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長期投資で「損をする人」の行動パターン9選を金融アナリストが解説

MONEYPLUS / 2024年9月7日 7時30分

長期投資で「損をする人」の行動パターン9選を金融アナリストが解説

長期投資で「損をする人」の行動パターン9選を金融アナリストが解説

長期投資は資産形成において非常に有効な戦略ですが、それには一定の忍耐と自律が求められます。しかし、多くの投資家が感情や短期的な市場の変動に振り回され、長期的な成功を阻害する行動をとってしまうことがあります。ここでは、長期投資家がやってはいけないことをお伝えします。


【1】感情に振り回されること

市場の下落時に恐怖に駆られて売却し、逆に市場が上昇しているときに興奮して買い増しを行うことは、典型的な失敗パターンです。感情に左右されることは、投資家が犯しやすい最大の過ちの一つです。感情に基づいた投資は、往々にして高値で買い、安値で売る結果を招きます。8月の大きな下落でもこのような行動が多くみられましたが、長期投資の成功は、感情をコントロールし、計画に従うことにかかっています。

【2】市場タイミングを狙うこと

市場タイミングを狙うことは、実は多くの投資家が犯しがちな誤りの一つです。市場が高値だと感じると売り、低値だと感じると買うという戦略を成功させるのは非常に困難です。さらに、市場タイミングを狙うことは、頻繁な売買を招き、取引コストの増加や税負担の増加を引き起こします。また、「利益は早めに確定する」という考え方は長期投資においては逆効果になることもあります。優良な銘柄であれば、長期にわたって保有することで、複利効果が働き、大きなリターンを得ることができます。市場の動きを正確に予測することはプロでも難しいものです。

【3】短期的な情報に振り回されること

今日のデジタル社会では、投資に関する情報があふれていますが、その多くは短期的なものです。これに振り回されて、長期的な投資計画を変更してしまうことは、避けるべきです。市場は短期的には変動しますが、長期的には成長する傾向があります。

短期的なニュースや専門家の意見に過度に反応することは、長期投資の本質から外れる行動です。長期的な視点を持ち、自分の投資計画に忠実であることが、成功への道です。長期投資家にとって、短期的な市場の「ノイズ」を無視することは非常に重要です。日々の株価の上下や経済ニュース、政治的な出来事は一見重要に見えますが、長期的な投資においてはそれらの多くは無視しても問題ありません。短期的な動きに反応して売買を繰り返すと、取引コストがかさみ、最終的にはリターンが削られる可能性があります。

市場の短期的な変動は、長期的なトレンドに対してほとんど意味がありません。むしろ、株価が下落しているときにこそ追加投資をすることで、長期的には大きなリターンを得られる可能性が高まります。市場タイミングを狙うよりも、長期的に上昇していく市場であればドルコスト平均法の考え方で継続的な投資を行うことが、長期的な成功への鍵です。

【4】過度な期待を持つこと

投資においては、過度な期待を持つことも避けるべきです。特に、短期間での高リターンを期待しすぎると、リスクの高い投資に手を出したり、計画を変更したりする原因となります。長期投資は一攫千金を狙うものではなく、時間をかけて資産を増やす堅実な方法です。現実的な期待を持ち、マーケットの長期的な成長を信じて堅実に投資を続けることが、最終的に大きなリターンをもたらします。市場の平均リターンを見込んだ計画を立て、それに基づいて投資することが、長期的な成功を支える基盤となります。

【5】銘柄や商品を十分に調べずに投資すること

投資において最も重要なことの一つは、投資先の銘柄や商品について十分に調査することです。これを怠ると、リスクの高い商品にうっかり投資してしまったり、自分の投資目標に合わない資産を選んでしまったりする可能性があります。

投資先を選ぶ際には、その企業の業績、ビジネスモデル、競争環境、経営陣の質、そして市場の見通しなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。さらに、投資信託やETFなどの商品についても、その運用方針やリスクなどを理解することが重要です。また低コストの投資信託やETFを選ぶ、頻繁な売買を避けるといったコスト管理の意識を持つことが、長期投資において非常に重要です。

しっかりと調査を行うことで、自分のリスク許容度や投資目標に合った投資先を選ぶことができ、長期的なリターンを最大化することが可能になります。また、十分な情報に基づいた投資を行うことで、マーケットの変動や一時的な下落に対しても冷静に対処できるようになります。

【6】リスク管理を怠ること

長期投資家であっても、リスク管理は怠ってはいけません。投資は常にリスクとリターンのバランスを取る行為です。リスクを無視した投資は、ポートフォリオ全体に重大な損失を与える可能性があります。具体的には、個別銘柄に過度に依存することや、レバレッジを使用することは、リスク管理の観点からは避けるべきです。

【7】分散しすぎること

逆にあまりにも多くの銘柄に分散しすぎると、各銘柄のパフォーマンスをしっかりと追跡することが難しくなります。分散しすぎると、ポートフォリオ全体のパフォーマンスが市場平均に近づく傾向があります。これは、個別の銘柄やセクターの動向が全体のリターンに与える影響が薄れるためです。また優良な銘柄に投資しても、その銘柄がポートフォリオに占める割合が非常に小さい場合、たとえその銘柄が大きなリターンを上げたとしても、ポートフォリオ全体への影響は限定的です。

分散しているつもりで意味のないポートフォリオになっている場合も。例えば、オールカントリー(オルカン)とS&P500を半分ずつ持つと、アメリカが8割のポートフォリオを組んだだけになります。オルカンは先進国が約9割のうち、米国だけで約6割を占めているため、米国の500企業に投資するS&P500を加えても、さらに米国株の割合が増えるだけになるためです。

【8】ポートフォリオの定期的な見直しを怠ること

長期投資だからといって、ポートフォリオを全く見直さないというのは危険です。市場や経済状況の変化、また長期だとライフスタイルや価値観が変わる可能性もあります。そのためポートフォリオを定期的に見直し、リバランスを行うことが重要です。リバランスの目的は、リスクを適切に管理し、投資目標に沿ったポートフォリオを維持することです。長期間にわたって放置した場合、意図しないリスクを抱えることになる可能性があります。四半期、半年、年に1回でも定期的な見直しを通じて、リスク管理と目標達成を確実に行うことが、長期投資の成功を支えます。

【9】自己学習を怠ること

長期投資で成功するためには分散投資をして年に何回かリバランスをしながら放置をするというのも一つの手ではあります。ただせっかく投資をするなら継続的な学習をすると投資家としてレベルアップができます。市場や経済環境は常に変化しており、それに応じた知識をアップデートすることが必要です。「長期投資だから」といって、時代や市場の変化に全く対応しないのも問題です。例えば、テクノロジーの進化や規制の変化、新興国の成長など、長期的に無視できない要素があります。これらの変化に全く対応しない姿勢は、結果としてポートフォリオのパフォーマンスを低下させる可能性があります。


長期投資で成功するためには、冷静かつ計画的なアプローチが不可欠です。負けやすい投資家が陥りがちな「やってはいけないこと」を避けることで、長期的なリターンを安定して得ることができます。

特に、投資先の調査を怠ることなく、常に十分な情報に基づいて投資判断を下すことが重要です。感情に流されず、、市場のノイズを無視して長期的な視点で投資を続けることで、安定した資産形成が可能になるでしょう。この記事が少しでも皆様の参考になれば幸いです。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward] ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

(三井 智映子)

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