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円安でも外国債券に投資をしてもいい? 購入する際の考え方と注意点

MONEYPLUS / 2024年9月5日 11時30分

円安でも外国債券に投資をしてもいい? 購入する際の考え方と注意点

円安でも外国債券に投資をしてもいい? 購入する際の考え方と注意点

近年の円安は、私たちの日常生活に大きな影響を与えています。物価上昇による生活費の圧迫や、海外旅行の費用増加など、多くの人がその影響を実感しているのではないでしょうか。

この状況は投資の世界にも大きな変化をもたらしています。特に注目されているのが、外国債券(外債)への投資です。NISAを活用した投資が一般的になるなか、米ドル債券などの外債を保有したいと考える投資家が増えています。

その背景には、通貨分散によるリスク軽減や、日本よりも魅力的な海外の金利水準があります。しかし、一時1ドル160円を超えるなど、歴史的な円安水準にある今、本当に外債を購入しても大丈夫なのでしょうか? この記事では、円安下での外債投資の考え方や注意点について、わかりやすく解説していきます。


投資家の間で支持を得ている外国債券

外債とは主に外貨建ての国債や社債のことを言います。金利と満期があらかじめ決まっている債券は、安定的な投資を好む投資家から非常に人気の高い投資先です。また日本では長年にわたり低金利が続いていますが、海外では比較的高い金利水準の債券が多く存在します。そのため、外債投資はより高いリターンを求める投資家から支持を得ています。

以前は、債券は富裕層向けの金融商品で、投資するにあたりまとまった金額が必要でした。しかし、ネット証券などの普及により、最小単位なら数万円程度と、少額で購入できるようになりました。そのため外債投資の認知度も上がり、関心を持つ投資家が増えてきています。

外国債券のメリット・デメリット

外債のメリットは何よりも魅力的な金利で運用できることです。例えば、現在の日本の10年国債利回りは1%前後であるのに対し、アメリカの10年国債利回りは4%前後もあります。外債を保有することで、日本に比べて高い利回りでの運用が可能になります。また、外債は日本円以外の通貨での運用になるため、通貨を分散して運用することができます。例えば、日本円、米ドル、ユーロなど、複数の通貨建ての債券を保有することで、リスクを軽減させることができます。

一方、デメリットの一つは為替リスクがあることです。債券は比較的安定的な運用なので、満期まで保有すればその通貨では損をすることはありません。しかし日本円でいくらになるかは、その時の為替次第になります。例えば、為替レートが1ドル150円の時に買った外債を120円の時に売却すると、為替の面では損(為替差損)が発生してしまいます。その他にも投資先の国の情勢などに起因するカントリーリスクや、途中売却時に希望した金額で売れない流動性リスクなどが外債のデメリットになります。

これらのメリットとデメリットを理解した上で、投資判断を行うことが重要です。特に、現在のような円安環境下では、為替リスクに注意を払う必要があります。

為替と金利の二重取りはなかなかない?

次に、為替と金利の関係について考えてみましょう。円安になる要因は様々ありますが、その中でも大きな要因の一つが金利差です。これまで日本は長らく低金利政策を、アメリカは利上げを行ってきました。すると金利が低い日本よりも金利が高いアメリカのほうが投資対象として魅力的なため、円を売ってドルを買う動きが活発になり、円安ドル高が進行してきました。

以下は、過去10年の為替とアメリカ10年債券の利回りとの関係をグラフにしたものです。

過去10年分のデータをもとに筆者がグラフ作成

グラフから見てわかるように、金利と為替は相関しているということができます。つまり、円高ドル安かつ金利が高いタイミングで外債を買えることは滅多にありません。

円安下で外国債券に投資をする際は「時間」を味方につける

では、現在のように金利は高いけど円安のときはどのように考えれば良いのでしょうか?それは長期的な視点を持つことです。高い金利をできるだけ長期間固定することで、年々為替の損益分岐点は下がっていきます。

具体的な例を見てみましょう。例えば、1ドル150円で4%の10年国債を購入したとします。10年間保有すると、金利収入だけで元本の40%を得ることができます。この場合、10年後に為替が1ドル110円程度になっていても、為替差損と金利収入が相殺され、元本割れを避けられる計算になります。

さらに、外債を保有している期間中に得られる金利収入を再投資することで、複利効果も期待できます。時間を味方につけると、円安下で外債を買ったとしても安定したリターンを得られる可能性が高まります。円安下で外国債券に投資をする際は長期保有を前提としていただくといいでしょう。

円安でも円高でも投資し続ける

先日利上げを発表した日本と今後利下げが予想されているアメリカの状況を考えると、近い将来、多少円高に進む可能性もあります。外債投資をするなかで、円高はマイナス要因になります。ただし、円高になると相対的に日本円の価値は上がります。この点を踏まえると、一番の円高対策は日本円を稼ぐことです。日本円を稼ぐことで、外債投資における円高のデメリットを最小限に抑えつつ、新たな投資の機会に備えることができます。

大切なのは、日々の為替レートの変動に一喜一憂するのではなく、自身の収入を安定させ、適切なリスクをとって投資を続けることです。この時に、ぜひ意識していただきたいのが資産の分散、通貨の分散、タイミングの分散です。分散することでリスクを抑えながら投資を継続できる可能性が高まります。

円安時に外債を購入するときに押さえておきたい3つのポイント

ここまで円安時に外債を購入する際の考え方と注意点について、詳しく解説してきました。外債投資には、高金利や通貨の分散といったメリットがある一方で、為替リスクやカントリーリスクなどのデメリットも存在します。今のような円安時には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

・為替と金利の関係性を理解する
・長期的な視点で投資を行う
・分散投資を心がける

円安と言われている現在の水準が、将来的にも円安の水準だとは限りません。どのような為替環境になっても対応できるように、バランスの取れた投資を心がけて、長期的な視点で資産形成を行っていきましょう。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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(内田優帆)

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