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中古物件のリフォームでも住宅ローンが使える? メリットが大きい「リフォーム一体型住宅ローン」の注意点とは

MONEYPLUS / 2024年8月22日 7時30分

中古物件のリフォームでも住宅ローンが使える? メリットが大きい「リフォーム一体型住宅ローン」の注意点とは

中古物件のリフォームでも住宅ローンが使える? メリットが大きい「リフォーム一体型住宅ローン」の注意点とは

日本の住宅市場では新築住宅が好まれてきましたが、近年、その傾向に変化が見られます。不動産価格の上昇や空き家問題などを受け、中古住宅を購入してリフォームをする人が増えています。さらに、モノを大切にする意識の高まりやSDGs(持続可能な開発目標)の普及により、既存の建物を有効利用することで、資源の無駄遣いを減らし、環境負荷を軽減する考え方も広まりつつあります。

では中古住宅のリフォームにも住宅ローンは利用できるのでしょうか? 本記事では「リフォーム一体型住宅ローン」についてご紹介します。マイホーム購入を考えている方はぜひ「リフォーム一体型住宅ローン」を使った中古物件のリフォームも選択肢として加えていただけたらと思います。


中古住宅のリフォームが増えている理由

2022年のフラット35利用者調査によると、中古住宅の利用率は2012年の12.6%から10年で24.1%まで上昇しています。それに伴い、リフォーム市場も拡大しつつあります。その理由はいくつか考えられます。

1.コスト削減:新築住宅に比べて価格が安い
2.立地の良さ:新築物件に比べて駅近や便利な場所に多い
3.カスタマイズ性:新築物件よりも物件を安く買えるため、リフォームで好みの空間を作りやすくなる
4.補助金制度や減税制度の整備:国を挙げて中古住宅の推進を進めている
5.環境への配慮:既存の建物を活用するので、環境にやさしい
6.SNSの活用:SNSが普及したことにより、以前よりもリフォームに関する情報が得やすくなっている

中古住宅を選択することが、経済合理性の高い判断というだけではなく、環境や社会に対する前向きな行動としても捉えられるようになってきています。その結果、中古住宅に対する抵抗感が薄れ、むしろポジティブな選択肢として認識されるようになってきているのです。

一方で、中古物件は築年数が経っているため、新築物件よりもメンテナンス費用が多くかかったり、購入時にわからなかった欠陥が後々出てきたりする可能性もあります。そのため購入時には専門家による住宅診断(ホームインスペクション)など、事前に物件の状態を把握しておくことも大切です。

住宅購入費用とリフォーム費用をあわせてローンが組める「リフォーム一体型住宅ローン」

中古物件を購入してリフォームをする場合、住宅はもちろんリフォームにも大きな資金が必要になる場合があります。その際に利用できるのがリフォーム一体型住宅ローンです。住宅購入費用と一緒にリフォーム費用もローンを組むことができるため、住宅ローン同様に借入金利が安く、また返済期間を長期に設定することができるのが特徴です。

リフォーム一体型住宅ローンと通常のリフォームローンを具体的に比較してみましょう。

出典:比較表はみずほ銀行のローンの条件を元に筆者が作成

通常のリフォームローンに比べて、金利が低く、借入金額の上限が高く設定されています。また、借入期間も長いので月々の返済負担を抑えることが可能になります。例えば500万円でリフォームをした場合の比較は以下の通りです。

計算の都合上金利が変わらない前提で例を出しています。金利変動が生じた場合は、返済額や総返済額に影響が出る可能性があります。

このようにリフォーム一体型住宅ローンは、月々の返済額及び金利負担を大きく軽減させることができます。そのため、理想の住まいを追求すべく、リフォームにより予算を割くことができる可能性があります。また、住宅ローンに組み込むことで住宅ローン控除の対象となるため通常のリフォームローンよりもメリットが大きいことがわかります。

リフォーム一体型住宅ローンを利用する上での注意点

メリットが大きいリフォーム一体型住宅ローンですが、利用する上ではいくつかの注意点があります。

1.計画の重要性:住宅ローンの審査段階でリフォームの概要と見積りの提出が必要になるので、事前の計画が大切です。
2.時間的制約:リフォーム内容が確定しないとローンを組めないため、売主の方に待っていただいたり、リフォーム内容の確定を急いだりする必要があります。
3.金融機関の選定:すべての金融機関がリフォーム一体型住宅ローンを扱っているわけではないため、取り扱っている金融機関を探す必要があります。

実際にリフォーム一体型住宅ローンを利用されたご家族が筆者の元にも来られました。そのご家族もリフォームプランがなかなか確定せず、予定よりもローンまでの手続きに時間がかかってしまったそうです。物件購入とリフォームの間、期間が空いてしまう場合は自己資金を活用してリフォームをするか、前述した通常のリフォームローンを利用することになるので留意しましょう。

リフォーム一体型住宅ローンは事前のリフォーム計画が肝

リフォーム一体型住宅ローンを上手に利用するには、スピード感が重要となります。以下の流れで進めていきましょう。

1.物件探しと同時にリフォームのイメージを固める
2.物件が見つかってからではなく、早めにリフォーム業者を探し、相談をする
3.事前にリフォーム一体型住宅を取り扱っている金融機関を探し、決済までの流れを確認しておく(特にネット銀行の場合は想定よりも長く手続きがかかる場合があります)

中には、リフォーム業者が物件の仲介や金融機関の紹介もしているケースもあります。そういった業者を利用すれば、物件探しからリフォーム、ローン相談まで一貫してサポートを受けることも可能です。

理想の住まいづくりにリフォーム一体型住宅ローンの活用を

リフォーム一体型住宅ローンは、物件探しとリフォーム計画を並行して進める必要があるため、計画性とスピードが求められます。しかし、うまく活用できれば、理想の住まいづくりに近づけるための強力なツールになり得ます。マイホームを検討している方は新築住宅にこだわらず、中古物件のリフォームも選択肢として加えてみてはいかがでしょうか。不安なことがあれば、ファイナンシャルプランナーや不動産の専門家に相談し、自分らしい暮らしの実現を目指していきましょう。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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(内田優帆)

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