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東証の取引時間延長で何が変わる?決算発表のタイミングや値動きにも影響?

MONEYPLUS / 2024年10月21日 7時30分

東証の取引時間延長で何が変わる?決算発表のタイミングや値動きにも影響?

東証の取引時間延長で何が変わる?決算発表のタイミングや値動きにも影響?

東京証券取引所(東証)は2024年11月5日、次期売買システム(arrowhead4.0)稼働にあわせて、取引時間の延長を決定しています。現在の取引終了時刻は15時となっていますが、11月5日からは15時30分までとなります。


取引ルールも変更に

終了時間の延長に伴い、取引のルールが変更になります。15時25分から5分間は売買が成立せず、注文受付時間を設けます(プレ・クロージング)。その後15時30分に板寄せ(立ち会い終了)を行い、終値が決まります(クロージング・オークション)。

15時25分から15時30分は新規注文や注文の変更・取消が可能です。寄り付き前と同様の状況が5分間展開され、これまでとは終値の決め方が変わります。このクロージング・オークションの導入により終値を決める取引として、注目度の高い大引けの板寄せの透明性向上が見込こまれるとしています。大引け間際を狙って売買する投資家にとっては、取引タイミングだけではなく、どのように売買注文を出すのか、という点もこれまでとは変わってくる可能性があるように思います。ルール変更によって、投資家のこれまでのルーティンや、値動きなど、様々な点で今までとは異なる可能性もあります。

また、先物オプション(デリバティブ市場)もこれまでの8時45~15時15から8時45~15時45と変更になり、日中立会時間が30分延びます。それにより、夜間立会時間が30分後ろ倒しとなり17時00分~翌6:00へと変更になります(従来は16時30分~翌6時00分)。

取引時間を延長するのはなぜでしょうか?

東証の狙い

東証は、取引時間の延長について、「市場利用者の利便性や国際競争力、レジリエンスをさらに高めていく観点から」実施すると説明しています。海外主要市場の取引時間は、ニューヨークが6時間半、シンガポールが7時間、ロンドンが8時間半となっています。現在、日本市場は5時間の取引時間で他国に比べて短い状況です。

また、2020年10月に発生した大規模なシステム障害によって、終日取引ができず、大きな混乱が起こりました。そのため取引時間を延ばすことで、システム障害が発生しても当日中に復旧させる可能性を高め、短時間でも取引ができるようにする狙いもあります。

決算発表への影響

気になるのは決算発表の時間帯で、現在は多くの企業が取引終了後の15時~15時29分に集中しています。東証の取引時間延長が始まる11月上旬は9月中間決算発表の集中期に当たります。報道によれば、東証が10月3日時点でまとめた中間集計によると、今年夏に24年4~6月期決算を取引終了後の午後3時~3時29分に開示した1103社のうち、半数程度の約500社が従来通りの時間帯に開示すると答えました。一方、午後3時半以降に遅らせると回答した企業は2割の約200社に上り、午後3時よりも早めると答えたのは50社強にとどまるとのことです。

約半数の企業が取引時間中に決算発表を行うことになるので、自動売買の影響もあり値動きが荒くなる可能性があります。

混乱の可能性も?

先週、米国市場でオランダの半導体製造装置メーカーASMLが決算発表の日時を間違えて配信した事が話題になりました。この影響により、米国市場や半導体株は大きく下落する事になりました。決算の時間変更を余儀なくされる日本企業で、間違えて配信する企業が出る可能性もありそうです。

取引時間を延長したからといって一概に売買代金が増えるとは考えにくいです。2016年に取引時間を30分延長した韓国では、3週間程度で元に戻った事例もあります。延長後しばらくはどのような状況の変化があるのか、決算発表時を含め経過を見ていく必要があると思います。

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(たけぞう)

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