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都内で暮らす60代独身男性の平均年収や貯蓄額、生活費はいくら?【2024年版】

MONEYPLUS / 2024年10月1日 7時30分

都内で暮らす60代独身男性の平均年収や貯蓄額、生活費はいくら?【2024年版】

都内で暮らす60代独身男性の平均年収や貯蓄額、生活費はいくら?【2024年版】

60歳を定年とする企業が多いとはいえ、60代はまだまだ現役同様に働く人が多い世代です。現役同様のバリバリ型、あるいは趣味の時間も大切にしたバランス型など、働き方はさまざまなスタイルで自由に楽しんでいるのではないでしょうか。とはいえ50代より収入は減少傾向、暮らしのダウンサイジングをする時期でもあります。

今回は、都内で暮らす60代独身男性の平均年収や貯蓄額、生活費をデータから見ていきましょう。


東京都の働く60代男性の年収は、約395万~463万円

総務省の「労働力調査(2023年) 」によれば、働く60代は増えています。60~64歳で働いている男性の割合は84.4%と、8割以上の人が働いています。

<就業率の推移(60〜64歳)>

総務省の「労働力調査(2023年)」より筆者作成

そして、公的老齢年金の受給が始まる65~69歳でも、61.6%と半数以上が仕事につき収入を得ています。その割合は年々増加の傾向です。

<就業率の推移(65〜69歳)>

総務省の「労働力調査(2023年)」より筆者作成

働いて得られる賃金は、企業の規模によって平均賃金に差があります。大企業のほうが、中小企業よりも高額になっていますが、いずれも賃金のピークは50代。役職定年や定年退職などの時期にあたる60代の収入は、20~30歳代の水準です。

厚生労働省の「2023年賃金構造基本統計調査」によれば、60~64歳までの男性の平均賃金は33万4200円、65~69歳では29万3300円です。50代で管理職に就き役職手当などによって高収入だった人も、60代になると収入減による家計見直しが避けられなくなりそうです。

賃金を都道府県別で見てみると、全国平均よりも高いのは5都府県(東京都、神奈川県、大阪府、栃木県、愛知県)です。なかでも東京都は高く、全国平均より1.16倍になっていることがわかります。

東京都の60~64歳男性の平均年収が全国平均の1.16倍とすると、約465万円。65~69歳では約352万円です。月の手取りにすると約28万~32万円ほど。60代の会社員からは、「仕事内容は同じなのに給料は少なくなった」、とはよく聞く言葉です。

1人暮らしであればなんとかやっていかれる金額、と考えることもできます。
しかし、50代でゆとりの暮らしをしていた方にとっては、家計のダウンサイジングは、経済的にも心理的にも、なかなか厳しいかもしれません。

公的年金は、65歳を境に金額が大きく違う

公的年金を受け取っている場合はどうでしょうか。

厚生労働省「2022年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、男性の年金受取額の平均は、厚生年金で16万3875円、国民年金で5万8798円です。ただし、本来の年金受給年齢である65歳を境に、受取金額に大きな違いがあります。

年金は60歳から受け取る、繰り上げ受給もできますが、1カ月ごとに0.4%減額され、その金額は生涯変わりません。平均金額を見ると、60~64歳の受取り金額は約9万~11万円。一方65歳以上では約17万円ですから、その差は決して小さくありません。

<厚生年金の平均年金月額(男性)>

「2022年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より筆者作成

厚生年金は、現役時代の給料によって受取り金額が変わります。そのため、男性が受け取る厚生年金は女性より高額になる傾向ですが、国民年金は男女差がほとんどありません。とはいえ、65歳以降に受取り金額が増えることは厚生年金と同様です。

<国民年金の平均年金月額>

「2022年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より筆者作成

このようなデータを見ると、公的年金だけで暮らすことが不安になってくるかもしれません。60代の家計収支がどのようになるのか、気になるところです。

東京都の60代独身世帯の1カ月の支出額は約17〜18万円

総務省の「2019年全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)」によると、東京都の60代単身者の1カ月の平均支出は、仕事をしている人で約17万7000円、仕事をしていない人で約16万9000円 です。支出額は、仕事の有無によって大きな差がありません。

そのうち、東京等の首都圏では家賃が大きなウエイトをしめます。公益財団法人不動産流通推進センターがまとめた「2023不動産統計集」 によれば、東京の賃貸マンションの家賃相場はいぜんとして上昇傾向です。

2023年3月のデータで は、ワンルームの家賃平均は7万6765円(6万5754円~8万7269円)、1LDK~2DKの家賃平均は8万8171円(7万6069円~10万2194円)となっています。

支出が17万5000円だとすると、そのうち、7万円が家賃ではやりくりが厳しそうですが、東京都の持ち家率は45.0%と全国で最も低いので、賃貸住まいとして考えます。住宅費を含めた1カ月の消費支出の内訳は、両調査をもとに考えると次のようになります。

60代男性単身者の1カ月の平均支出額(首都圏)

各データをもとに筆者作成

この支出をまかなうために、どのような収入があるのか見てみましょう。東京都の全世帯の平均をとっているので、勤め先収入の金額は、さきほどの賃金データとは異なります。

<東京都の60代一人暮らし世帯の主な収入(円)>

「2019年全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)」を元に筆者作成

無職世帯は勤め先からの収入はありませんが公的年金が高額で、保険金収入も多くあります。保険金は、民間保険で加入している個人年金保険や、企業年金保険です。
これらの収入のほかに、貯蓄を取り崩すなどして、家計をやりくりしています。

60代独身男性の平均貯蓄額は、1468万円

では、60代独身男性の平均貯蓄額を、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)2023年」で見ていきましょう。

データによれば、60代の平均貯蓄額は、1468万円です。

しかし、平均値は「多くの人が貯蓄している額」とは限りません。平均値は、単純に資産合計金額を人数で割った値。つまり、少数の高額資産保有者によって平均値が大きく引き上げられることがあることに注意が必要です。

実態を知るには中央値と分布を確認しましょう。中央値とは、数値の小さい人から大きな人まで並べた時、真ん中の人の値です。表のデータをグラフにすると、一目瞭然です。

金融資産非保有=貯蓄ゼロが33.3%、100万円未満が8.5%。実に、半数近くの41.8%が貯蓄0~100万円です。実態をより反映する中央値は、210万円。貯蓄額に不安を感じる人は少なくないでしょう。

60代以降になると、大きな収入アップは難しいと考えておくのが現実的です。それまでの貯蓄や保険の備えも大切ですが、長く働き続けて収入を維持していくことも考えておきたいところです。

昨今注目されている学びなおし、リスキングをするなど、スキルのアップデートをはかっていくことも重要でしょう。そして、健康にも気を付けて予防を心掛けることもポイントです。家計と身体を健全に保ち、いきいきとしたセカンドライフを送っていただきたいと思います。

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(タケイ啓子)

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