1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

9月末にはソフトバンクや三井住友フィナンシャルGも…なぜ?株式分割を行う企業が増加中 

MONEYPLUS / 2024年9月16日 7時30分

9月末にはソフトバンクや三井住友フィナンシャルGも…なぜ?株式分割を行う企業が増加中 

9月末にはソフトバンクや三井住友フィナンシャルGも…なぜ?株式分割を行う企業が増加中 

今回は最近、株式分割を行う企業が増えている事についてお伝えしたいと思います。昨年、株式分割を行った企業は150社以上に上ります。株式分割とは、既に発行済の株式(1単元)を複数の株式に分けて、株式数を増やすことを指します。分割により株価が低くなり、流動性が高まり多くの投資家が商いに参加できるようになります。この株式分割が増えている傾向にも東証による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請の背景があります(前回の記事では東証の要請により政策保有株式の売却と政策保有縮減に伴う売り出しが増えている旨についてお伝えしています)。


東証の狙い

東証では個人投資家が投資しやすい環境を整備するために、望ましい投資単位として「50万円未満」という水準を明示しています。上場内国株券の発行者に対して、望ましい投資単位の水準以上(50万円以上)で株式が売買されている場合には、事業年度経過後3か月以内に、50万円未満の水準へ移行するための、当該発行者の投資単位の引下げに関する考え方及び方針等を開示するよう義務付けています。

投資単位が50万円以上の会社の割合は、近年10%を下回る水準で推移していて、2024年3月末時点では、93.3%(3573社)の会社が50万円未満となっています。プライム市場では88.7%(1464社)、スタンダード市場では96.3%(1549社)、グロース市場では97.7%(560社)が50万円未満となっています。対して50万円以上の会社は6.7%(257社)という状況です。東証は、2022年10月27日付で、投資単位が50万円以上の会社に対して、投資単位の引下げに係る検討について要請を行いました。

投資単位の分布状況を見ると3市場全体で10~20万円未満の会社が一番多く28.9%(1110社)、次が5~10万円未満20.5%(786社)、続いて20~30万円未満15.9%(609社)という順です。投資単位50万円以上の会社で一番多いのは50~100万円未満で全体の5.4%(207社)、次が100~150万円未満0.6%(26社)です。

今月分割を予定している企業は60社

これまで投資単位を巡る経緯として東証は1990年に個人投資者が投資しやすい環境を整備すべく、上場会社に対して投資単位の引下げの要請を開始し、2001年に上場規則の努力義務として、「50万円未満」の水準が望まれる旨を明示して、前途のとおり50万円以上の会社に対して、投資単位の引下げに係る考え方及び方針等の開示を義務化しました。

随分と長い年月をかけて施してきましたが、昨年3月の要請後に分割を発表した会社は昨年10月25日時点で約70社あり、本腰を入れた促しの効果の表れと思われます。また今月、分割を予定している企業は60社あります(9月27日権利落ち日)。

プライム市場の主な企業

プライム市場で現在、投資単位50万円以上で推移している企業で目立った分割は以下の通りです。

・1:10=日本紙パルプ商事(8032)
・1 : 8=SBIレオスひふみ(165A)
・1:5= オービック(4684)、ソニーグループ(6758)、TDK(6762)、日東電工(6988)、石油資源開発(1662)、大阪ソーダ(4046)
・1:4=岩谷産業(8088)
・1:3=三井住友フィナンシャルグループ(8316)、塩野義製薬(4507)、アサヒグループHD(2502)

また投資単位は50万円未満ですがソフトバンク(9434)が1:10の分割を行うことを発表しています。同社は分割後2万円前後で購入できます。今年6月30日(基準日)には日立製作所(6501)が1:5、三井物産(8031)は1:2の株式分割を行いました。

日本市場において国際的な競争力及び魅力的な企業を増やしていくことに対する早急な必要性から、東証によるこの様な試みが行われていると思われます。

株式分割は企業価値を高めるものではありません。しかし、上場各社も要請に応えるべく、市場に参加する投資家が拡大するよう徐々に環境を整えており、「買いたくても高額で買えない」銘柄が1つでも減ることは個人投資家を中心にチャンスが増えることになり、市場参加者の偏りが無くなることは単純に喜ばしいことだと思います。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward] ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

(たけぞう)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください