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払いきれず、更新をあきらめる事例も…、実は人生の大きな支出の一つ「生命保険」の加入時に気をつけるべきこと

MONEYPLUS / 2024年10月23日 11時30分

払いきれず、更新をあきらめる事例も…、実は人生の大きな支出の一つ「生命保険」の加入時に気をつけるべきこと

払いきれず、更新をあきらめる事例も…、実は人生の大きな支出の一つ「生命保険」の加入時に気をつけるべきこと

車や家などの高額な買い物は、何か月も吟味して決めるのに、総額にすると高額な買い物である生命保険は意外なほど人任せで決めるひとが見受けられます。付き合いで加入しているから断れないという話もたくさん聞きます。

特に更新型の保険では、60歳以降に保険料が払いきれず、保険の更新をあきらめたという話も聞きます。


生命保険料は約1,500万円にも及ぶ

人生で1番高い買い物はなんでしょうか? 多くの場合、「住宅」です。住宅は地域や広さで値段が大きく変わりますから、ひとくくりには言えませんが、住宅金融支援機構が実施している「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、住宅購入価格の全国平均は、土地付注文住宅が4,694.1万円、建売住宅が3,719.0万円、マンションが4,848.4万円、中古戸建が2,703.6万円、中古マンションが3,156.9万円です。間違いなく1番高い買い物です。

では、生命保険はどのくらいの金額になるのでしょうか? 生命保険文化センターが3年に1度行っている「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査
」によると、世帯の平均年間払込保険料は37.1万円という数字が出ています。仮に25歳から65歳まで40年間保険料を払ったとすると、1,484万円という数字になり、住宅購入には及びませんが、相当高額な買い物となります。

付き合いや人任せで加入するケースも

高額な買い物をする場合、一般的にはかなりの時間をかけ、比較検討し、見積りを取ってからも、修正を重ねて決定するものです。実際住宅購入の場合、住宅展示場に足を運び、複数業者に話を聞き、業者を選択してからも、意向にあった住宅にするため検討を重ねるはずです。比較的高額な買い物である自動車の購入についても、同様に詳しく説明を聞き、試乗をし、価格の検討を重ねていくでしょう。

では、生命保険はどうでしょうか。比較的若い世代では、ショッピングセンターに出店している保険ショップや保険代理店などで、ライフプランを考えながら複数社を比較検討して決めるひとも増えています。

保険加入は、住宅購入や自動車購入と同じで、保険に入る目的がしっかりしていなければなりません。がんのリスクに備えたい、死亡時の遺族保障を準備したい、病気やケガ特に三大疾病に手厚く備えたい、介護費用に備えたいなど、それぞれの想いが保障内容に反映され、加入しているひとが内容を把握し、そのような事態が起きた時にはいつでも請求できるように理解している必要があります。

ところが、今でも、付き合いがあって頼まれて入っている、というひとは一定数いるようです。このような場合、お任せの設計で加入することも多く、保険料ありきで内容を把握しないまま加入してしまうこともあるようです。

更新できず無保険になってしまうことも

筆者のところに、更新型保険の更新時に保険料が払えなくなったという相談がありました。

保険には一生涯保障内容や保険料が変わらない終身型と、10年ごと20年ごとなどに更新を行い、商品によっては新しい保障内容に見直しができる更新型があります。見直しができる更新型保険は合理的といえますが、更新ごとに保険料が上がっていくところがデメリットといえます。

年齢が上がるにつれリスクが高くなるので保険料アップは当然なのですが、50代60代となると、保険料の上がり方がうなぎ上りになり、家計をかなり圧迫していきます。保険料を抑えるために保障金額を下げ、保険料を調整することもできますが、死亡や病気のリスクは高齢になると高くなるのに、リスクが高くなった時保障を下げていくのは合理的ではありません。

相談に来た方は、「知人の付き合いで入っていたため、内容はよくわからなかったが、断ることもできず更新してきた。更新時に保険料があまり変わらないように調整してきたが、保障金額には下限があり、これ以上下げられず、保険料が高くなりすぎて払えなくなり相談に来た」ということでした。更新はあきらめ、医療保険だけは入りたいという意向があり、持病があったため、一般の医療保険より保険料が若干高い、終身型の緩和型医療保険に加入しました。

この方は、医療保険だけは加入することができましたが、体況によっては、保険に入れず無保険になってしまう可能性もあります。長年頑張って保険料を払い続けていても、払えなくなればそこで終了です。どの程度のお付合いかわかりませんが、その保険募集人が無保険後の生活を保障してくれるわけではありません。保険は契約ですから、お勧めする担当者がいるとはいえ、充分検討し、ご本人が納得した上で加入する必要があります。

人任せにしないために

民間の生命保険は公的保険の不足分を補填するために加入するのが基本です。保険に加入する際には公的保障を確認したうえで加入しましょう。例えば、

・遺族のための死亡保障に加入する場合は、遺族年金はいくらもらえるのか
・医療保障に加入する場合は、高額療養費制度の自己負担額の上限はいくらなのか
・傷病手当金はいくらもらえるのか
・老後の介護保障に加入する場合は、老齢年金はいくらもらえるのか

上記のように、公的保障を確認しましょう。このような試算は誕生月に毎年送られてくる「ねんきん定期便」で試算が可能です。保険提案をしてくれる担当者に相談してみましょう。

生命保険の設計書は、一般の人にはわかりづらいこともあります。説明がわからないから面倒になり、お任せしてしまったという話もよく聞きますが、高い買い物だということを思い出し、納得いくまで説明してもらいましょう。

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(寺田 紀代子)

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