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新NISAはオルカン1本?それとも投資信託を複数保有?どちらを選ぶべきか金融アナリストが解説

MONEYPLUS / 2024年9月14日 7時30分

新NISAはオルカン1本?それとも投資信託を複数保有?どちらを選ぶべきか金融アナリストが解説

新NISAはオルカン1本?それとも投資信託を複数保有?どちらを選ぶべきか金融アナリストが解説

新NISAではオルカン(オールカントリー) に投資している方も多いと思います。そこでよくいただくご質問が「オルカン1本に絞るべきか、それとも定額でいくつかの投資信託に分散するべきか」というものです。そこで、1本に絞ったほうがいい方と分散したほうがいい方の特徴について解説していきます。


「絞る」メリット

まずNISAで保持する投資信託を絞ることのメリットについて説明します。

  1. 管理が簡単になる
    投資信託を少数に絞ることで、ポートフォリオの管理が簡単になります。少ない数の投資信託に集中することで、それぞれのパフォーマンスを詳細に追跡しやすくなり、必要なときにリバランスを行いやすくなります。特に初心者の場合、複数の投資信託を管理するのは手間がかかるため、最初はシンプルなポートフォリオから始めるのが良いかもしれません。

  2. 投資効果の最大化
    投資信託を絞ることで、選んだ投資信託のパフォーマンスが良ければ、その利益を最大化できます。特に、成長性が高い投資信託に集中投資することで、投資額に対して高いリターンを得られる可能性があります。

  3. コストの抑制
    少数の投資信託に絞ることで、信託報酬などのコストを抑えることができる、またコストを把握しやすくなります。投資信託は通常、保有期間中に信託報酬がかかるため、保有すればするほどコストがかさんでいきます。信託報酬が低く、運用効率の高い投資信託に絞ることで、コストを抑えつつリターンを狙うことができます。

「分散」のメリット

次に、NISAで複数の投資信託に分散投資することのメリットについて説明します。

  1. リスクの分散
    投資の基本はリスク分散です。複数の投資信託に分散投資することで、特定の投資信託が値下がりした場合でも、他の投資信託がその損失を補う可能性があります。異なる地域や業種に投資することで、リスクを分散し、ポートフォリオ全体の安定性を高めることができます。ただ、オールカントリーなど、最初から分散されている投資信託もありますので、似たような傾向の商品を複数保有していてもあまり分散の意味はなく、むしろコストがかかってしまうので注意です。

  2. 異なる投資戦略へのアクセス
    分散投資をすることで、異なる投資戦略にアクセスできるようになります。例えば、成長株に投資する投資信託と、債券や高配当株に投資する投資信託、金などのコモディティに投資する投資信託を組み合わせることで、さまざまな市場環境に対応できるポートフォリオを構築することができます。これにより、市場全体が不安定な時期でも、一定のリターンを狙うことが可能です。

  3. 新興市場やテーマ型投資信託の組み入れ
    複数の投資信託を持つことで、新興市場や特定のテーマに焦点を当てた投資信託もポートフォリオに組み込むことができます。例えば、環境技術やAIなどの成長分野に投資する投資信託と、安定した大型株に投資する投資信託を組み合わせることで、将来的な成長を期待しつつ、リスクを分散することができます。

  4. 機会損失の回避
    市場は常に変動しています。一つの投資信託に集中しすぎると、他の有望な投資機会を逃してしまう可能性があります。複数の投資信託に分散することで、異なる市場のチャンスを捉え、機会損失を最小限に抑えることができます。

ここからは、より具体的にオルカン1本と、オルカンにほかの投資信託を加える場合を見ていきます。

オルカン1本にする場合のメリット

この商品は、特定の国や地域のリスクに左右されにくいという大きなメリットがあります。

【分散効果の最大化】
「オルカン」は、全世界の株式市場に広く分散投資する投資信託なので、地域や国ごとのリスクが軽減されます。特定の地域やセクターのパフォーマンスが悪くても、他の地域やセクターがそれをカバーしてくれる可能性が高いです。

【手間がかからない】
複数の投資信託を管理する手間がかからず、リバランスや再投資の手間も省けます。

【長期的な安定性】
一部の市場の不調が全体に大きく影響を及ぼすことが少なく、長期的に安定したリターンが期待できます。

【オルカン1本が向いている方】
◆マメさに自信がない方、投資歴が浅い方。また、投資に時間をかけられない方にはオルカン1本がおすすめです。

◆安定したリターンを求める人。全世界に分散されているため、極端に高いリターンは期待できないものの、リスクが軽減されているので安定したリターンを求める人には最適です。

オルカンと他の投資信託を併せ持つメリット

オルカン1本での投資は安定感がありますが、もう少しリスクを取ってリターンを狙いたい、または特定のセクターや地域に興味がある方は、他の投資信託を併せ持つという選択肢も考えられます。

【パフォーマンス向上の可能性】
例えば、全世界株式に加えて、新興国株式や特定のセクター(テクノロジー、ヘルスケアなど)に集中した投資信託を持つことで、より高いリターンを狙うことができます。新興国市場は成長性が高い一方でリスクも大きいので、オルカンと併せることでリスクを分散しつつ、リターンの向上を目指せます。

【カスタマイズ性】
オルカンは全世界株式に均等に投資していますが、投資家の好みによって特定の地域やセクターに重点を置くことも可能です。例えば、成長性の高い米企業に注力するためにナスダック100を組入れたり、これから人口ボーナスが来るインドやグローバルサウスを入れたり、高利回り型の投資信託を組み入れるなどが考えられます。

【分散型が向いている方】
◆より高いリターンを狙いたい方。リスクを取ってでも、パフォーマンスを向上させたい投資家には、複数の投資信託を持つことで、特定の市場やセクターの成長を狙うことができます。

◆市場やセクターに興味がある方。特定の市場やセクターに魅力を感じている投資家は、オルカンに加えてナスダック100、さらにはテクノロジーや新興国関連の投資信託を追加することで、より個別の投資テーマに沿ったポートフォリオを構築できます。

ただし、注意することも。

投資信託を複数持つ時に注意すること

分散投資の理論では、ポートフォリオ内の資産の分散がリスクを軽減することが知られていますが、過剰な分散は逆に管理が複雑になり、期待されるリターンも薄まってしまう可能性があります。一般的には、投資信託を3〜5本程度に絞るのが適正だとされています。

3〜5本の投資信託であれば、定期的なチェックやリバランスが比較的簡単で、資産全体の動向も把握しやすくなりますし、過剰にリスクを抱えることなく、特定の市場やセクターにリターンを狙いつつも全体としてバランスの取れたポートフォリオを維持できるといわれます。ただあくまで一般的にですので、少しずつ増やしてご自身が納得する、満足できるポートフォリオを目指すのが良いでしょう。

最後にNISAでの投資信託の選び方は投資目標やライフスタイルに大きく依存します。初心者の方は、最初は少数の信託に絞り、投資に慣れてきたら分散投資を考えるというアプローチも有効です。どちらの方法も、それぞれのメリットとデメリットがありますので、自分の投資スタイルに合わせて最適な戦略を選んでください。

長期的に資産を増やしていくためには、自分に合った方法で投資を続けることが重要です。NISAを上手に活用して、効率的な資産形成を目指しましょう。この記事があなたの投資の参考に少しでもなっていれば幸いです。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward] ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

(三井 智映子)

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