投資信託の少額投資にメリットはある? 本気で資産形成するために必要なこと
MONEYPLUS / 2024年10月17日 11時30分
投資信託の少額投資にメリットはある? 本気で資産形成するために必要なこと
投資信託は、今では1万円どころか100円で購入できる投資商品になりました。「手軽に投資ができる」ことをアピールする少額投資ですが、はたしてそれは資産形成につながるのでしょうか。
損しても大けがしないのが少額投資のメリット
投資信託に限ったことではなく、同じことは株式にいえるのですが、ここ数年、「投資の民主化」というか、とにかく誰でも手軽に投資できることをアピールしたいからなのか、少額資金でも投資できることを前面に打ち出す傾向が見られます。
先日、東京証券取引所が1単元あたりの株数を、現行の100株から1株にすることを検討すると公表したのも、その一環でしょう。確かに、株価が5万円の銘柄でも、1株で投資できれば5万円です。それが仮に半分になったとしても、損失額は2万5000円。ダメージはそれほど大きくありません。
少額投資には、このように実際に損失を被ったとしても、損失額そのものを小さく抑えられるメリットがあります。5万円が半分になったとしても損失額は2万5000円ですが、もし500万円が半分になったとしたら、損失額は250万円。すぐには立ち直れない損失額です。
40年積み立ててたったの4万8000円?
投資信託はかつて、最低1万円から購入する投資商品でした。それが積立投資に関しては5000円からにする投資信託会社が現れ、そのうち1000円からの購入が可能になり、現在は積立であれば100円からできる、というインターネット証券もあります。
ここまで少額化されれば、もう誰にでも投資できますし、損をしたとしてもまったく怖くないと思うのですが、だからといって少額投資を長期間続けたとしても、一向に資産が増えないことを理解しておく必要があります。
たとえば100円を1年間、毎月積み立てたところで、1年間で積み上がる元本は1200円です。ということは、40年間続けたとしても4万8000円。それでもゼロよりはましという声もありそうですが、40年もの年月を費やして築き上げた資産が、たったの4万8000円というのは冗談のような話です。4万8000円なんて、1カ月分の生活費にもならないでしょう。
つまり、少額投資は、価格変動商品を保有することに慣れるという意味では「あり」なのですが、資産形成には「何の役にも立たない」ことを理解しておきましょう。
ある程度の資産を形成するためには
本気で資産形成をしようと思ったら、そもそも少額投資などには目を向ける必要はありません。ポイント投資も、はっきりいえば無意味です。とにかく資産形成をしようとするならば、長期間にわたって積み立てを続けられる金額のなかで、上限いっぱいの額を設定する必要があります。
また将来の目標金額から逆算していくという手もあります。正直、あまりこれは使いたくないのですが、目標金額と積み立てる年数、そして平均利回りさえ所与の数字として決めておけば、毎月の積立金額をおおまかに把握できます。
金融庁やインターネット証券会社などでシミュレーターを公開しているので、それを利用すると良いでしょう。たとえば最終積立金額を3000万円として、積立期間を30年間、平均リターンを年6%にすると、この目標額を達成させるためには、毎月約3万円の積立金額が必要になります。
平均リターンは資産クラス別の期待リターンを当てはめておけば良いでしょう。もちろん期待リターンは一定ではなく、その年のマーケット状況によっても変わってきますが、ひとつ参考になるのは、JPモルガンアセットマネジメントが毎年算出・公表している「超長期市場予測」です。
たとえば2024年のレポートから期待リターンを見ると、日本大型株式のそれは8.10%、先進国株式為替ヘッジなしが6.81%、世界株式為替ヘッジなしが6.89%です。もしオール・カントリーインデックスファンドで積み立てるとしたら、世界株式為替ヘッジなしの6.89%を年平均リターンとみなしてシミュレーションすれば良いでしょう。最終積立金額を3000万円として、積立期間を30年間、平均リターンを年6.89%にすると、月々の積立金額は2万5129円になります。
定期的に積立金額の見直しを
理想をいえば、最初は2万5000円程度の積立でも、一定期間ごとに積立金額を増額した方が良いでしょう。
たとえば今は毎月2万5000円でも、40歳になったら3万5000円、50歳になったら4万5000円というように増額していくのです。
仮に、平均リターンが年6.89%で、30歳から60歳までの30年間を、上記のように段階的に積立金額を増額していくと、60歳時点での総資産額は約3577万円になります。
ここまでやれば、しっかりと資産形成ができます。繰り返しになりますが、ある程度の資産を投資で築こうとするならば、少額投資などという言葉に甘えず、自分のできる範囲で最大額を積み立てるようにしなければなりません。
確かに最初はきついかも知れませんが、若いうちからしっかり積立投資を続けていたことが、実際に50代、あるいは60歳になった時、「本当に良かった」と思えるようになるはずです。
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(鈴木雅光)
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