ」ベスト5は、

1位:「ポン・デ・リング」
2位:「エンゼルフレンチ」
3位:「オールドファッション」
4位:「ポン・デ・ダブルショコラ」
5位:「ハニーチュロ」

わたしの好きなドーナツが上位3位を占めており、やっぱりね、と感じています。

1位の「ポン・デ・リング」は、既存のドーナツのイメージを打ち破り、もちもち食感の新しい商品を主力にしたいという想いで開発されたもので、ミスドの人気回復にも大きく貢献しています。

ミスドを運営するダスキンの決算は?

ミスドを運営するのは、清掃用具のレンタルでお馴染みのダスキン(4665)です。創業者が、水を使わずホコリを取る「ダストコントロール」のノウハウを海外で学び、日本に取り入れました。主力の化学ぞうきん「ホームダスキン」は、みんなで繰り返し使う「レンタルシステム」を採用し、当時から環境への配慮を行なっています。その後、アメリカに渡った創業者が、現地の手づくりドーナツのおいしさに感動し、1971年に大阪箕面市に「ミスタードーナツ」1号店をオープン。

ダスキンもミスタードーナツも、いち早く全国に広げるため、当時では画期的だったフランチャイズで展開しました。フランチャイズ方式を採用した理由には、地域の活性化を促すという意図もあるようです。

売上比率は、ダスキンを展開する訪販グループ60%、ミスドを展開するフードグループ33%ですが、営業利益の比率で言えば、フードグループが60%と逆転します。2020年3月期以降、訪販グループの売上は足踏み状態ですが、フードグループの売上は連続で拡大しているため、トータルでは営業利益率の改善が見られます。

今期25年3月期は、売上189,000(百万円)、前年比+5.7%、営業利益14,100(百万円)、前年比+79.3%と大幅増益予想です。順調に進捗しているかどうか、8月6日に発表された第1四半期決算を確認してみましょう。

画像:ダスキン「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

①売上高45,216(百万円)②前年同期比+3.6%、③営業利益1,869(百万円)、④前年同期比△7.5%といまいち冴えない数字です。上期の営業利益予想は5,400(百万円)なので、進捗率は34.6%と心もとない感じがします。決算短信によれば、減益の主な理由は人件費の増加が挙げられています。

フードグループのみをピックアップすれば、売上高は15,017(百万円)、前年比+11.8%と好調ですが、営業利益は人件費や宣伝広告費など費用の増加により1,699(百万円)、前年比△4.5%と少し残念な数字です。ちょうど2023年の6~8月に販売され大好評だった「白いポン・デ・リング」の反動減も影響しているようです。それにしてもスタートダッシュが芳しくないため、上期・通期の予想が達成できるか不安になります。

画像:TradingViewより

当社は、ミスドの店舗数回復に伴って、株価も穏やかに上昇トレンドを描いています。第1四半期決算のイマイチな結果がどの程度株価に影響があるか気になるところ。ただし、ここでしばらく調整して、次の第2四半期で予想値を超える着地となれば、ポジティブサプライズとなり、ふたたび株価に精気が宿ることも考えられます。ここ最近の円高は、内需企業の当社にとっては追い風ですので、気長に次回決算を待ちたいと思います。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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(藤川 里絵)

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