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「民間医療保険の優先度は高くない」といわれる理由の一つ【高額療養費制度】はどんな制度?

MONEYPLUS / 2024年10月11日 11時30分

「民間医療保険の優先度は高くない」といわれる理由の一つ【高額療養費制度】はどんな制度?

「民間医療保険の優先度は高くない」といわれる理由の一つ【高額療養費制度】はどんな制度?

病気やケガで入院や手術をしたとき、医療費が高額になることもあります。しかし高額療養費制度があるので自己負担は少なくてすみます。そのため医療費は、それほど心配いりません。過去にも「医療保険の優先度はそれほど高くはありません」と述べてきました。

参考記事:医療保険は優先度が低い? 必要な人とそうでない人の違いとは

では、「高額療養費制度」は、どんな制度なのでしょうか?

日本には、健康保険があるので病院の窓口では、かかった費用の3割を支払うだけです(年齢に応じて一部違いがあります)。高額療養費制度とは、入院や手術で高額な医療費がかかったとしても、家計への負担が大きくならないように、一定額に抑える制度です。さらにマイナンバーカードを利用することで、便利になっているという話をしたいと思います。


一般的な収入の人は、ひと月9万円前後の自己負担額になる

病院の窓口で支払うのは、かかった医療費の3割分です。もし健康保険がないとしたら、全額を支払うことになるので、3割だけでいいというのはありがたい数字です。

では、病気やケガで入院したり手術したりするとどうでしょうか? かなり高額な医療費がかかると予想されます。たとえば医療費に100万円かかったとしたら、自己負担は3割の30万円です。3割といっても30万円は家計に大きな負担になります。そこで高額療養費制度の出番です。高額になったときには限度額以上の医療費は高額療養費の方で負担してもらえるので、自己負担額は限度額までで大丈夫です。

高額療養費制度は、69歳以下と70歳以上では、上限額が変わってきます。ここでは、69歳以下の高額療養費制度について説明をします。

高額療養費の限度額は、所得水準によって変わります。高所得者には限度額は高くなっていて、低所得者には限度額が低くなっています。

国税庁「民間給与実態統計調査(令和4年分)」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は458万円です。その収入帯(年収約370万円〜約770万円)の人のひと月の限度額は次のように計算されます。

「80100円+(医療費−267000円)×1%」

では、ひと月の医療費が100万円かかったときには、どのくらいの自己負担額になるのかを計算してみます。計算式に当てはめると次のようになります。

80,100円+(100万円−267,000円)×1%=87,430円

ひと月にかかる医療費は約9万円前後ということになります。

マイナンバーカードがあると、自己負担額のみの支払いでOK

では、病院の窓口での支払いはどうなるのかというと、ひとまず100万円の3割負担である30万円を支払うことになります。

この支払いを済ませた後、保険者(健康保険組合、協会けんぽ、国民健康保険など)へ「支給申請書」を提出する必要があります。この申請書を提出することで、限度額を超えた分が後から払い戻される仕組みです。

医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」の交付をうけておくと便利です。「限度額適用認定証」を提示することで、病院の窓口での支払いは自己負担分だけになり、高額のお金を準備する必要はありません。

じつは、マイナンバーカードを健康保険証と利用していれば、この限度額適用認定証を用意しなくても、限度額以上の一時支払いは不要になります(病院によっては、医療情報を確認できる「オンライン資格確認システム」の導入が遅れているところがあるので、確認が必要です)。

自己負担額は世帯で合算できる

1つの病院で限度額を超えていなくても、同じ月に別の病院での自己負担分が発生した場合には合算することができます(69歳以下の場合はそれぞれ21,000円以上であることが必要)。

また、同じ世帯で同じ保険に加入している家族の医療費も合算することができます。合算した合計が限度額を超えていれば、超えた分が戻ってきます。

過去12ヵ月以内に3回以上、上限額に達した場合、4回目からは「多数回」該当となり、限度額が下がります。長期にわたり治療が必要な場合には、負担が少なくなるようになっています。

日本の医療制度は手厚い

高額療養費制度は、1ヵ月間にかかった医療費で計算をしています。

たとえば、月末に入院して月初に退院をしたら、2ヵ月に渡ることになり限度額に達しない場合があります。これではもったいないですね。もし、あらかじめ入院の予定を決められるのであれば、月をまたがないように入院の予定を入れるのが、かしこい使い方です。

このように日本の健康保険はとても手厚い保障になっていて、医療費の自己負担はあまり多くはありません。わざわざ民間の医療保険で備える必要性は低いのです。

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( 長尾義弘)

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