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歴史的暴落をどう乗り切る?日経平均下落の背景と今投資家がやるべきこと

MONEYPLUS / 2024年8月10日 7時30分

歴史的暴落をどう乗り切る?日経平均下落の背景と今投資家がやるべきこと

歴史的暴落をどう乗り切る?日経平均下落の背景と今投資家がやるべきこと

8月5日の日経平均はブラックマンデー超えの急落となり、今週は株式市場の歴史に残る1週間となりました。歴代1位の下げ幅で、週明けからジェットコースターのような相場が続いています。

今回は日経平均暴落の要因と、歴史的な暴落の中で、私たちは投資家としてどのような行動を取ったら良いのかについて考察させていただきます。


日経平均下落の4つの要因

直近の日経平均下落の要因は以下の4つの要因が考えられます。

(1)円高の進行
(2)需給的に売り込まれている
(3)利上げ
(4)アメリカの景気減速(リセッション)への懸念

(1)円高の進行(162円台から141円台の円高に)
日銀による為替介入をきっかけに、日米金利差(特に日本の利上げ前倒しや植田総裁の発言)、円キャリートレードの急速な巻き戻しで円高方向に急速に動いたことが株価下落につながった一因です。ドル円と日経平均のチャートを重ねると7月11日の夜に為替介入にトレンドが変わったことがわかります。

(2)需給的に売り込まれている
そもそも日経平均は3万8000円台から4万2000円台へ急騰していたこと、個人の信用取引が溜まったことで急落の際、狼狽売り、強制ロスカットもあり、投機筋による売り注文も一気に増えて、売りが売りを呼ぶ展開となったと考えられます。

(3)利上げ
日銀金融政策決定会合で日銀は31日に政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを決定。国債買入額は現在の月6兆円から26年1〜3月までに月3兆円程度へ減額したことに加え、植田総裁の記者会見ではさらなる利上げを否定しませんでした。追加利上げにしろ発言にしろ、タカ派的な姿勢を示したと言えます。
利上げを次回9月の日銀金融政策決定会合から前倒したのは自民党の総裁選と時期をずらす為という可能性も。

(4)アメリカの景気減速(リセッション)への懸念
FOMC(連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備理事会)は政策金利を8会合連続で5.25〜5.5%に据え置きました。パウエルFRB議長の発言では、早ければ次回の9月会合で利下げを行う可能性あると言明、雇用への懸念も発言もしています。

そんななか7月雇用統計では非農業部門雇用者数が予想17.5万人に対して結果は11.4万人増(前回20.6万人増)、失業率が予想4.1%に対して結果は4.3%(前回4.1%)となっており、直近3カ月間の平均失業率が過去1年の最低値を0.5ポイント上回ると景気後退が始まった可能性が高いという「サーム・ルール」でリセッション判定値に到達しました。

リセッション懸念の高まりからソフトランニングできないのではないかという警戒感があり、雇用統計の悪化で今回のFOMCで利下げすべきだったという意見も出ています。

暴落時ほど「ルールどおりに」

では、このタイミングで、投資家はどうすればいいのでしょうか。

特に新NISAから投資を始めた方は初めての暴落の遭遇にメンタルがもたず、撤退してしまったと言う話も多く聞きます。

まず長期であればリスク分散の徹底や定期的なリバランス、投資戦略を定期的に見直すことが大切です(市場も自分も変化するため)。

また、暴落のときほどルール通りに動くことが大切です。ルールとは、自分の投資戦略のことです。以下の点について、スタンスを明確にしましょう。

・配当狙いor売買益狙い
・長期or短期
・どのくらいの利回りを狙うのか
・どのくらい現金を手元に残すか(キャッシュポジション)

長期なら買い時

新NISAでオルカンやS&P500などインデックス投資で長期的に積み立てているなら、長期で見ればインフレ、人口増などから緩やかに上昇していく可能性が高いとみてドルコスト平均法で投資をしているはずです。ドルコスト平均法は価格が変動する投資商品に対して一定期間ごとに一定金額分ずつ購入していく訳ですから、下落している際は、むしろ購入単価を下げるチャンスです。仮に下落が続いたとしても途中で手放したり損切りすべきではないといえます。

もし下落でパニックになるようであれば、ご自身が投資する商品に対しての理解や、ルールの把握などが甘い可能性があるので、調べ直したり、戦略を立て直す方がいいと思います。また積立額が合っていない可能性があるので投資金額を見直してみるのも良いと思います。

加えて暴落はバーゲンセールであるとも考えられます。

普段から欲しい銘柄や商品を物色しておく癖を付けておくと、焦らずに暴落のタイミングで安く購入でき、長期的に大きなリターンとなって返ってくる可能性はおおいにあるでしょう。

個人的には少しずつ目をつけていた銘柄、金やREITを購入しています。ただ、今後相場がどう動いていくのか、まだ読めない部分がありますので、あくまで時間も分散して焦らずに購入していくイメージです。

ポートフォリオの見直しタイミングととらえる

いずれにせよ、今回の暴落で焦ってしまった方は、戦略やポートフォリオの見直しの良いタイミングと捉えてみてはいかがでしょうか。

投資する目的への道のりを見える化し、投資戦略、ルールを明確化し、ポートフォリオ最適化のチャンスと捉えて理想のポートフォリオを考えてみるのも良いと思います。

何よりも暴落の際は落ち着いて行動することが1番です。慌てて売ることもそうですが、準備もせずに、安くなったから慌てて買い戻すのも危険です。今回の暴落がこれで終わったとは限りません。

日銀の内田眞一副総裁が7日午前の金融経済懇談会で、「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べて、追加の利上げに慎重な姿勢を示した(植田総裁の発言の火消しになり安心感が出た)ことで円キャリートレードの急激な巻き戻しが一服するなど、外国為替市場でドル円は急反発しました。ですがそもそも上田総裁の日銀金融政策決定会合後の記者会見でのタカ派の発言で相場が大きく動いたことを考えても、要人の発言にかなり神経質になっているといえますし、今後もそのような発言がないとは言えません。加えて、来週日本市場はお盆休みとなり、流動性が低下するので、海外勢からそのタイミングを狙われて1段安となる可能性もあるかもしれません。

さらなる不安要素も

米市場では9月利下げは決定的となっており、0.5%の利下げとなる可能性も示唆されています。また次の雇用統計は失業率がさらに悪化するなどリセッションを示す経済指標が濃厚となれば米国でもさらなる株安の可能性もあります。

イスラム組織ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ氏が先月末にイランの首都テヘランで殺害されたと発表されるなど、地政学リスクも高まっています。

日本市場では相場は大きく動いているものの、下落に一服感が出て安心している人もいるかもしれませんし、大きな動きに麻痺してしまっている人もいるかもしれませんが、様々な可能性を考えて対処できるようにしておくことが大切だと考えます。
 
今回の暴落を教訓に、投資家としての知識を深め、次のチャンスに向けた準備をしっかりと行いましょう。リスクを恐れず、冷静かつ計画的な投資行動を続けることで、長期的な資産形成の道を切り開いていくことができるでしょう。

このような相場の動きが大きな際にしっかりと考えて対処していくことが、投資家としての大きな経験にもなっていくと考えます。最後までお読みくださりありがとうございました。この記事があなたの投資の参考に少しでもなっていれば幸いです。

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(三井 智映子)

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