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アシックスとミズノの株価は半年で約2倍に…その他スポーツブランド3社と差が広がる

MONEYPLUS / 2024年8月15日 7時30分

アシックスとミズノの株価は半年で約2倍に…その他スポーツブランド3社と差が広がる

アシックスとミズノの株価は半年で約2倍に…その他スポーツブランド3社と差が広がる

この連載記事でも、登場回数の多いスポーツ関連銘柄、前回は、ちょうど半年前にスポーツブランド5社(アシックス、ゴールドウイン、デサント、ヨネックス、ミズノ)の明暗について言及しました。2024年2月時点では、アシックスとミズノが圧勝。ほか3ブランドの株価は低迷していました。その明暗を分けたのが、ちょうど8月、そうです。まさに1年前の今時期発表の決算で、各ブランドの株価の方向性が示されました。

参考記事:アシックスとミズノが圧倒…スポーツブランド5社の明暗を分けた、投資家が注目したポイントとは?


“勝ち組”2社の決算は?

この夏は、パリオリンピックもありましたし、投資家のスポーツメーカーに対する関心度はそれなりに高かったように思います。その後の各社の株価動向は以下の通りです。

画像:TradingViewより

こうしてみると、半年前についていた明暗が、より鮮明になり、その差はますます開いています。勝ち組のアシックスとミズノは、競うように株価が上昇しており、直近の大暴落からの戻しにも勢いを感じます。この半年で2社の株価は約2倍上がっていますので、株式投資においては強いものについていく戦略が優位なことが分かります。

直近の2社の決算を確認しましょう。

まずは、時価総額でもダントツ1位(1兆7,456億円)のアシックス。パリオリンピックでは、日本チームのウェア・シューズなどを提供し、まさにスポーツブランドの王者。

画像:アシックス「2024年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

2024年8月13日に発表された2024年12月期第2四半期決算は、①売上高342,199(百万円)②前年同期比+18.0%、③営業利益58,996(百万円)、④前年同期比+75.5%。素晴らしい数字です。とはいえ、優等生ゆえに、それほどサプライズでもないのが悲しいところ。

じつは1ヶ月前の7月12日に、すでに通期予想を上方修正しています。営業利益でいえば、当初5月10日に発表した予想値58,000(百万円)から、95,000(百万円)と63.8%もの増額でかなりのインパクトがありました。たまたまその前日に、原宿のオニツカタイガーを覗いてみたところ、インバウンド客でごった返していました。アシックスは、本気のスポーツ用品と、オシャレスポーツ用品の両方で大人気となっており、足元は盤石です。

画像:美津濃「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

1位のアシックスにかなり肉薄しているミズノ。8月9日に発表された2025年3月期第1四半期決算は、①売上高60,783(百万円)②前年同期比+6.3%、③営業利益6,498(百万円)、④前年同期比+21.6%。営業利益の通期予想に対する進捗率は、34.2%と極めて好調。直近四半期の売上高営業利益率は約10.7%と前四半期の5.7%から急改善しています。

ミズノの強みは、幅広くいろんな競技をカバーしていることで、コロナ以降、世界中で満遍なくスポーツ意欲が高まっていることが追い風となっています。加えて、じつは非スポーツ分野であるワークカテゴリー(企業制服など)が急成長中。前年同期比では売上が24.3%増益しています。

株価は、2022年からずっと右肩上がりなので、さすがに上値余地はあまりないかと思いがちですが、PERは13倍とアシックスの28倍と比べると、俄然低く、まだまだイケるんじゃないかと期待してしまいます。

ほか3社の決算は?

負け組3社の中でも、じつは直近の上昇率でみれば勝ち組2社とも張り合っているのがヨネックスです。

画像:ヨネックス「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

8月9日に発表された2025年3月期第1四半期決算は、①売上高31,067(百万円)②前年同期比+11.0%、③営業利益3,319(百万円)、④前年同期比+19.6%と、二桁の増収増益着地です。ヨネックスといえば、バドミントンですが、裾野が広い中国での売上が伸びていることが業績に寄与しています。今回の暴落でもほか企業に比べて下げ率が小さく、株主のホールド力が高いことが分かります。

株価競争からいち抜けしたのは、デサントです。8月5日に伊藤忠子会社であるBSインベストメントが、デサントに対し株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表しています。TOBが実施されれば、上場廃止となりますので、外野からの圧力を受けず、マイペースで事業を運営していくことになります。

セクター環境が引き続きよい中で、なかなか浮上できずもがいているのがゴールドウインです。2022年には1年間で株価が2倍以上に上昇し、株式市場でもホットな銘柄だったのに、2023年6月の高値13,735円からずるずる下げ続け、8/5の暴落デーには7,785円の安値をつけています。

画像:ゴールドウィン「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

8月6日に発表された2025年3月期第1四半期決算は、①売上高24,601(百万円)②前年同期比+6.3%、③営業利益1,839(百万円)、④前年同期比△18.8%と、減益着地となっています。ゴールドウインのエースは、アウトドアブランドの「THE NORTH FACE」で、こちらは引き続き人気ですが、原材料高や円安進行が利益を圧縮しているとのこと。とはいえ、それらの外部環境は、ほかブランドも同じですから、企業努力が足りないのかもと厳しい目で見てしまいます。

以前も言及しましたが、投資家は利益率の変化に敏感に反応します。ゴールドウインは、直近の四半期決算で営業利益率が7.5%と、前四半期から7ポイントも悪化しています。利益率が改善しない限りは、株価浮上も見込めないかもしれません。

個人的には、業績の伸びの割には、PERで割安感を感じるミズノにベットしたいところですが、また半年先にどうなっているか、これらスポーツブランドの動向をチェックしたいと思います。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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(藤川 里絵)

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