QUOカードや優待割引も！優待新設を発表した企業とその内容は？

個人投資家に人気の株主優待の廃止の流れが強まっていると、以前の記事で何度かお伝えしていますが、一方で株主優待を新設する企業も増えています。機関投資家にとっては「使い道がない」と不評で縮小傾向にあった株主優待ですが、個人投資家へのアピールには効果的なようです。

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優待でアピールする企業

東証の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を上場各社に要請している事を背景に株主優待の廃止に動く企業、新設、内容の変更を行う企業、千差万別と言った状況です。一概にどちらがいいとは言えない現状を如実に示している結果だと思います。

各々、自社の強みを活かして模索が続いているといった感じです。株主優待を新設した企業の理由としては、売り上げ拡大につなげたり、利益を増やして株主還元余力を高める、また企業の成長と株価上昇への期待などが挙げられています。

今回、自社製品の購入に利用できるポイントや優待割引制度を新設したのは、以下でも紹介するI-ne（4933）のほか、セコム（9735）や魁力屋（5891）などです。個人投資家を顧客とみなして自社の良さを体感し納得してもらえば、自ずと企業がプラスに働きもうかる仕組みができそうです。

新設した5企業

【アスマーク（4197）】
顧客企業が抱える課題に対しマーケットリサーチ事業をおこなう会社です。言葉や行動といった数値化しにくいデータを収集する「定性調査」を強みにしています。

100株以上500株未満：QUOカード1,000円
500株以上1,000株未満：QUOカード5,000円
1000株以上：QUOカード10,000円
継続保有期間1年以上3年未満
100株以上500株未満： QUOカード3,000円
500株以上1,000株未満： QUOカード10,000円
1000株以上： QUOカード20,000円
継続保有期間3年以上
100株以上500株未満： QUOカード5,000円
500株以上1,000株未満： QUOカード15,000円
1000株以上： QUOカード30,000円
利益確定月：11月
9月20日現在株価：2,412円

【AI CROSS（4476）】
法人向けにメッセージ配信サービスを提供している会社です。

300株以上：QUOカード15,000円（年間合計30,000円分）
利益確定月：6月・12月
9月20日現在株価：1,660円

【ポート（7047）】
大学生向けの会員制就活サイト「キャリアパーク」の運営、金融や医療に関するメディアサイトを複数運営しています。

100株以上：Amazonギフトカード、QUOカードpay、dポイント、auPAYギフトカードなど11種類の中から選べる5,000円相当のデジタルギフト（年間合計）※2024年8月現在
利益確定月：3月・9月
9月20日現在株価：2,081円

【マーキュリアホールディングス（7347）】
投資家から投資資金を募り「ファンド運用事業」と、自己資金で運用をする「自己投資事業」を事業内容としています。

100株以上：QUOカード2,000円
利益確定月：12月
9月20日現在株価：861円

【I-ne（4933）】
ヘアケア製品や美容家電の企画販売、ヘアケア製品の「BOTANIST」や「YOLU」、美容家電の「SALONIA」が主力ブランドです。

100株以上：2000円相当の優待ポイント（公式オンラインストア「and Habit」で使えるポイント。1ポイント1円相当）
利益確定月：12月
9月20日現在株価：1,862円

新設ではありませんが、記念優待を行う企業も紹介します。

記念優待を行う2企業

以下の2銘柄は限定の記念優待ですが、今後も個人投資家への優待の充実等を行っていきたいとしています。

【システム・ロケーション（2480）】
自動車販売に関する業務システム、特に中古車両を取り扱う店舗向けに提供する車両の価値評価システムが主力です。

100 株～299株：QUOカード500円分
300 株～499株：QUOカード2,000円分
500 株～999 株：QUOカード12,000円分
1,000 株以上：QUOカード20,000円分
権利付き最終日：9月26日
9月20日現在株価：1,386円

【クラウドワークス（3900）】
企業と個人がサイト上で仕事を受発注し、オンラインで働くことのできるサービス「CrowdWorks」を運営している会社です。

300株以上： QUOカード15,000円
権利付き最終日：12月26日
9月20日現在株価：1,357円

QUOカードの進呈が多く目立ちますが、額面どおりに使える、使い切れる、有効期限がないのがメリットです。企業側も保有株数や保有年数によって金額設定が可能で、通知書に同封して送れるため便利です。今後は実物を送らずに済むデジタルギフトが主流になっていくのかもしれません。

ただし、優待取得目的で投資をする上で気をつけなければいけないのが、優待廃止です。決算時などに開示される事が多いので保有している銘柄のチェックは忘れずに行うようにしましょう。

投資管理もマネーフォワード MEで完結！複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化［by MoneyForward］ ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

(たけぞう)